そして先週木曜日から5日間マラッカに2人で行ってきました。
自分で言うのもなんですが、もちろんマラッカのほんのちょびっと、ごくごく一部の人たちなんですけど、私たちはヒーレン・ストリートあたりではちょっとした顔になってしまっており、あちこちの家から声がかかるのでへたに歩けない、予定外のお誘いがバンバン入ってしまい、予定していたことがまったくできなくなりました。中国正月前ですので、本当は皆さん一番忙しいさなかなのです。それなのに早朝からたたき起こされ、一日中引っ張り回されます。中国正月のカードを出しに郵便局に行く暇すらありません。
↑正月前で赤くライトアップされたヒーレンSt
とくにババ・ニョニャ・ヘリテージ博物館のオーナーのチャン・キムレイ氏は私たちから慣れ慣れしく「おじいちゃん」と呼ばれても大喜び、おじいちゃんはいろんなところに連れていってくれるのですが、行く先々で「この2人が本を出してくれたんだよ」と孫のように自慢して歩いてました。
それから、いつもとても良くしてくださるオン・ファミリーの家には、私たちの本を読んでマラッカに行かれたN.Nさんの写真が今でもとってもとっても大切そうに飾られていました。N.N.さんはへたにポラロイド写真などをあげてきたのがまずかったですね。あれからさらに十数組日本人が来たよ、と言ってましたが、多分来る日本人全員にその写真を見せているような気がします。
この家に来るや否や、そこの家の息子に「もうすぐMikiが来るような気がするってばあちゃんが言ってたんだよ!」と大喜びで言われ、これほど喜ばれてしまうと、本当に申し訳なくなりますね。まさに「うるるん」です。
あとメールをくださったM村さん、バンオンのおやじさんにも本を渡して参りました。こちらも親子揃ってM村さんがいらっしゃったことを嬉しそうに話していました。ありがとうございました。
チエさんはあと4日ほどシンガポールに滞在されます。私はたまっていた仕事を片付けなくてはならず、今日はパスで、明日はシンガポール・プラナカン協会の会長Lee Kip Lee氏にご挨拶申し上げる予定です。
のちほど、マラッカで新規に見つけたおいしい料理をご紹介します。今回はニョニャ料理ばかりでなく、いろいろ食べ歩きました。
それが、これ、デビル・カリー( Devil Curry, Curry Devil, Curry Debalなど、 表記はお店や人によって若干異なりますが、気にしないでください。マレーシアですから)。
これはユーラシアン、正確にいうと、マレーシアン・ポーチュギーズと自称するマイノリティー・グループのお料理です。彼らはその昔、マラッカを支配したポルトガル人の末裔を指し、プラナカンのように現地人との婚姻などにより、今ではほとんど現地化しましたが、まだ独自の料理、習慣、言語を持っている人々です(彼らの多くはカトリック)。彼らの宗教はクリスタンと呼ばれ、その料理もクリスタン料理と呼ばれます。私たちがプラナカン同様に強い関心を持っているグループで、シンガポールにもユーラシアン協会があり、マレーシアのマラッカには彼らの居住区があります。
残念ながら、クリスタンの料理を食べさせるお店はほとんどありません。マラッカにはポルトガル・スクエアというのがあり、観光客を相手に料理やポルトガル風の踊りを見せたりしています。しかし、クリスタンの文化とは何か、ということをきちんと伝えきれていないのではと思います。長年シンガポールに住んでいたポルトガル人の友人が、「マラッカにはがっかりした。一体どこがポルトガルなのか?」と憤慨して帰ってきましたが、おそらく、「現地化したポルトガルの末裔」だという認識なくポルトガル広場に行けば、そういう感想を持つでしょう。そんな感想が書かれた日本のガイドブックも少なくありません。
ところがそんな感想で終わってしまっては大変もったいないほど、クリスタンは豊かな食文化を持っているのです。マラッカに有名なクリスタン料理本の著者、セリーヌ・マーベック女史がおりますが、彼女のレシピ本はいつ見てもよだれが出ます。ポルトガル人はこの地にアフリカやインドの味を持ち込み、やがてブラジルからパイナップルなどももたらします。彼女の本で紹介されている料理の数々はポルトガルが制覇した世界各地の香りがしますし、本場ポルトガル料理にも負けないほど、手の混んだ、複雑でいて完成度の高い料理が多いように思います。しかもそのバラエティーは実に豊富です。
マラッカにおけるポルトガル支配は短命に終わり、オランダによってこの地を追われてしまいます。一方でマカオは1999年までポルトガルの支配下にありました。マカオにもマカオ料理なる、現地やアフリカ、インド、マラッカの影響をもつ料理が存在していますが、純ポルトガル料理も広く普及しています。しかし支配者がオランダに変わり、肩身の狭い思いをしてきたマラッカのクリスタンたちは、純ポルトガル料理からは次第に離れ、この地独特のフュージョン料理を生み出していくのです。
さて、前置きが長くなりましたが、デビル・カリーはクリスタンのクリスマスには欠かせない料理です。といっても、当日ではなく、翌日のボクシング・デーに食べられたもの。クリスマスのごちそうの残り物で作るものだそうです。ですから、ソーセージとか、ターキーだとか、ローストビーフとかをごっちゃに入れたのだそうです。なぜデビルかというと、悪魔のように辛いから、と聞きましたが、クリスタンの料理ってどれも激辛ばっかですけどね。
この料理はマスタードシードが味の決め手で、お酢やタマリンドもたっぷり使う酸味の強いカレーです。ドライチリ、レモングラス、ガランガル、しょうが、ニンニク、ターメリック、キャンドルナッツなどをたっぷり使っています。辛いだけでなく、大変スパイシーです。
マラッカではポルトガル広場以外でも、ニョニャ料理屋でも結構作って出しています。シンガポールではユーラシアン料理店(Casa Bom Ventoなど)で味わえます。
シンガポールにはメアリー・ゴメス女史がおり、ユーラシア料理の本を出されています。3年前プラナカン・フェスティバルでお会いしたことがありました。ポルトガル風の顔をしたおばさんがいたので、もしやと思い、声をかけたらご本人でした。最近彼女は新しいレシピ本を出版しましたが、ユーラシアン料理ではなく、シンガポールのローカル料理全般の本でした。ユーラシアン料理では売れないからでしょうか?こんな素晴らしい料理の数々が、シンガポールですら評価されない(というか、まったく知られていない)のが大変残念でなりません。
というのをもらいました。
Jaheというのはジャワ語で「生姜」のこと。
この飴はジャワ島のバティック染めでも有名なCirebon(チルボン)で作られたものです。
素材は生姜、黒砂糖、タピオカでできたシンプルでナチュラルなもの。
食感はちょっとグミにも似て言いますが、口に含むと生姜のぴりぴり感がハンパではありません!
生姜好きにはたまらない刺激ですが、苦手な人には拷問?のような味かもしれません。
このハンパでない辛さ、聞いたところ幾種類かの生姜をブレンドしてあるそうです。
世界中に生姜の種類は何百種あるとも言われていますが、さすが生姜の産地であるインドネシア。小さな飴とはいえ、こだわりが感じられます。
生姜のブレンドは秘密なのでしょうが、辛味の中に甘い香りとス~っとしたすがすがしさが渾然一体となり、つい後を引くおいしさ。
しかもところどころに生姜の切れ端が見え隠れする心憎い演出も。
この飴、ちょっと風邪気味のときにも良いですし、ノドがいがらっぽいな~という時にも、ちいさいのをひとつほお張ると、そこら辺の「のど飴」よりも、ず~~っと効果があるように思えます。
インドネシアにいらっしゃる方、是非とも「生姜飴」をお土産に。
きっと喜ばれると思いますよ。
現在の住所/連絡先はこのとおり:
Level 3, Keppel Club, 10 Bukit Chermin Road, Singapore 109918
Tel: +65 6375 5563
Email: peramakan2@yahoo.com.sg
もう〜〜、前回のブログでも書きましたが、シンガポールはホントに移転が多くて困ります!
このお店はカトン地区のJoo Chiat Rdにあったんですが、それで私たちの本では
カトン歩きのページで紹介していたんですが。
まあ、カトンは他にもたくさんニョニャ料理店があり、
老舗のGuan Hoe Soonなどもお勧めですので、カトン歩きの際はそちらでお食事されては
どうでしょうか。この店はプラナカンではなく、プラナカンの家で働いていた
海南人コックのファミリーが経営しています。
エビのチリソース炒めのSambal Udang、ニョニャ料理の最高峰、チキンのブラックナッツ煮込みのAyam Buah Keluakからデザートまで、ニョニャ料理入門にはおすすめの店です。
Guan Hoe Soon
24 Joo Chiat Rd
Tel: 6344-2761 定休:火曜日
プラマカンの移転先はケッペルクラブという古い由緒あるゴルフクラブで、
ちょうどセントーサ島の対岸あたりにあります。
景色のいいところなので、観光がてらに寄って見るといいですよ。
アクセスはタクシーのみになります。
これで移転しまった店はCasa Bom Vento とIntanに続いて3軒目です。
(以前ブログでお知らせしています)
シンガポールは2010年に2カ所に巨大カジノセンターができる予定です(もちろん中国の大金持ちやアラブの金持ちをターゲットにしており、シンガポール人がカジノに入場するには100ドルくらい払わないと入れないとか。シンガポール人には賭け事してほしくないんです、さすが)。
これがどちらも大規模なもので、ラスベガスの大手企業が競り落としました。一方にはユニバーサル・スタジオもできる予定で、どちらにも数軒大型ホテルができる予定です。また、今年9月にはF1レースが決まりました。このように好材料が揃っているのでシンガポールの景気はずっと上向きです。
(写真: マーライオンの向かいにカジノ建設が進む)
不動産価格の高騰は著しく、家賃が2倍に跳ね上がったところは珍しくありません。そのため、多くの外国人駐在員たちが引っ越しを余儀なくされており、しかも今までのような条件の家を探すことはできないため、公団住宅に移り住む人も多く、また、より小さい家に移り住む人は家具が入りきらないため、家具を倉庫に預ける人が増え、倉庫ビジネスがちょっと沸いているくらいです。
都心部の商店などの家賃値上がりも激しく、そのため去年は店を移転させる物件が続出、ガイドブックなどのデータ更新時には気が遠くなるほどでした。せっかくプラナカンの本もできたことだし、のんびりしようと思っていたら、とんでもありませんでした!
そしてシンガポールのホテルはどこも年中満室状態で90%以上の稼働率、ホテルの値段も急激にあがってしまいました。3年ほど前、とある雑誌の取材班にあてがってやったホテルは当時70ドルでした。去年の春に知り合いが来たときに予約してやったときは85ドルに値上がりしており、高くなったなあーと思っていたら、なんと現在165ドル。ね、こんな調子なのですよ。5つ星ホテルになってくると400〜600ドルが当たり前になってしまいました!しかも、F1のある9月あたりはホテル代がさらに倍になるそうで、それでももう満室になっているらしいです。9月に限らず、年内はどこも満室になっているという話も聞きました。
クオリティーが向上したわけでもないのに、値段だけがどんどん上がっていくのです。
シンガポール、こんなんでは余計日本人観光客の足は遠のきますよね。友人が年始の韓国ツアーに
行ってましたが、たったの1万2千円というツアー。もちろん内容はきついものですが、それでもこの値段は魅力。
タクシーの値段も上がってきましたし、物価も安くはありません。
シンガポールのフレンチやイタリアンは最悪のまずさなのですが(オーストラリアあたりから流れてきたシェフばっかでレベルも低いし、材料が悪すぎ)、日本並の値段を要求するところが増えました。日本に帰ってフレンチ食べるとすんごく感動します、おいしくて。
シンガポール、今のままでホントにいいのかな・・・?
おとなりマレーシアのクアラルンプールは「マンダリンなどの一流ホテルが安く泊まれる」というのが売りだというのに。
昨年は本を出版することができ、多くの方々に大変お世話になりました。
またHPやブログを見ていただいている方々からも沢山の励ましの言葉をいただきました。
心より御礼申し上げます。
本年もかわらずにプラナカンの世界、マレー半島の話題にお付き合いいただきたく、
宜しくお願いいたします☆
本日はプラナカンの屋敷に欠かせない「提灯」についてちょっとお話ししましょう。
家々の軒先を飾るカラフルな提灯ですが、冠婚葬祭に欠かせないアイテムであっただけではなく、実はその色や形が、彼らのアイデンティティーを示す重要な役割を担っていたのです。
もともとこれらの提灯は中国のものですが、現在は本場中国ではこのようなスタイルのものはほとんど見られないとのことです。よく日本の中華街でも目にするような中国式提灯は宮廷式と呼ばれるもの。今中国やシンガポール、マレーシアなど一般的な中国人の家、店で使われている丸いだけのタイプは、共産党革命後に簡易的に用いられるようになったものだそうです。身分、家などを示すような提灯は御法度になったわけですから。
ではプラナカンの家で使われている提灯について。
まず、玄関の軒先にかけられる提灯ですが、右側は家の名前を、左側はその家の職業を表す文字や模様が描かれています。
その家の提灯を見れば、家主の名前と職業までもが一目瞭然というわけです。
表札が無い時代の知恵ともいえますが、興味深いのはそれだけではなく、その形を見るだけで彼らの出身地がわかるようになっているのです。
その多くは彼らの故郷、福建風のものですが、提灯を形作る骨組みが傘のように幾重にも縦に細長く伸び、ずっしりとした重みを感じさせる男性的な風貌が特徴です。
それに比べて潮州風の提灯は、こまかい網目のような骨組みが張り巡らされ、表から見ると凹凸のないツルリとした女性的な風貌で、福建式に比べ少し細長い印象があります。
極彩色に近いカラフルな色付けも福建風の提灯ならでは。マラッカのタンチェンロック家、ババ・ニョニャ博物館、ペナンのプラナカン・マンションなどに足を運ぶと、見事な福建提灯を見ることができます。(ただし、軒先に飾る提灯は盗難も多いそうで、今では祭事の時にしか出していない家がほとんど。)
シンガポールのカトン・アンティークハウスでは福建風、潮州風などの見事な提灯の数々がダイニングルームに飾られていますので、機会があったら是非ご覧下さい。
今、シンガポールより著者がお里帰り中にて、2人でBatikの撮影で大変お世話になったBatik研究家のお宅へお邪魔してきました。
以前ブログでも紹介した「ジャワ更紗の旅 Batik」という素晴らしい本の著者でもあり、Batikの研究集団クンプルを代表する城田杏子さん。彼女も以前シンガポールにお住まいの経験があるシンガポール通、シンガポール滞在期にバティックと出会い、のめりこんだとか。そんな彼女のご自宅は
どれを拝見させていただこうか・・・と大変迷いましたが
まず最初に、本にも登場したレアものの作家、オランダ系混血女性
エリザ・ファン・ツァイレンといえば、ヨーロッパのフラワーアレン
20世紀半ばに描かれたこのサロンは、ブルーと淡いピンクに染められ
城田さん曰く、この工房で描かれるBatikの特徴は、花びら一枚一枚の描写が花びらの輪郭に沿ってわずか0
なるほど、じっくり近づいて見ると目がくらみそうなほど細かい点描
周りを飛び交う鳥や蝶たちは実にしなやかに、伸びやかな曲線で描か
小さな部分をひとつ取っても、それぞれに特徴があり実に奥が深いBatikの世界です。
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