さあお待ちかね、アモイのグルメの数々を、小吃と麺の3回に分けて紹介しましょう。
アモイといえば、香港や上海、北京などにも海鮮を輸送していることから海鮮料理が有名ですが、実のところ、魚はいくらフレッシュでも、お値段が安くても、競争の激しい香港などで食べるキリリと引き締まった味付けの洗練された海鮮料理とは程遠く、ちょっと田舎っぽい素朴な味付けです。好みはいろいろ分かれるでしょうが、どうせ素朴な味付けなら絶対に庶民的食べ物のほうがおいしいはず!と連日小吃(軽食)を食べ歩いてみました。
まず、ちょっとグロテスクで、こんなもの他では見かけたことがないというアモイ名物の一つ「土笋凍」というジェリー状の不思議な食べ物。
日本語では素材を断言できませんが貝と虫?を足して2で割ったようなものが透明な煮こごりの中に入っており、それを醤油や各店自慢のタレにつけて食べるというものです。少し磯臭いにおいがすることから、フジヅボやイソギンチャク?ヒトデ、もしくは小指のように細い貝が市場で沢山売っていたので、これかな~~?とも思ったり。好き嫌いのはっきり分かれる食べ物だと思います。
お次は「油葱稞(椀粿)」同じものが台湾にもありますが、小さなお椀の中に米の粉を溶いていれ、上から肉や椎茸、干し蝦などをトッピングして茶碗蒸し状に蒸したもの。中に具材を混ぜて蒸したものもあります。これと同じような食べ物はベトナムのフエで食べるバイン・ベオやシンガポールのチィークエなど様々ありますが、工夫をこらし、姿かたちを変えて食される米の文化は奥が深いな~~と思わせる料理です。つるりと入るさっぱり味なので日本人でこの味が嫌いな人はいないでしょう。
お次は「芋泥、芋包」など、芋でできた皮で包まれた蒸し饅頭。これも台湾と同じです。大人の握りこぶし大は優にあるので、これをひとつ食べたらお腹がパンパンに膨れてしまいます。ヤム芋(タロイモ)や、サトイモの一種の芋で饅頭の生地を作り、中には豚肉や干し蝦や野菜がぎっしり入っています。場所によっては辛いチリソースをかけてくれるところも。しっかり食べたいおやつに最適です。
プラナカンのニョニャ料理でもポピュラーな「ノーヒャン(炸五香巻)」も福建料理の軽食の一つです。五香粉で味を付けた豚のひき肉の中に、シャキシャキとした中国クワイなどを混ぜ込み、シート状に広げた湯葉で包み、海苔巻きのように細長く巻いて揚げたものです。シンガポールでも人気で、どこの屋台でも食べられますが、アモイのものは湯葉がさらに極薄で外はパリパリ、中の肉もペーストのようにスムースで、シンガポールで食べるものよりずっと軽い味でした。
このノーヒョンはちょっとお洒落なレストランでも前菜のメニューなどに載っていますから是非お試し下さい。
もうひとつ、アモイはワンタンも有名で、ワンタンのことをアモイでは「扁食」と書きます。羽二重餅のようにデリケートな皮から、ぷりぷりの肉餡がピンク色に透き通って見えるところなぞ、早くかぶりつきたい!と思わせるほど。
日本で食べるワンタンは具も皮も酷いものが多いですが、香港やアモイで食すワンタンは本当においしいですね。
そのほか、ポピアのように甘い「葱糖巻」や、具だくさんの「粽」、ピーナッツがトロトロに煮込まれたおしるこ風の「花生湯」など、まだまだとうてい紹介しきれません。
最後にもう一つ「オイスターオムレツ」を。ベイビー・オイスターと呼ばれる、小ぶりで甘いオイスターを卵と野菜で絡めたオムレツというか、スクランブルド・エッグです。シンガポールでも屋台街や、潮州料理屋さんで食べることができます。アモイの街で見かけ、とてもおいしそうでした。
こんなに小吃が充実しているのですから、アモイの人は日に何回食事をするのでしょうか? 外資系のファースト・フードなんていりませんね。
大同路にある「呉再添」や、地元料理を出す老舗レストラン「好清香大酒楼」などへ行けば一箇所でほとんどが食べられます。味もいいですよ。
↑福建の伝統的ゲーブル(切妻の屋根)がついた建築(コロンス島にて)
ジャカルタの屋台は、タイやマレーシア、シンガポールなどと比べると、料理の種類も少ないように感じます。大体バクミー(肉団子入りの麺)、サテー屋台が大半で、たまにナシ・グドック、ナシ・ゴレン、揚げ物などもありますが、やはり種類が限定されていると思います。
今回仲良くなったプラナカンのマダムの家(ジャカルタ南部の住宅地)にいったときに、ちょっと面白いものを売っている屋台を見つけました。調理行程を見ますと、ピーナッツをつぶしたペースト状のものに、ニンニクとチリを合わせてつぶし、そこにパームシュガーや水だのを加えてサラダクリームのようなものを作り、これを揚げ豆腐、クトゥパ(炊いたお米の固形)、野菜にかけてくれます。「これはロジャか?」と聞いたら、違う名前を教えられましたが、ちょっと名前忘れました。
食べたくなったので、一つ作ってもらい、マダムの家で食べようとしたら、マダムが「インドネシアの屋台料理は危険なのよ。コレラなんかもあるんだから、やたらに食べちゃだめよ」と叱られました。「私らですら、屋台のものを食べるときにはこのタブレットを飲むのよ」と炭が主成分の錠剤をくれました。なるほどな・・・・。メキシコで街中で見るものを片っ端から食べて、夜中15分おきにトイレ、という大変な下痢になってアメリカでぶっ倒れたことを思い出し、世の中甘く見てはいけないなと改めて思った次第です。でも、そのロジャのようなサラダ風料理はおいしかったですよ。
ジャカルタでよく見かける屋台料理がバクミーです。どう考えても中国料理です。バクとは福建語で「肉」、ミーは「麺」ですから。客家麺やマレーシアのサラワク名物のコロミーにもよく似たタイプの料理で、湯がいた麺の上にひき肉の煮物(ジャカルタの場合は鶏肉を煮たもの)をのせたものです。ひき肉の煮汁をよく麺に混ぜあわせて食べます。スープは別に添えられ、そこに肉団子が入っています(麺の上に肉団子やわんたんをのせる場合も多いです)。肉団子はたいてい水牛の肉のようです。イスラム教徒が多い土地ですから、豚肉は使わないものが多いです。おいしいところで食べればとてもおいしいです。ちょっと今回の旅ではハズレでしたが、前回食べたのはとてもおいしかったです。そこはお客さんもいっぱいでした。道端にベンチをしいただけ、という屋台がほとんどですが、やはり客の入りでお店は選んだ方がいいですね。それから、インドネシア人はインスタント麺が好きなようで(または製麺業者があまりいないのか?)、インスタント麺を湯がいて出すところもすくなくないですが、それは私的にはあまりいただけなかったです。
それから、今回教えてもらったちょっとヒットなスイーツがこれ。なんだと思います、これ?
ナツメグの実を、花のように切り開いて砂糖漬けにしたものです。ナツメグの味はかなりマイルドで、ちょっぴりスパイシーな砂糖漬けフルーツと言う感じで、紅茶などと一緒にいただくと良いです。こんなの、ナツメグが名物のペナン島でも見たことがありません。ちょっと面白いお土産になりそうです。
インドネシア全土からクラフト業者が2000店も集まるこの見本市は、世界から集まるバイヤーだけではなく、
一般客にとっても、ジャカルタにいながらにして、インドネシア全国の郷土品、工芸品がゲットできる
とっておきのチャンスです。
やはり主となるのはバティックで、プカロンガン、ジョグジャカルタ、ソロ、チレボンなどの有名産地からのものはもちろん、ちょっと見たことないユニークなバティックを製作する業者も来ているのですから、一軒一軒、気を抜くことができません。よって、3日間通い続けて、ようやくすべて網羅できたかな、とやっと安心できるのです。
プラナカンたちが好んだというプカロンガンやチレボンのバティックは、今はシルクのものが主流で、「いやー、これはすごいな」と思う、手の込んだトゥリス(1点1点すべて手描きのもの)などは大体400~500ドルくらいで売られていました。あまりバティックのことはわかりませんが、それはそれはものすごい数のお店ですから、もう段々頭ン中はぐるぐる状態になり、そのうち寝ても覚めても頭の中はバティックだらけになるのです。
ティフィンとはランチなどに持ってゆくお弁当箱のことですが、お弁当箱とはいえ、持ち手もついた立派な4段重ねのものです。 東南アジア一帯ではアルミ製の4段重ねをよく見かけますが、もともとティフィンはインドからやって来たもの。ニョニャたちの目にとまり、カラフルなエナメルの絵付けをされ、よりかわいらしく変身しました。
エナメルの絵付けとは、もとはイスラムから伝わったものと言われており、色ガラスの粉を特殊な釉薬で練って焼き付けたものです。その特徴は、立体感のあるタッチと透明な色合い、そして半永久的に色褪せないことでしょう。ちょうど日本の「七宝焼き」と同じような手法で作られています。だからでしょうか?興味深いことに、一時期日本でこのティフィンが作られていたそうですよ。
今でも欲しいという人が後を絶たない人気のティフィンですが、残念ながらエナメルの絵付けが施されたティフィンはこの辺では入手困難で、アンティークのみ。しかもとても高価なものです。中国でもまだ生産されているようですが、エナメルの絵付けではなく、機械プリントされたものがインドネシアなどで作られています。こちらはとってもお手軽価格。こちらもなかなかかわいいのです。インドやタイでは絵柄のないものがよく売られてますね。
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