以前、全料理制覇を試みたほど、私たちがすごくはまったレストラン、カサ・ボン・ヴェント。
ご主人がユーラシアン、奥さんがニョニャというグルメ・カップルの絶品料理の数々。
ユーラシアン料理の代表選手カリー・デバルから、ニョニャ料理のアヤム・ブアクルアはもう
ここを超える店にであったことがないほどの絶品、そのほかにも丁寧に作られたオックステール・シチューなどはそこらのフランス料理店など蹴散らすほどの美味しさ。
個性的で美味なるニョニャ風サラダの数々、店員が呆れるほど何種類もの料理を注文しては
トライしまくっていた私たち。チエさんなどはメニューをもらって帰って、次回はこれ、と研究するほど、惚れ込んでいたのです。
料理好きが嵩じてお店を開いたというマダム・チーの作る料理は、何と言っても、どれも愛情たっぷりで、手抜きのない、丁寧な仕事が評判を呼び、一時はとても繁盛する店になっていました。
ところが癌という重い病気に冒され、とうとう昨年お亡くなりに。そして店じまいとなってしまったのです。
ああもうシンガポールはダメ、と諦めかけていた私たちですが、
今再び、「これは!」と注目しているお店を見つけました。
そのお店はデバギ。
(写真がなくてすみません。プライベートの時はゆっくり食べたくてあまり撮影しません。次回)
店名にもなっているオーナーのデバギさんは、シンガポールで何冊ものレシピ本を出しているインド系の女性で、テレビなどにも登場する有名な方です。ちえさんは以前にこの方の料理教室にも行ったことがあるそうで、「彼女の作る料理なら、そりゃ美味しいでしょう」と。料理教室マニア、ちえさんが褒めるのだから、腕はもう保証されたも同じ。
で、ちょっと郊外にあるそのお店に行ってみたのですが、
これが素晴らしい。
お店の雰囲気はモダンでカジュアルながらにセンスの良さが感じられます。ちょっとお洒落なディナーにもいい感じです。お皿、料理の盛りつけにも女性シェフならではのセンスが溢れています。
デバギさんはインド系といっても、とっても都会的なモダンな方で、普段はお店で接客にまわっています。
ここで出す料理はすべて、インド系の料理を中心としながらも、ニョニャ料理からユーラシアン料理などシンガポールやマレーシアのローカル料理を彼女風にアレンジしたオリジナルメニュー。材料も厳選されており、著名な料理研究家としてのデバギさんのプライドが随所に感じられます。
とてもユニークな料理の数々ですが、さらに女性に嬉しいのは、インド系料理でも油っこすぎないこと。どの料理も上品でヘルシーな仕上がりです。そういうところにもデバギさんは注意を払っていると思います。
一番人気があるのは、Fried Belacan Chicken Wingだそうで、あのブラチャンをベースにしたマリネ液に漬け込んだチキンをカリッカリに揚げています。そこに上品な味わいの甘酸っぱいインド風特製サルサを添えて食べます。多分誰にでも喜ばれる一品だと思います。
私が気に入っているのは、ダール豆の料理で、何種類もあるのですが、とりあえず試してみたのは、ダール豆とほうれん草を煮込んだもの。ウェットタイプとドライタイプがありますが、両方ともいけます。非常にヘルシーで、淡白な味付けなので、お豆とほうれん草の味がストレートに伝わってきます。ベジタリアン大国インドの料理のおいしさは野菜にあるはずと思うのですが、当地の多くのインド料理店では野菜料理は脇役で適当に作ってるところばかりですので、これは貴重です!
うちの主人が超気に入ったのは、ブラックペッパー・マトン。マレー料理のレンダンのような水気のないスパイス・グレイビーに黒胡椒を利かせており、じっくり煮込んだマトンが崩れるほどソフトでジューシー。こんなにおいしいマトン料理は食べたことがない、とすごく褒めていました。
この他の人気料理はアサム・フィッシュ・カリー、ラクサ・プローンなどいろいろありますが、どれも他の店では見たことがないオリジナリティー溢れる料理ばかりなので、全部試してみたくなるのです。
で、おそらくここの看板料理は本格的なダム・ブリヤニ。普通こちらでブリヤニというと、ただスパイス風味のライスが盛られてきますが、ダム・ブリヤニというのは、中にチキンカレ—とかマトンカレーなどを、スパイスを混ぜたライスで包んで蒸し上げる(焼き上げる?)ものです。そこらの屋台料理のものとは違います。残念ながら、これはまだ注文していません(食べきれません!)。
代わりに私たちはピース・ピラウというのをライス代わりに頼んでいます。グリーンピースがたくさん入ったブリヤ二ライスです。パラパラと上手に炊き上げられた極上のバスマティ・ライスはカレーがなくても十分に楽しめます。
また、さすがデバギさん、飲み物やデザートにも抜かりはありません。
キュウリを使ったヘルシーなキューカンバー・クーラー、ニョニャ料理でおなじみのロンガン&なつめのドリンク、子供にはチョコレート・シェークなどの飲み物も充実しており、デザートにもグラメラカ(ブラウンシュガー)・アイスクリームなど珍しいアイスクリーム、私がかなり気に入ったのは、インドのスイーツ風な味がするミルクベースでゼリーがいろいろと入っているJigar Thandaという冷たいドリンクタイプのデザート。インド版チェンドルといったところでしょうか。
どれもこれもユニークで、一工夫してあり、丁寧につくられた料理ばかり。もちろん味付けは人それぞれ好き嫌いがあると思いますが、一番大切なのは料理に対する姿勢です。味付けが私好みでないものもありましたが、料理は丁寧に作られているので、決してまずいとかは思わないし、こういうアプローチもあるのね、と関心できます。こういう姿勢が感じられない店(例えば冷凍の材料を使っているとか、下処理もしないとか、何もかも適当な店。ちゃんとプロの仕事を見せていただきたい!でもこの手の店は繁華街で何店舗も展開してますね)はもう何口か食べて「二度と来るまい」と思うのですが、この店では、味付けが好みでなくても、他にも試してみたい、と思わせる、そういう魅力がありました。
とにかく、こういう姿勢のお店には存続していただかないと困ります。
是非皆さん、一度足を運んでみてください。
ちょっとひと味ちがう、丁寧に作られたインド料理、ローカル料理ならここがおすすめです。
しかも予算は1人約20〜25ドルほど(料理、ドリンク、デザートとたらふく食べて、です)ととてもリーズナブル。
場所はビシャンのエリア、Upper Thomson Rdの飲食店がたくさん集まったところの一画です。
都心からバスでも行かれますね。
Devagi's
200 Upper Thomson Road,
#01-03 Thomson Imperial Court, Singapore 574424
Tel : 6255 2440
ご主人がユーラシアン、奥さんがニョニャというグルメ・カップルの絶品料理の数々。
ユーラシアン料理の代表選手カリー・デバルから、ニョニャ料理のアヤム・ブアクルアはもう
ここを超える店にであったことがないほどの絶品、そのほかにも丁寧に作られたオックステール・シチューなどはそこらのフランス料理店など蹴散らすほどの美味しさ。
個性的で美味なるニョニャ風サラダの数々、店員が呆れるほど何種類もの料理を注文しては
トライしまくっていた私たち。チエさんなどはメニューをもらって帰って、次回はこれ、と研究するほど、惚れ込んでいたのです。
料理好きが嵩じてお店を開いたというマダム・チーの作る料理は、何と言っても、どれも愛情たっぷりで、手抜きのない、丁寧な仕事が評判を呼び、一時はとても繁盛する店になっていました。
ところが癌という重い病気に冒され、とうとう昨年お亡くなりに。そして店じまいとなってしまったのです。
ああもうシンガポールはダメ、と諦めかけていた私たちですが、
今再び、「これは!」と注目しているお店を見つけました。
そのお店はデバギ。
(写真がなくてすみません。プライベートの時はゆっくり食べたくてあまり撮影しません。次回)
店名にもなっているオーナーのデバギさんは、シンガポールで何冊ものレシピ本を出しているインド系の女性で、テレビなどにも登場する有名な方です。ちえさんは以前にこの方の料理教室にも行ったことがあるそうで、「彼女の作る料理なら、そりゃ美味しいでしょう」と。料理教室マニア、ちえさんが褒めるのだから、腕はもう保証されたも同じ。
で、ちょっと郊外にあるそのお店に行ってみたのですが、
これが素晴らしい。
お店の雰囲気はモダンでカジュアルながらにセンスの良さが感じられます。ちょっとお洒落なディナーにもいい感じです。お皿、料理の盛りつけにも女性シェフならではのセンスが溢れています。
デバギさんはインド系といっても、とっても都会的なモダンな方で、普段はお店で接客にまわっています。
ここで出す料理はすべて、インド系の料理を中心としながらも、ニョニャ料理からユーラシアン料理などシンガポールやマレーシアのローカル料理を彼女風にアレンジしたオリジナルメニュー。材料も厳選されており、著名な料理研究家としてのデバギさんのプライドが随所に感じられます。
とてもユニークな料理の数々ですが、さらに女性に嬉しいのは、インド系料理でも油っこすぎないこと。どの料理も上品でヘルシーな仕上がりです。そういうところにもデバギさんは注意を払っていると思います。
一番人気があるのは、Fried Belacan Chicken Wingだそうで、あのブラチャンをベースにしたマリネ液に漬け込んだチキンをカリッカリに揚げています。そこに上品な味わいの甘酸っぱいインド風特製サルサを添えて食べます。多分誰にでも喜ばれる一品だと思います。
私が気に入っているのは、ダール豆の料理で、何種類もあるのですが、とりあえず試してみたのは、ダール豆とほうれん草を煮込んだもの。ウェットタイプとドライタイプがありますが、両方ともいけます。非常にヘルシーで、淡白な味付けなので、お豆とほうれん草の味がストレートに伝わってきます。ベジタリアン大国インドの料理のおいしさは野菜にあるはずと思うのですが、当地の多くのインド料理店では野菜料理は脇役で適当に作ってるところばかりですので、これは貴重です!
うちの主人が超気に入ったのは、ブラックペッパー・マトン。マレー料理のレンダンのような水気のないスパイス・グレイビーに黒胡椒を利かせており、じっくり煮込んだマトンが崩れるほどソフトでジューシー。こんなにおいしいマトン料理は食べたことがない、とすごく褒めていました。
この他の人気料理はアサム・フィッシュ・カリー、ラクサ・プローンなどいろいろありますが、どれも他の店では見たことがないオリジナリティー溢れる料理ばかりなので、全部試してみたくなるのです。
で、おそらくここの看板料理は本格的なダム・ブリヤニ。普通こちらでブリヤニというと、ただスパイス風味のライスが盛られてきますが、ダム・ブリヤニというのは、中にチキンカレ—とかマトンカレーなどを、スパイスを混ぜたライスで包んで蒸し上げる(焼き上げる?)ものです。そこらの屋台料理のものとは違います。残念ながら、これはまだ注文していません(食べきれません!)。
代わりに私たちはピース・ピラウというのをライス代わりに頼んでいます。グリーンピースがたくさん入ったブリヤ二ライスです。パラパラと上手に炊き上げられた極上のバスマティ・ライスはカレーがなくても十分に楽しめます。
また、さすがデバギさん、飲み物やデザートにも抜かりはありません。
キュウリを使ったヘルシーなキューカンバー・クーラー、ニョニャ料理でおなじみのロンガン&なつめのドリンク、子供にはチョコレート・シェークなどの飲み物も充実しており、デザートにもグラメラカ(ブラウンシュガー)・アイスクリームなど珍しいアイスクリーム、私がかなり気に入ったのは、インドのスイーツ風な味がするミルクベースでゼリーがいろいろと入っているJigar Thandaという冷たいドリンクタイプのデザート。インド版チェンドルといったところでしょうか。
どれもこれもユニークで、一工夫してあり、丁寧につくられた料理ばかり。もちろん味付けは人それぞれ好き嫌いがあると思いますが、一番大切なのは料理に対する姿勢です。味付けが私好みでないものもありましたが、料理は丁寧に作られているので、決してまずいとかは思わないし、こういうアプローチもあるのね、と関心できます。こういう姿勢が感じられない店(例えば冷凍の材料を使っているとか、下処理もしないとか、何もかも適当な店。ちゃんとプロの仕事を見せていただきたい!でもこの手の店は繁華街で何店舗も展開してますね)はもう何口か食べて「二度と来るまい」と思うのですが、この店では、味付けが好みでなくても、他にも試してみたい、と思わせる、そういう魅力がありました。
とにかく、こういう姿勢のお店には存続していただかないと困ります。
是非皆さん、一度足を運んでみてください。
ちょっとひと味ちがう、丁寧に作られたインド料理、ローカル料理ならここがおすすめです。
しかも予算は1人約20〜25ドルほど(料理、ドリンク、デザートとたらふく食べて、です)ととてもリーズナブル。
場所はビシャンのエリア、Upper Thomson Rdの飲食店がたくさん集まったところの一画です。
都心からバスでも行かれますね。
Devagi's
200 Upper Thomson Road,
#01-03 Thomson Imperial Court, Singapore 574424
Tel : 6255 2440
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この記事にコメントする
- 無題
Mikiさん
いますぐ直行したい気分ですわ☆☆☆
アッパー・トムソンは少し遠いですが、オーチャードからタクシーでも15分~20分くらいでしょうかね?かつてインドネシア・プラナカンのお店があったあたりかな??
Devagiさんは以前リトルインディアで「スパイス・ルート」という調味料や雑貨のお店をOpenされた時(今はクローズ)に取材でもお世話になりましたが、様々な困難を乗り越えて自立した、とても知的でスマートな女性です。
自分を表現するには料理しかなかった、とおっしゃっていた方で、その時も様々なDevagiブレンドの調味料ペーストを販売していました。
インド料理だけではなく自分で食べて「おいしい」と思える料理を工夫・研究して作る。
手間をかけ、愛情をかけてサーブする姿勢は以前から変わっていないんですね!良かったです。
わたしは、インドのベジタリアン料理は世界一の野菜料理だとかねてから思っていますし、その絶品黒胡椒マトンも南インドの風景が思い浮かぶような・・・実に美味しそうなお料理ですね!!
そして大さんが激しく惹かれる「ダム・ブリヤ二」これも絶対に食べてみなくては・・・・
カサ・ボン亡き後、行ってみたいお店ができ、シンガポールの楽しみがひとつ増えました☆
いますぐ直行したい気分ですわ☆☆☆
アッパー・トムソンは少し遠いですが、オーチャードからタクシーでも15分~20分くらいでしょうかね?かつてインドネシア・プラナカンのお店があったあたりかな??
Devagiさんは以前リトルインディアで「スパイス・ルート」という調味料や雑貨のお店をOpenされた時(今はクローズ)に取材でもお世話になりましたが、様々な困難を乗り越えて自立した、とても知的でスマートな女性です。
自分を表現するには料理しかなかった、とおっしゃっていた方で、その時も様々なDevagiブレンドの調味料ペーストを販売していました。
インド料理だけではなく自分で食べて「おいしい」と思える料理を工夫・研究して作る。
手間をかけ、愛情をかけてサーブする姿勢は以前から変わっていないんですね!良かったです。
わたしは、インドのベジタリアン料理は世界一の野菜料理だとかねてから思っていますし、その絶品黒胡椒マトンも南インドの風景が思い浮かぶような・・・実に美味しそうなお料理ですね!!
そして大さんが激しく惹かれる「ダム・ブリヤ二」これも絶対に食べてみなくては・・・・
カサ・ボン亡き後、行ってみたいお店ができ、シンガポールの楽しみがひとつ増えました☆
- ABOUT
プラナカンを中心に、シンガポール・マレーシアの話題をお届け。食べ物・旅行の話題が中心です。
- プロフィール
HN:
Miki & Chie
性別:
女性
自己紹介:
シンガポールとペナンに住んで20数年、プラナカン協会会員です。ライター&コーディネート業務に携わっています。ご依頼・お問い合わせは下記ホームページからお願いいたします。
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