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マレー半島モンスーン寄稿
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かなりご無沙汰してしまいました。

昨日友人たちとバターワースでディナーをする約束をしていたら、そのうちの一人が急に「半島側へ行くなら、せっかくだからキー・ファミリーの家に連れてってやる」と言い出し、急展開。

すごい屋敷らしいことは聞いていたのですが、正直腰が抜けるほどのすんごい屋敷でした。
急遽夕方にお邪魔したので1時間ほどしかいられなかったのですが。

キー・ファミリー(紀家)の当主はいわゆる新客(新移民)ですが、働き者でまじめで忠義心の強い青年だったのをババの富豪に認められ、養子に迎えられたそうです。細かいことはこれから資料を読まないといけないのですが、ざっと聞いた範囲で今回ご紹介します。


▲六軒屋

この家はバターワースの南、車で30分ほどのところにあるスンガイ・バカップという小さな街にあります。ちいさなメインの通りがあって、この家はそこに面しているのですが、まずこの家の門があって、大きな広場があって、大きくて豪勢なアンセストラル・ホール(先祖を祀る廟)があります。そしてその裏の広大な敷地に「六軒家」と呼ばれるプラナカンハウスがずらーっと並んでいるのです。これは6人の息子たちが一緒に住むために建てられたもの。一軒一軒がとても大きいのに、これが6つ並んださまは圧巻です。その他に使用人の棟、倉庫などもあります。


▲アンセストラル・ホール


▲アンセストラル・ホールの中。ちゃんと修復できていないが、置いてある調度品は本物、半端じゃない!


▲表通りに面した門の裏側、ここの広場ではステージを築いて京劇などを上演したのだそう


思わず「これホテルにしたらすごいじゃん」と言ってしまったのですが、「家族のためだけに使うこと」という先祖の遺言があるので、ホテルはもちろん、博物館にもしないのだそうです。

IMG_3714.jpg現在住んでいるのは3人と使用人だけで、大半の家が無人化。一族はバラバラになり、オーストラリアなど海外で暮らしているとか。絶頂期にあった先祖はまさか現在こんな状態になるとは思っていなかった上での遺言だったのでしょう。残された者だけでこんな大きな家を守っていくのはとても大変です。

◀無人化した家の中









ペナンのブルー・マンションやプラナカン・マンションは一族の手を離れ、富裕な人たちに買い取られたから、本格的な修復や維持が可能なんですね。はっきりいって、キー・ファミリーの家は規模ではこれらの家よりもずっと大きなものなんです。

ところでなぜスンガイ・バカップの紫禁城などと呼ばれるかというと、ここのご先祖様はあの西太后に仕えた清朝の高官だったからです。このいきさつはまだ資料を読み込まないといけないのですが、マラヤへの移民が大金持ちになり、清朝の高官になるまで出世したのだからすごいですね。アンセストラル・ホールには西太后から贈られたというパネルなどが飾られています。なんでも「朝議第」という位にあったのだそうで、六軒家の各入り口にはこの文字が書かれています。

表通りは商店街になっていますが、これらの殆どがキー家の所有だそうで、今でもわずかな収入をこの家賃から得ているそうです。また、この街の市場もキー家の所有だったそうです。しかしマラヤ解体後、一般市民が市場を所有するのはけしからん、ということで公営になったとか。

とにかく半端な財力ではなかったんですね。

六軒家のうち人が今でも暮らしているのは1軒のみ。あとは無人化しているのですが、窓から覗き込むとわずかに家具が残っていました。残された3人の方たちがおっとりした人たちで、なんだか知らないうちに家財がなくなって、骨董市などで売られているのだそうです。で、それを仕方なく買い取るのだと聞いて、悲しくなりました。中国人の栄華は3代まで、というのですが、本当にそういう家が多いですね。

突然のお邪魔にも快く対応してくれた親切な3人には多めのアンパオ置いてきましたが、この家の維持を考えると、とてもとても足しにはならない。現在離れてしまった一族のメンバーも維持費は出してくれているのだと思いますが、正直なところ、ちゃんと修復できていない。マラッカの青雲亭のように、きちんとした専門家に頼まないと修復できない部分が山ほどあるのです。青雲亭やブルーマンションなどは専門家が調査をし、中国から職人を呼び、かなりのお金を費やして修復されているから、今でもあんなに美しいのです。この家も博物館にでもすればいいんだけど、遺言がそれを許さない。どうしたものかなあ、と考えちゃいました・・・。
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  • 無題
Chie 2010/11/05(Fri)15:57:54 編集
Mikiさん

時代が変われば遺言の価値も変わってきますよね。
遺言とはいえ、朽ち果てるのを見続けるのは残念極まりない!
昔はシンケでも優秀な男性はプラナカンのお婿さんになっていましたが、ジョージタウンだけではなく、こんな場所にも隠れた名家が存在していたとは。
6人もの息子さんたちはバラバラに暮らしながらも、この家を守るという気持ちはどうなっているのでしょう・・・
一見するとスペース配分がクーコンシーのような感じでしょうか?
次回お邪魔した時に、是非連れて行って下さいまし!
  • 無題
Miki 2010/11/05(Fri)17:10:08 編集
チエさん

大きさでいったら、クーコンシーくらいか。いや、もっと広いかも。このアンセストラル・ホールもこの中にさらに大きな中庭があるんですよ。

思わずマラッカのJさんに相談したくなりました。修復してやって、と。

壁の塗り替えとかも現代のペンキとかを使っちゃってるみたいなのでダメなんです。「漢字の部分はチ中国語が書ける職人にやってもらった、バングラの労働者だと漢字間違えられちゃうからね」と笑ってましたが、そもそもそんな連中に任すこと自体が間違いなんですよ。
一族の人たちも、伝統建築を維持するとはどういうことか、わかってないんだと思う。剥げたらペンキ塗りかえりゃいい、程度にしか思ってないんでしょう。

今住んでおられるお婆ちゃんたちから「また来てね」としっかりハグまでされましたので、お連れいたしましょう。午前中に行くと近所のお店でマレーシア一おいしいというチャイクエ(ニラのはいったヤツ)が売られるんだそうです。表通りの商店街も旅行者が来るようなところじゃないので、いろいろ掘り出し物がありそうです。
  • 無題
Chie 2010/11/05(Fri)21:45:14 編集
そうですね、そういう修復は専門家に相談しないととんでもないことになりますよね。
マラッカのJさん・・・適役ですねぇ・・・
以前、マラッカのJonkerStに素晴らしいプラナカンハウス(カフェにもなっていた)があったのですが、その後オーナーが変わってからとんでもない俗悪なTシャツ屋になってしまったのが残念でした。
そうはならないと思いますが、クーコンシーよりも立派な建物とのこと、なんとかしないと・・ですね。
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