かなり親しくおつきあいさせていただいている、キムさん親子に
「あんたは何でも食べるみたいなので、ケランタン料理を作ってごちそうしたい」と
家にも招かれました。
作っていただいたのは、ケランタン名物のナシ・ウラムとアヤム・ペルチック。ナシ・ウラムはナシ・ケラブという名前でも通っていますが、これはハーブ入りご飯のことです。
ペナンのニョニャ料理にもナシ・ウラムというものがありますが、かなり作り方が違います。
ごらんの通り、ご飯にはハーブのペーストをすでに混ぜ込んであり、その上に、きゅうりやココナッツ、魚のデンブ、もやしなどの具をのせ、ケランタン特有という魚醤がベースの辛いタレをかけて一気にまぜながら食べるのです。ハーブは20種類以上のものを用い、ケランタンのジャングルに生えているさまざまな野草(説明出来ないと言われました。ペナンにもない、いわゆる山菜のようなハーブなのだそうです)をすりつぶして使っているそうです。また、マレーシア東海岸はケロポ(魚をつかった揚げせんべい)が有名ですが、その名物せんべいも砕いてライスに加えて食べるのです。
←このようにまぜて食べます。
スプーンにのっているのが、魚醤ベースのタレ。
とってもおいしく、3杯おかわりしてしまいまいた〜〜〜!
ニョニャのナシ・ウラムもいいのですが、こちらもおいしいです。
思ったよりもハーブはきつくなく、とても食べやすい。生野菜のシャキシャキ感で食感もよく、 これは日本人も好きな味だと思います。魚の生臭さもありません。
ニョニャのナシウラムはもっとハーブの量が多く、ハーブにご飯が絡んでいるといってもいいくらい。なので、ライス・サラダといった感じですが、ケランタンのものは、ハーブ風味のご飯に野菜がのっている、という感じで、ビビンパ風とでもいいましょうか。
アヤム・ペルチックAyam Percikは、ちゃんとしたオーブンがないのでちょっと見た目綺麗に焼けませんでしたが、ソースはとてもおいしい。ココナッツクリームにニンニク、チリなど各種ハーブを加えたちょっと甘めのソースを塗って焼くローストチキンです。これも美味、とくにソースがおいしくてなめたくなるほど。
マレーシアもいっぱいおいしいものがありますね
「あんたは何でも食べるみたいなので、ケランタン料理を作ってごちそうしたい」と
家にも招かれました。
作っていただいたのは、ケランタン名物のナシ・ウラムとアヤム・ペルチック。ナシ・ウラムはナシ・ケラブという名前でも通っていますが、これはハーブ入りご飯のことです。
ペナンのニョニャ料理にもナシ・ウラムというものがありますが、かなり作り方が違います。
ごらんの通り、ご飯にはハーブのペーストをすでに混ぜ込んであり、その上に、きゅうりやココナッツ、魚のデンブ、もやしなどの具をのせ、ケランタン特有という魚醤がベースの辛いタレをかけて一気にまぜながら食べるのです。ハーブは20種類以上のものを用い、ケランタンのジャングルに生えているさまざまな野草(説明出来ないと言われました。ペナンにもない、いわゆる山菜のようなハーブなのだそうです)をすりつぶして使っているそうです。また、マレーシア東海岸はケロポ(魚をつかった揚げせんべい)が有名ですが、その名物せんべいも砕いてライスに加えて食べるのです。
←このようにまぜて食べます。
スプーンにのっているのが、魚醤ベースのタレ。
とってもおいしく、3杯おかわりしてしまいまいた〜〜〜!
ニョニャのナシ・ウラムもいいのですが、こちらもおいしいです。
思ったよりもハーブはきつくなく、とても食べやすい。生野菜のシャキシャキ感で食感もよく、 これは日本人も好きな味だと思います。魚の生臭さもありません。
ニョニャのナシウラムはもっとハーブの量が多く、ハーブにご飯が絡んでいるといってもいいくらい。なので、ライス・サラダといった感じですが、ケランタンのものは、ハーブ風味のご飯に野菜がのっている、という感じで、ビビンパ風とでもいいましょうか。
アヤム・ペルチックAyam Percikは、ちゃんとしたオーブンがないのでちょっと見た目綺麗に焼けませんでしたが、ソースはとてもおいしい。ココナッツクリームにニンニク、チリなど各種ハーブを加えたちょっと甘めのソースを塗って焼くローストチキンです。これも美味、とくにソースがおいしくてなめたくなるほど。
マレーシアもいっぱいおいしいものがありますね
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ペナンで食べる、第2弾になりますが、
ペナンのシーフード事情。
ペナンも海に囲まれたところで新鮮なものが食べられますが、問題はそれを
食べさせてくれるところ。
観光客が多いガーニー・ドライブにも2軒ほど大きなお店がありますし、
ビーチエリアにも有名店がありますが、
まじでおすすめしません。
生け簀に魚、かに、エビが泳いでいますが、注文時にそれを頼んでも、
冷凍のものにすり替えて料理して出したりします。
料金は時価で、魚や蟹の重さで決まるのですが、これもかなり怪しい。
1軒では味付けはまあまあでしたが、正直シンガポールのに比べると
大したことない。さらに日本人とみると、
物価高のシンガポールと同じ、あるいはそれ以上の料金を請求します。
とんでもないぼったくりです!
他にはマレー式シーフード、イカン・バカール(バーベキュー)も有名ですが、
これは試したことないですが、炭焼きなので大体どんなものか想像付きますね。
案外こちらの方が、日本人にも食べやすく、安くて美味しいのでは、と思います。
でも、中国式でもペナンにも安くておいしいところはあるんです。
地元の友人に連れていってもらったのが、Terubong Seafood。
観光で有名な極楽寺のそばのアイル・ヒタム・マーケットへ行く道をさらに先に進んだところ。
店先に厨房があり、生け簀などに蟹、エビ、貝、魚などがずらりと並びます。
メニューはありません。言葉に自信のない人は地元の人を連れていった方がいいです。
でも、人数を告げ、材料を指差し、「おまかせ Cook as you recommend」で
適当に作ってもらうのでもいいのです。
ここで食べたのでおいしかったのは、ボラの稚魚(またはキスなど)を素揚げ(Deep Fry)にしたものに、ライム風味の醤油ダレをかけたもの。魚を指差して「Deep Fry」と言えば、この料理が出てくるはずです。
蟹はブラックペッパーで炒めたものが素晴らしくおいしかった。日本人好みの味です。
エイは日本ではあまり食べませんが、こちらではチリソース(サンバル)を和えてバナナリーフに載せて焼くのが一般的。この店ではさすがペナン風という感じで、酸味のあるサンバルでなかなかオツな味でした。サンバルと調理して美味しいのは、他にエビやイカ、貝です。材料を指差して「サンバル」と言えば通じます。
エビはさまざまに料理できますが、ディープフライやバター・プローンなどにしてもらうのがいいかなと思います。イカもサンバルか、フリッターにしてもらうといいです。
あとはわからなければお店の人におまかせしたり、よそのテーブルで食べているものを指差しちゃっていいのです。こっちの人はあんまり堅苦しいことは言いませんから、指差されても怒る人は少ないです。でも腰は低く、「ちょっとごめんね」って態度は必要ですよ。
お店の若い娘さんが日本語を勉強中なので、手伝ってもらうといいかも。
5人くらいで5種類くらい食べて200リンギットほど(6000円くらい)。まあまあ、ですね。
でも、ペナン近郊の小さな漁港の街Nibong Tebal(車で1時間くらい)でも食べたことがありますが、4人で蟹・たこ・魚・野菜炒め・肉料理・蟹ぞうすいを食べてたったの70リンギットだったのは、一体なんだったのか??2000円ちょっとですよ。蟹ぞうすいは蟹がたっぷりで、ここの店は潮州系なのでさらさらのさっぱり味のぞうすいがホント美味しかったです。この店はホントおんぼろ、だけどとても有名で、道に迷っても街の人に聞いたらわかりました。
ここで紹介されてます
http://kampungboycitygal.blogspot.com/2006/05/restoran-cheang-kee-nibong-tebal.html
阿水海鮮
Terubong Seafood
1238 T Taman Indah, Paya Terubong
Tel: 04-8660903
※並びに似たような店がありますが、こちらは店先に厨房がある方。
璋記飯店
Cheang Kee Restaurant
113, Jalan Atas
Nibong Tebal Seberang Perai Selatan
Tel: 604-593-1728
ペナンのシーフード事情。
ペナンも海に囲まれたところで新鮮なものが食べられますが、問題はそれを
食べさせてくれるところ。
観光客が多いガーニー・ドライブにも2軒ほど大きなお店がありますし、
ビーチエリアにも有名店がありますが、
まじでおすすめしません。
生け簀に魚、かに、エビが泳いでいますが、注文時にそれを頼んでも、
冷凍のものにすり替えて料理して出したりします。
料金は時価で、魚や蟹の重さで決まるのですが、これもかなり怪しい。
1軒では味付けはまあまあでしたが、正直シンガポールのに比べると
大したことない。さらに日本人とみると、
物価高のシンガポールと同じ、あるいはそれ以上の料金を請求します。
とんでもないぼったくりです!
他にはマレー式シーフード、イカン・バカール(バーベキュー)も有名ですが、
これは試したことないですが、炭焼きなので大体どんなものか想像付きますね。
案外こちらの方が、日本人にも食べやすく、安くて美味しいのでは、と思います。
でも、中国式でもペナンにも安くておいしいところはあるんです。
地元の友人に連れていってもらったのが、Terubong Seafood。
観光で有名な極楽寺のそばのアイル・ヒタム・マーケットへ行く道をさらに先に進んだところ。
店先に厨房があり、生け簀などに蟹、エビ、貝、魚などがずらりと並びます。
メニューはありません。言葉に自信のない人は地元の人を連れていった方がいいです。
でも、人数を告げ、材料を指差し、「おまかせ Cook as you recommend」で
適当に作ってもらうのでもいいのです。
ここで食べたのでおいしかったのは、ボラの稚魚(またはキスなど)を素揚げ(Deep Fry)にしたものに、ライム風味の醤油ダレをかけたもの。魚を指差して「Deep Fry」と言えば、この料理が出てくるはずです。
蟹はブラックペッパーで炒めたものが素晴らしくおいしかった。日本人好みの味です。
エイは日本ではあまり食べませんが、こちらではチリソース(サンバル)を和えてバナナリーフに載せて焼くのが一般的。この店ではさすがペナン風という感じで、酸味のあるサンバルでなかなかオツな味でした。サンバルと調理して美味しいのは、他にエビやイカ、貝です。材料を指差して「サンバル」と言えば通じます。
エビはさまざまに料理できますが、ディープフライやバター・プローンなどにしてもらうのがいいかなと思います。イカもサンバルか、フリッターにしてもらうといいです。
あとはわからなければお店の人におまかせしたり、よそのテーブルで食べているものを指差しちゃっていいのです。こっちの人はあんまり堅苦しいことは言いませんから、指差されても怒る人は少ないです。でも腰は低く、「ちょっとごめんね」って態度は必要ですよ。
お店の若い娘さんが日本語を勉強中なので、手伝ってもらうといいかも。
5人くらいで5種類くらい食べて200リンギットほど(6000円くらい)。まあまあ、ですね。
でも、ペナン近郊の小さな漁港の街Nibong Tebal(車で1時間くらい)でも食べたことがありますが、4人で蟹・たこ・魚・野菜炒め・肉料理・蟹ぞうすいを食べてたったの70リンギットだったのは、一体なんだったのか??2000円ちょっとですよ。蟹ぞうすいは蟹がたっぷりで、ここの店は潮州系なのでさらさらのさっぱり味のぞうすいがホント美味しかったです。この店はホントおんぼろ、だけどとても有名で、道に迷っても街の人に聞いたらわかりました。
ここで紹介されてます
http://kampungboycitygal.blogspot.com/2006/05/restoran-cheang-kee-nibong-tebal.html
阿水海鮮
Terubong Seafood
1238 T Taman Indah, Paya Terubong
Tel: 04-8660903
※並びに似たような店がありますが、こちらは店先に厨房がある方。
璋記飯店
Cheang Kee Restaurant
113, Jalan Atas
Nibong Tebal Seberang Perai Selatan
Tel: 604-593-1728
ペナン旅行の一番の楽しみは「食べる」。
ペナンは特に屋台料理がおいしいことで有名で、その種類も半端ではなく、あれもこれも食べきれな〜い、という食い倒れの街です。幸い、一品の量がそれほど大きくないので、一度に麺料理を2種類食べるくらいは普通の人なら問題ないはずです。
ペナン食べ歩きガイドは私が書かなくてもいいほど案内があり、マレーシアのフード雑誌からもガイドブックが出ていますし、ネットで検索すればずらりと出ます。日本語の情報は少なく、あってもあまり参考になりませんが、英語のものならいっぱいあります。
たとえばこんなところ
http://www.rasamalaysia.com/labels/Penang%20Food%20Guides.html
(最初の方の写真の料理は本人が作ったものらしくあまり美味しそうではありませんので、飛ばして下へ)
今回時間もあまりなく、拠点としていたPualu Tikusエリア周辺ばかりになってしまいましたが、あらためてPulau Tikusはおいしい屋台が集中しているな、と思いました。このエリアのご紹介だけいたしましょう。
高級住宅地のそばなのでペナンで一番高い市場と言われていますが、ペナンらしいボロいマーケットでこの周辺はごちゃごちゃしています。
市場の中の屋台街ではSoya Bean Milk(豆乳)、Kway Tiao Tng(クェイ・ティヤオ・スープ、あっさりとしたきしめんのスープ)、ホッケンミー(エビそば)が人気です。
市場の外側には惣菜屋台があり、ニョニャクエの屋台もあります。
Jalan Cantonmentという通りに面して、有名なナシ・レマク(ココナッツミルクで炊いたご飯とおかず各種)の店と、その並びにある角の店では朝のみ、近所のニョニャが作って卸しにくるケラブ・ビーフンを是非。また、交差点の角にあるコーヒーショップでは、朝の早い時間(朝10時まで)にのみ営業するインド人の店で感動のアポン・マニス(やわらかなパンケーキ風)を。
ビルマ通りに面して、警察署の向かいに有名なコーヒーショップが2軒あります。
一つは角にある店でSwee Kong瑞江という店(上記地図参照のこと)、ワンタンミーがとても有名です。いわゆるワンタン麺ですが、日本のものとはまったく違い、スープ入りではなく、タレをかけて食べるもの。この店のはそのタレと細い卵麺の絡み具合がいいのです。
そこからもう少し北上したところに入り口でChar Kway Tiaoを炒めている店, Kedai Kopi Sin Hwaがあります。ここはまたAsam Laksaがとても有名です。ここではホームメードの羅漢果ジュースも飲んでみましょう。脂っこいものばかり食べている方にとくにおすすめ。
ビルマ通りからバンコクレーンの角にあるコーヒーショップでは前回お話したミーゴレンの有名屋台が入っています。またここのカリーミーもなかなかのもの。このコーヒーショップを出てちょっと先へいくと、車屋台で海南人がポークサテーを売っています。これもこのエリアの名物。
どうです?食べきれますか?
上左)地図左上をもっと進んだところに朝開く屋台街があります。そこで食べられるLam Mee。別名バースディ・ヌードルと呼ばれるもの。(プラナカン)ミースワ(麺線)入りのさっぱりとしたエビ風味のおそば。ダシが効いてます。
上右)ペナン名物チャークェイティヤオ。チリペーストで炒めるきしめんのような米の麺のやきそば。轟々と音を立てて一皿分ずつ炒める店なら、かなりの割合でおいしいのに当たりますよ。
下左)市場内のクェイティヤオ・スープ。ダシのきいたスープがおいしい。子供にもおすすめ。
下右)一度は試してほしいアサム・ラクサ。タマリンドの酸味とチリ、魚がベースのさっぱり味はタイやカンボジアの影響を伺わせます。ブンガカンタン(ショウガの花のつぼみ)の香りが最高!
ペナンは特に屋台料理がおいしいことで有名で、その種類も半端ではなく、あれもこれも食べきれな〜い、という食い倒れの街です。幸い、一品の量がそれほど大きくないので、一度に麺料理を2種類食べるくらいは普通の人なら問題ないはずです。
ペナン食べ歩きガイドは私が書かなくてもいいほど案内があり、マレーシアのフード雑誌からもガイドブックが出ていますし、ネットで検索すればずらりと出ます。日本語の情報は少なく、あってもあまり参考になりませんが、英語のものならいっぱいあります。
たとえばこんなところ
http://www.rasamalaysia.com/labels/Penang%20Food%20Guides.html
(最初の方の写真の料理は本人が作ったものらしくあまり美味しそうではありませんので、飛ばして下へ)
今回時間もあまりなく、拠点としていたPualu Tikusエリア周辺ばかりになってしまいましたが、あらためてPulau Tikusはおいしい屋台が集中しているな、と思いました。このエリアのご紹介だけいたしましょう。
高級住宅地のそばなのでペナンで一番高い市場と言われていますが、ペナンらしいボロいマーケットでこの周辺はごちゃごちゃしています。
市場の中の屋台街ではSoya Bean Milk(豆乳)、Kway Tiao Tng(クェイ・ティヤオ・スープ、あっさりとしたきしめんのスープ)、ホッケンミー(エビそば)が人気です。
市場の外側には惣菜屋台があり、ニョニャクエの屋台もあります。
Jalan Cantonmentという通りに面して、有名なナシ・レマク(ココナッツミルクで炊いたご飯とおかず各種)の店と、その並びにある角の店では朝のみ、近所のニョニャが作って卸しにくるケラブ・ビーフンを是非。また、交差点の角にあるコーヒーショップでは、朝の早い時間(朝10時まで)にのみ営業するインド人の店で感動のアポン・マニス(やわらかなパンケーキ風)を。
ビルマ通りに面して、警察署の向かいに有名なコーヒーショップが2軒あります。
一つは角にある店でSwee Kong瑞江という店(上記地図参照のこと)、ワンタンミーがとても有名です。いわゆるワンタン麺ですが、日本のものとはまったく違い、スープ入りではなく、タレをかけて食べるもの。この店のはそのタレと細い卵麺の絡み具合がいいのです。
そこからもう少し北上したところに入り口でChar Kway Tiaoを炒めている店, Kedai Kopi Sin Hwaがあります。ここはまたAsam Laksaがとても有名です。ここではホームメードの羅漢果ジュースも飲んでみましょう。脂っこいものばかり食べている方にとくにおすすめ。
ビルマ通りからバンコクレーンの角にあるコーヒーショップでは前回お話したミーゴレンの有名屋台が入っています。またここのカリーミーもなかなかのもの。このコーヒーショップを出てちょっと先へいくと、車屋台で海南人がポークサテーを売っています。これもこのエリアの名物。
どうです?食べきれますか?
上左)地図左上をもっと進んだところに朝開く屋台街があります。そこで食べられるLam Mee。別名バースディ・ヌードルと呼ばれるもの。(プラナカン)ミースワ(麺線)入りのさっぱりとしたエビ風味のおそば。ダシが効いてます。
上右)ペナン名物チャークェイティヤオ。チリペーストで炒めるきしめんのような米の麺のやきそば。轟々と音を立てて一皿分ずつ炒める店なら、かなりの割合でおいしいのに当たりますよ。
下左)市場内のクェイティヤオ・スープ。ダシのきいたスープがおいしい。子供にもおすすめ。
下右)一度は試してほしいアサム・ラクサ。タマリンドの酸味とチリ、魚がベースのさっぱり味はタイやカンボジアの影響を伺わせます。ブンガカンタン(ショウガの花のつぼみ)の香りが最高!
ちょっとタイムリーな話題というと、今シンガポールもマレーシアもインド系の人々にとっての正月、ディーパ・バリDeepa Valiを今週木曜日に迎えて賑わっています。
ペナンもシンガポール同様インド人の多い土地で、植民地時代に英領インドから労働力として連れてこられた囚人たちや商人たちの子孫が暮らしており、ジョージタウンにはリトル・インディアと呼ばれる地区もあります。今の時期、リトルインディアはネオン装飾で彩られ、正月用の菓子を売る露店などが立ち並び、楽しいものです。
インドと言ってもいろいろな地方があり、あまりにもその世界は深すぎて、私もインドのことはほとんど知らないも同然ですが、こちらにいるタイプは南インドのタミール人が多く、タミール系はすでに1500年も前からマレー半島に来ていた痕跡があり、マレー語にもタミール語の影響が多く見られるそう。現代でもインド系住民たちはタミール語を話す人が大半で、学校ではタミール語を習います。また、多くはヒンドゥー教徒とイスラム教徒、キリスト教徒のグループに分かれています。その他にも北から来たシーク教徒もいます。
こちらにいると、よくMamakという呼び方も聞きますが、これはイスラム教徒のインド人を指します。彼らはよく新聞スタンドやキオスク、よろずやなどを経営しているので、こちらでは「ちょっとmamak shopで買ってくるわ」とか普通に会話で使うのです。Mamak屋台の食べ物はイスラム教徒用なので、マレー人も問題なく利用できるほか、中国人たちの姿も珍しくありません。テー・タリク(ミルクティー)を飲んだり、ナシ・カンダール(ぶっかけ飯)を食べたりと、人種を問わず人気が高いのです。
このナシ・カンダールはペナン名物であり、シンガポールにはこういう呼び方をする食べ物はありません。シンガポールのmamak屋台は、たいていがブリヤ二・ライス(炊き込みご飯)ばかりです。カンダールとは天秤棒のことだそうで、昔は天秤棒で担いで売っていたそう。ナシ・カンダールの店はリトル・インディアの他にもペナン通りにも数多く軒を連ね、中でも有名なのは路地にテーブルを並べただけのLine Clearという店。私はここの料理だけでなくテー・ハリアというジンジャー・ミルク・ティーが好き。よその店よりも倍のショウガが入っていて、辛い辛い。ナシ・カンダールはお皿に盛ったライスにごちゃごちゃとおかずをぶっかけてもらうもの。ぶっかけライスはシンガポールにもありますが、違うのは3種類くらい異なる種類のグレイビー(カレーの汁)をまぜながらかけてくれること。それもたっぷり、それがナシ・カンダール流なのだとか。
またママックというと、有名なのはミー・ゴレン(やきそば)です。よくガイドブックなどで混同されてますが、ミー・ゴレンは本来ママックたちの料理であり、マレーでもチャイニーズでもないのです(今はそういうものがあるけれど)。ペナンのミー・ゴレンは美味しい・・・。するめを柔らかく戻して、その戻し汁とともに麺を炒めるので香りがとてもいい。そこに厚揚げだのふかしたポテトだのを切って具にする。これが本来の味なのだ、昔はシンガポールにもあったんだよ、とペナンの有名なミー・ゴレン屋台のおじさんが話してくれました。
それから日本人にもファンの多い、ロティ・チャナイ。シンガポールではロティ・プラターと呼ばれているパンケーキ。子供も大人も大好き、カレーで食べてもいいし、砂糖をかけてもおいしい。プーケットなどタイでは果物やココナッツを入れてクレープ風にして食べてて、これも美味しかったです。
インド系は我々日本人からしてみると、いっしょくたに「インド人」になりがちなのですが、マレー半島にしかない文化もあり、とくにママックの食文化はユニークですね。
マレーシアにいらしたら、是非こういうものをトライしていただきたいです。
とくにペナンでは、シンガポールでは失われてしまったものが何かと残っていて、
貴重な食体験ができますよ。
先週やっと、マレーシアのペナン島に本出版の挨拶・お礼に行って参りました。
シンガポールでもマラッカでも反応は悪くはありませんでしたが、ペナンの関係者にはかなりの好感触で、プラナカンのみならずペナンの歴史研究家や在住イギリス人らとの懇談などに呼ばれ、当初の予定を延長してまる1週間以上の滞在となりました。
いろいろな懇談を手配してくださったのが、ペナンの有名なジャーナリスト、クー・サルマ Khoo Salmaさん。
私たちの本でも紹介している、ペナンの孫文の家のオーナーでもあり、お母様が名家出身のニョニャで、マレーシアでは有名な方です。
サルマさんはペナンやマレーシアの歴史遺産や文化継承活動に勢力的に活動されている方で、歴史的建物の保存に力を注いでいるペナン・ヘリテージ・トラストやレスタリ・ヘリテージなどの団体を組織し、さらに自ら出版社Areca Booksを立ち上げ、歴史・コミュニティー・街などに関する本を出版されています。まだまだ小さな出版社ですが、美しい装丁のペナンの写真集など、素晴らしい出版物が揃っていますので、この地の文化に興味のある方には是非とも手に取ってみていただきたいと思います。まだ来年ですが、この地域がまだマラヤと呼ばれていた頃(イギリス植民地時代)の戦前に形成されていた日本人移民のコミュニティーについての本も出版される予定です。あの頃の日本というと、戦争侵略者のイメージでしか語られないのが普通ですが、日本軍ではなく、一般の日本人たちの現地での役割・貢献・歴史について書かれた数少ない貴重な書物となるでしょう。著者はClement Liangさん、日本語は堪能などころか、当時のマラヤの様子を綴った金子光晴の小説『マレー蘭印紀行』なども読破されたほど。早く彼の本が出版されるのがとても楽しみです。
(写真: インド舞踊の女の子たちとサルマさん)
Areca Books
http://www.arecabooks.com/
そしてサルマさんが他に力を注いでいるのが、毎月最終日曜日に開催している”リトル・ペナン”という
路上マーケット。ペナンを中心にマレーシア国内のアーティスト、食料販売会社、などなどさまざまな人たちが出店しています。
マーケットの様子はこちらから。
http://www.littlepenang.com.my/
私がしばし足を止めて話込んでしまったのはユーラシアンのCoraさんと Linaさんの店。
ユーラシアンとは単にヨーロッパ人とアジア人の混血コミュニティーの人々を指しますが、この地域では主に、オランダ、ポルトガルとインドの血を引く混血の方を指します。イギリス系の血を引くグループもありますが、歴史が古いのはやはりオランダ、ポルトガル、インドで、独特のクレオール文化を築き、プラナカン文化にも多大な影響を与えています。
プラナカンの友人に作ってもらったことのあるSalted Fish Sambal(塩漬け魚と唐辛子で作ったチリソース)などもあり、やはりかなり食文化がプラナカンに近いなと思わせるようなものから、今ではまったく市販されなくなったというユーラシアンのお菓子ココナッツ・キャンディーは、インドのお菓子の系統を引くものです。
プラナカンとちがってユーラシアン料理はほとんどレストランというものがなく、消え行く食文化ということもあって大変興味があり、この人たちに会えただけでも「このマーケットに来て良かった!」と思いました。
写真上左はマレー人が作っているナチュラル素材の石けん。パッケージもセンスがよくて日本への
おみやげにも喜ばれそう。
中央はアクセサリー・アーティストのJonathan Yun氏。品のいいシックなアクセサリーが特徴です。
お店はペナンのジョージタウン、90 Armenian St.にあるそうです。
右はイカットを織っているマレー人の女の子。実演販売もしています。
規模は小さいですが、観光客はもちろん、とくにペナンにお住まいの方には是非一度
出かけてみていただきたいと思います。
シンガポールでもマラッカでも反応は悪くはありませんでしたが、ペナンの関係者にはかなりの好感触で、プラナカンのみならずペナンの歴史研究家や在住イギリス人らとの懇談などに呼ばれ、当初の予定を延長してまる1週間以上の滞在となりました。
いろいろな懇談を手配してくださったのが、ペナンの有名なジャーナリスト、クー・サルマ Khoo Salmaさん。
私たちの本でも紹介している、ペナンの孫文の家のオーナーでもあり、お母様が名家出身のニョニャで、マレーシアでは有名な方です。
サルマさんはペナンやマレーシアの歴史遺産や文化継承活動に勢力的に活動されている方で、歴史的建物の保存に力を注いでいるペナン・ヘリテージ・トラストやレスタリ・ヘリテージなどの団体を組織し、さらに自ら出版社Areca Booksを立ち上げ、歴史・コミュニティー・街などに関する本を出版されています。まだまだ小さな出版社ですが、美しい装丁のペナンの写真集など、素晴らしい出版物が揃っていますので、この地の文化に興味のある方には是非とも手に取ってみていただきたいと思います。まだ来年ですが、この地域がまだマラヤと呼ばれていた頃(イギリス植民地時代)の戦前に形成されていた日本人移民のコミュニティーについての本も出版される予定です。あの頃の日本というと、戦争侵略者のイメージでしか語られないのが普通ですが、日本軍ではなく、一般の日本人たちの現地での役割・貢献・歴史について書かれた数少ない貴重な書物となるでしょう。著者はClement Liangさん、日本語は堪能などころか、当時のマラヤの様子を綴った金子光晴の小説『マレー蘭印紀行』なども読破されたほど。早く彼の本が出版されるのがとても楽しみです。
(写真: インド舞踊の女の子たちとサルマさん)
Areca Books
http://www.arecabooks.com/
そしてサルマさんが他に力を注いでいるのが、毎月最終日曜日に開催している”リトル・ペナン”という
路上マーケット。ペナンを中心にマレーシア国内のアーティスト、食料販売会社、などなどさまざまな人たちが出店しています。
マーケットの様子はこちらから。
http://www.littlepenang.com.my/
私がしばし足を止めて話込んでしまったのはユーラシアンのCoraさんと Linaさんの店。
ユーラシアンとは単にヨーロッパ人とアジア人の混血コミュニティーの人々を指しますが、この地域では主に、オランダ、ポルトガルとインドの血を引く混血の方を指します。イギリス系の血を引くグループもありますが、歴史が古いのはやはりオランダ、ポルトガル、インドで、独特のクレオール文化を築き、プラナカン文化にも多大な影響を与えています。
プラナカンの友人に作ってもらったことのあるSalted Fish Sambal(塩漬け魚と唐辛子で作ったチリソース)などもあり、やはりかなり食文化がプラナカンに近いなと思わせるようなものから、今ではまったく市販されなくなったというユーラシアンのお菓子ココナッツ・キャンディーは、インドのお菓子の系統を引くものです。
プラナカンとちがってユーラシアン料理はほとんどレストランというものがなく、消え行く食文化ということもあって大変興味があり、この人たちに会えただけでも「このマーケットに来て良かった!」と思いました。
写真上左はマレー人が作っているナチュラル素材の石けん。パッケージもセンスがよくて日本への
おみやげにも喜ばれそう。
中央はアクセサリー・アーティストのJonathan Yun氏。品のいいシックなアクセサリーが特徴です。
お店はペナンのジョージタウン、90 Armenian St.にあるそうです。
右はイカットを織っているマレー人の女の子。実演販売もしています。
規模は小さいですが、観光客はもちろん、とくにペナンにお住まいの方には是非一度
出かけてみていただきたいと思います。
真っ赤な縁起菓子を紹介したならば、それとはまったく「逆」の世界のお菓子もあるんです。
その名は、オー・クー・クエ Or Koo Kueh。深い墨色をしたお葬式用の菓子です。
日本で言えば「葬式まんじゅう」に近い感じでしょうか。
しかしこちらはもっとグロテスク!
クーというからには、やはり亀の甲羅の形をしているのですが、良く見ると中央に刻まれた文様には細長い「棺おけのマーク」が入っています。
初めて見せてもらった時は、あまりの黒さと、棺おけマークのリアルさに 「おおっ!」と一歩引いてしまいました。
聞くと、葬儀のときに棺をかつぐ人に振舞われるお菓子だそうです。
それ以外には、先祖供養の時にも登場するらしいですが、それには棺おけマークがあるかどうかは分かりません。
今ではその棺おけマークの「型抜き」を持つ家も少ないらしく、お店などに注文すると、色は真っ黒なのに、アン・クー・クエと同じ「寿」マークの型抜きを使うところもあり、これはちょっと???と思う、ニセモノ・オー・クーも出回っています。
真っ白いバージョンもあるようですが、これは見たことがまだありません。
中味はアン・クーと同じ、緑豆餡です。
カトン・アンティーク・ハウスにお邪魔していた時、ちょうどお葬式があったから、、、、と食べさせてもらいましたが、お線香の香りをたっぷり吸い込んでいたオー・クーのお味は・・・・・・・・・神妙な面持ちで食べたことは確かです。
そんなこんな、日々の祭事やおしゃべりタイムに、プラナカンに欠かせなかったのがスイーツの数々。
男性も女子も大のお菓子好きだったプラナカンには、それぞれのお菓子ごとに名人がおり、菓子を交換するためだけのカラフルで素敵な器があったほどです。
そんなお菓子名人たちは、戦時中の混乱期には内職がてらに、家で作ったお菓子を売っていたこともあったそうですよ。
その名は、オー・クー・クエ Or Koo Kueh。深い墨色をしたお葬式用の菓子です。
日本で言えば「葬式まんじゅう」に近い感じでしょうか。
しかしこちらはもっとグロテスク!
クーというからには、やはり亀の甲羅の形をしているのですが、良く見ると中央に刻まれた文様には細長い「棺おけのマーク」が入っています。
初めて見せてもらった時は、あまりの黒さと、棺おけマークのリアルさに 「おおっ!」と一歩引いてしまいました。
聞くと、葬儀のときに棺をかつぐ人に振舞われるお菓子だそうです。
それ以外には、先祖供養の時にも登場するらしいですが、それには棺おけマークがあるかどうかは分かりません。
今ではその棺おけマークの「型抜き」を持つ家も少ないらしく、お店などに注文すると、色は真っ黒なのに、アン・クー・クエと同じ「寿」マークの型抜きを使うところもあり、これはちょっと???と思う、ニセモノ・オー・クーも出回っています。
真っ白いバージョンもあるようですが、これは見たことがまだありません。
中味はアン・クーと同じ、緑豆餡です。
カトン・アンティーク・ハウスにお邪魔していた時、ちょうどお葬式があったから、、、、と食べさせてもらいましたが、お線香の香りをたっぷり吸い込んでいたオー・クーのお味は・・・・・・・・・神妙な面持ちで食べたことは確かです。
そんなこんな、日々の祭事やおしゃべりタイムに、プラナカンに欠かせなかったのがスイーツの数々。
男性も女子も大のお菓子好きだったプラナカンには、それぞれのお菓子ごとに名人がおり、菓子を交換するためだけのカラフルで素敵な器があったほどです。
そんなお菓子名人たちは、戦時中の混乱期には内職がてらに、家で作ったお菓子を売っていたこともあったそうですよ。
シンガポールやマレーシアのお菓子屋さんを覘くと、いたるところで目にするお菓子が、このアン・クー・クエ(Ang Koo Kueh、もしくはAng Ku Kuihなどと表記してある)真っ赤な餅菓子ではないでしょうか。福建省近辺や台湾でも見かけるお菓子ですね。
ちなみに、福建語でアンとは紅色のこと、クーとは亀をさします。クエはお菓子(漢字で「粿」と書く)。その名の通り、亀の甲羅をかたどった「長寿と繁栄」を意味する真っ赤なお菓子で、 菓子の型抜きには亀の形をし、真ん中に「寿」の文字が刻まれたものを使用します。
赤ちゃんの満1ヶ月のお祝いに親戚や友人たちに配るお菓子として有名で(このお祝い時には赤く染められたゆで卵も一緒に配ります)、これをもらった人たちは当然お祝い金を入れたアンパオ(赤い色をした日本で言うお年玉袋)を渡すのが礼儀です。ですが、こういったお祝い事だけでなく、日常でも大変人気のあるお菓子で、街中では年中売られています。
実は、1ヶ月のお祝いに食べる「アン・イン(福建語で紅圓)」という、アン・クー・クエの兄弟分もおります。
こちらは平べったい甲羅型をしたアン・クーに比べ、つるりとしたゆで卵を半分に切ったような、こんもりと盛り上がった真っ赤なお菓子なのですが、アン・インをかつて取材した時、作られている場所がシンガポールではわずかに、「陳福成餅家(Tan Hock Seng Bakery)」という、チャイナタウンのFar East Square内にあるお菓子屋さん1軒のみでした。今はあるかどうか・・・・
赤い卵を配るのは、このアン・インの代わりなのかもしれませんね。形は似ています、そういえば。
アンクークエの真っ赤な皮は、もち米の粉に、なんとマッシュしたスイート・ポテトが練りこんであります。ですから時間が経っても硬くならず、ふんわりとした柔らかさを保っているのです。
これはニョニャ菓子の名物、オンデ・オンデの皮の製法と同じです。
中はさっぱりとした緑豆の餡で、かすかにココナッツの香りがします。
見た目はどぎつい色ではありますが、日本人の口に合うお菓子です。
日持ちはまったくしませんので、買ったらその日のうちに食べてください。
私たちが初めて料理研究家のTan Gek Suanさんのお宅を訪ねた時、手作りのアン・クー・クエと
カラフルなニョニャ菓子の数々、そして作りたてのラクサ・ヌードルで出迎えてくださいました。
感激とおいしさのあまり、レシピも聞かずに全部お腹に入れて帰宅したことを覚えています。
いずれにせよ、信心深く、節目ごとの行事や、中国本土でも忘れ去られたしきたりを重んずるプラナカンたちにとっても、特別なお菓子のひとつといえましょう。普通どこでも中国系の店で売られているものですが、やはりおいしいのはニョニャのレシピで作ったものです。マラッカのチャーリー・リー、シンガポールではトムソン・ロードにその名もアンクークエという有名店があり、どちらもニョニャ・レシピです。
ちなみに、福建語でアンとは紅色のこと、クーとは亀をさします。クエはお菓子(漢字で「粿」と書く)。その名の通り、亀の甲羅をかたどった「長寿と繁栄」を意味する真っ赤なお菓子で、 菓子の型抜きには亀の形をし、真ん中に「寿」の文字が刻まれたものを使用します。
赤ちゃんの満1ヶ月のお祝いに親戚や友人たちに配るお菓子として有名で(このお祝い時には赤く染められたゆで卵も一緒に配ります)、これをもらった人たちは当然お祝い金を入れたアンパオ(赤い色をした日本で言うお年玉袋)を渡すのが礼儀です。ですが、こういったお祝い事だけでなく、日常でも大変人気のあるお菓子で、街中では年中売られています。
実は、1ヶ月のお祝いに食べる「アン・イン(福建語で紅圓)」という、アン・クー・クエの兄弟分もおります。
こちらは平べったい甲羅型をしたアン・クーに比べ、つるりとしたゆで卵を半分に切ったような、こんもりと盛り上がった真っ赤なお菓子なのですが、アン・インをかつて取材した時、作られている場所がシンガポールではわずかに、「陳福成餅家(Tan Hock Seng Bakery)」という、チャイナタウンのFar East Square内にあるお菓子屋さん1軒のみでした。今はあるかどうか・・・・
赤い卵を配るのは、このアン・インの代わりなのかもしれませんね。形は似ています、そういえば。
アンクークエの真っ赤な皮は、もち米の粉に、なんとマッシュしたスイート・ポテトが練りこんであります。ですから時間が経っても硬くならず、ふんわりとした柔らかさを保っているのです。
これはニョニャ菓子の名物、オンデ・オンデの皮の製法と同じです。
中はさっぱりとした緑豆の餡で、かすかにココナッツの香りがします。
見た目はどぎつい色ではありますが、日本人の口に合うお菓子です。
日持ちはまったくしませんので、買ったらその日のうちに食べてください。
私たちが初めて料理研究家のTan Gek Suanさんのお宅を訪ねた時、手作りのアン・クー・クエと
カラフルなニョニャ菓子の数々、そして作りたてのラクサ・ヌードルで出迎えてくださいました。
感激とおいしさのあまり、レシピも聞かずに全部お腹に入れて帰宅したことを覚えています。
いずれにせよ、信心深く、節目ごとの行事や、中国本土でも忘れ去られたしきたりを重んずるプラナカンたちにとっても、特別なお菓子のひとつといえましょう。普通どこでも中国系の店で売られているものですが、やはりおいしいのはニョニャのレシピで作ったものです。マラッカのチャーリー・リー、シンガポールではトムソン・ロードにその名もアンクークエという有名店があり、どちらもニョニャ・レシピです。
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プラナカンを中心に、シンガポール・マレーシアの話題をお届け。食べ物・旅行の話題が中心です。
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Miki & Chie
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シンガポールとペナンに住んで20数年、プラナカン協会会員です。ライター&コーディネート業務に携わっています。ご依頼・お問い合わせは下記ホームページからお願いいたします。
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