あっという間に師走になってしまいました。しばしご無沙汰しておりましたが、連日の寒さに風邪などひいておられませんか?
このたびご縁があり、マカンマカンの平岡シェフとともにジョホール・バルのスルタンのお料理を教えていただきにマレーシア&シンガポールへと旅をしてまいりました。
貴重な機会を与えて下さった方の旦那様がスルタンのご親戚ということもあり、渡航前から2人でワクワク・ドキドキ!
羽田発の深夜便でシンガポールへ入り、早朝陸路わずか40分でジョホール・バルに到着。
シンガポール在住時にはジョホール・バル(以下J.B)=見どころ無しの危ないところ、、というイメージが強かったのですが、行ってみたらそんなイメージが吹っ飛ぶオイシイものの宝庫 & マラッカ海峡を臨む風光明美な街が一気に大好きになりました。
今回お料理を教えて下さったのはスルタンの家に仕えた80歳と60歳の料理人のお2人。凛としたたたずまいや物腰はさすが宮遣いをされたと思える風格のある方々でしたが、一人はスイーツ担当、もうひと方はお料理担当という贅沢なダブル教授でした。
まず最初に、最も興味深いお料理のひとつとして、スルタンのハリラヤに欠かせないという「アリッサ(Halisa, Harrisa)」という前菜を教えていただきました。
私は最初「アリッサ」と聞いた時、クスクス等と一緒に食べる中近東や北アフリカにある唐辛子のピュレーしか思い浮ばなかったのですが、これは全く別物のアリッサでした。お味はふんわりとした上品なミートローフといった感じでしょうか?
鶏肉にオーツ麦とクローブやナツメグなどのスパイスと、ギーを混ぜてトロトロになるまで煮込んだものを型に流し込んで焼いたもので、食べる直前に薄くスライスしてさっと焼きあげ、平たくお皿に盛ります。何回もステップをふんで作られる大変手の込んだお料理のため、時間内には到底作れず、この日は既に仕上げてあるものを試食させていただきました。
アリッサには細かくすり潰した赤唐辛子に塩をまぶしたガラム・ラダを添えて頂くそうですが、「子供はこれに蜂蜜や砂糖をつけて食べるんだよ」と案内して下さった旦那様がおっしゃったので、試してみたら確かに蜂蜜との相性はぴったり☆
鶏肉の代わりに羊やビーフでやる場合もあるそうですが、鶏肉が一番クセが無く上品に仕上がるので好まれているそうです。メッカで食べたアリッサはもっとドロリとしたお粥状のものだったそうですが、こちらのほうがずっと美味しいよ!とおっしゃっていました。
そのとおり、歴史を紐解くとこのアリッサは、もとは中近東にルーツを持つお粥状のもので、それがかつての大国「ジョホール・リアウ帝国」のスルタンに伝わり、リアウ王家とつながりのある現在のジョホール王家へと引き継がれていった由緒ある大変貴重なお料理だったのです。
そして今、ジョホール王家を代表する最も大切なロイヤル・レシピのひとつとしてこの「アリッサ」は受け継がれ守られています。
そういえば、教えていただく前日にスルタンのお姉様のご自宅にお邪魔させていただきましたが、その時も冷凍庫には自家製のアリッサがドーンと保存されていました。ジョホール王家にとって特別な意味を持つお料理なのだ、という事がこの時もひしひしと伝わってきました。
今回ハリラヤの時期ではないにもかかわらず、この大変貴重なお料理を、しかもスルタンの家に伝わるオーセンティックなレシピで味わうことができた幸せは、言葉では言い尽くせない喜びとして深く胸に刻まれています。(つづく)
このたびご縁があり、マカンマカンの平岡シェフとともにジョホール・バルのスルタンのお料理を教えていただきにマレーシア&シンガポールへと旅をしてまいりました。
貴重な機会を与えて下さった方の旦那様がスルタンのご親戚ということもあり、渡航前から2人でワクワク・ドキドキ!
羽田発の深夜便でシンガポールへ入り、早朝陸路わずか40分でジョホール・バルに到着。
シンガポール在住時にはジョホール・バル(以下J.B)=見どころ無しの危ないところ、、というイメージが強かったのですが、行ってみたらそんなイメージが吹っ飛ぶオイシイものの宝庫 & マラッカ海峡を臨む風光明美な街が一気に大好きになりました。
今回お料理を教えて下さったのはスルタンの家に仕えた80歳と60歳の料理人のお2人。凛としたたたずまいや物腰はさすが宮遣いをされたと思える風格のある方々でしたが、一人はスイーツ担当、もうひと方はお料理担当という贅沢なダブル教授でした。
まず最初に、最も興味深いお料理のひとつとして、スルタンのハリラヤに欠かせないという「アリッサ(Halisa, Harrisa)」という前菜を教えていただきました。
私は最初「アリッサ」と聞いた時、クスクス等と一緒に食べる中近東や北アフリカにある唐辛子のピュレーしか思い浮ばなかったのですが、これは全く別物のアリッサでした。お味はふんわりとした上品なミートローフといった感じでしょうか?
鶏肉にオーツ麦とクローブやナツメグなどのスパイスと、ギーを混ぜてトロトロになるまで煮込んだものを型に流し込んで焼いたもので、食べる直前に薄くスライスしてさっと焼きあげ、平たくお皿に盛ります。何回もステップをふんで作られる大変手の込んだお料理のため、時間内には到底作れず、この日は既に仕上げてあるものを試食させていただきました。
アリッサには細かくすり潰した赤唐辛子に塩をまぶしたガラム・ラダを添えて頂くそうですが、「子供はこれに蜂蜜や砂糖をつけて食べるんだよ」と案内して下さった旦那様がおっしゃったので、試してみたら確かに蜂蜜との相性はぴったり☆
鶏肉の代わりに羊やビーフでやる場合もあるそうですが、鶏肉が一番クセが無く上品に仕上がるので好まれているそうです。メッカで食べたアリッサはもっとドロリとしたお粥状のものだったそうですが、こちらのほうがずっと美味しいよ!とおっしゃっていました。
そのとおり、歴史を紐解くとこのアリッサは、もとは中近東にルーツを持つお粥状のもので、それがかつての大国「ジョホール・リアウ帝国」のスルタンに伝わり、リアウ王家とつながりのある現在のジョホール王家へと引き継がれていった由緒ある大変貴重なお料理だったのです。
そして今、ジョホール王家を代表する最も大切なロイヤル・レシピのひとつとしてこの「アリッサ」は受け継がれ守られています。
そういえば、教えていただく前日にスルタンのお姉様のご自宅にお邪魔させていただきましたが、その時も冷凍庫には自家製のアリッサがドーンと保存されていました。ジョホール王家にとって特別な意味を持つお料理なのだ、という事がこの時もひしひしと伝わってきました。
今回ハリラヤの時期ではないにもかかわらず、この大変貴重なお料理を、しかもスルタンの家に伝わるオーセンティックなレシピで味わうことができた幸せは、言葉では言い尽くせない喜びとして深く胸に刻まれています。(つづく)
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この記事にコメントする
- アンティヒロ様
アンティヒロさん
早速にコメントをありがとうございました。
本当に素晴らしい経験でしたね!今すぐどころか、ず~~っとあちらにいたい気持ちでいっぱいです☆
「アリッサ」という名前ですが、アリッサにつけて食べるトウガラシ・ペーストのことを言っているのかもしれませんね???
つづりも同じ「Harrisa」からして、料理そのものではなく、中近東のトウガラシ・ペーストの名前から来ているのかも??などと勝手な思いをめぐらしております。
マレー料理の名前の表記は本当に様々で、研究もされていないので難しいです!
アンティヒロさんもいつも苦労されていますよね~
いつの日かこのアリッサの再現を日本で楽しみにしていますよ。
早速にコメントをありがとうございました。
本当に素晴らしい経験でしたね!今すぐどころか、ず~~っとあちらにいたい気持ちでいっぱいです☆
「アリッサ」という名前ですが、アリッサにつけて食べるトウガラシ・ペーストのことを言っているのかもしれませんね???
つづりも同じ「Harrisa」からして、料理そのものではなく、中近東のトウガラシ・ペーストの名前から来ているのかも??などと勝手な思いをめぐらしております。
マレー料理の名前の表記は本当に様々で、研究もされていないので難しいです!
アンティヒロさんもいつも苦労されていますよね~
いつの日かこのアリッサの再現を日本で楽しみにしていますよ。
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プラナカンを中心に、シンガポール・マレーシアの話題をお届け。食べ物・旅行の話題が中心です。
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Miki & Chie
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女性
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シンガポールとペナンに住んで20数年、プラナカン協会会員です。ライター&コーディネート業務に携わっています。ご依頼・お問い合わせは下記ホームページからお願いいたします。
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