2ヶ月くらい前でしたか、世界ふしぎ発見でマラッカを紹介したときに、燕の巣の家について紹介があったと聞き、驚きました。燕の巣の家はマラッカ、そしてペナンのジョージタウンにとっては問題なのです。そして違法です。なんで日本のテレビはそういうのを面白おかしく紹介しちゃったりするのか、とチエさんも私も頭をかしげていたのです。
燕の巣の家、というのは、民家に燕を呼び寄せ、家の中で燕たちに巣を作らせるものです。古いマラッカやジョージタウンのヘリテージゾーンには人の住まなくなった家がたくさんあります。これらの家を利用して燕たちを呼び込み、そして中に巣を作らせる。これは違法です。しかし、その収益は月に300万円ほどにもなるというのですから、違法業者が後を絶ちません。
なぜ禁止されているか、というと、第一の問題は衛生上の問題です。そう、糞害です。居住地域でこれをやられてはたまりません。そして、燕を呼び寄せるためにチュチュチュンという燕の鳴き声を音響装置を使って延々とならし続けるため、騒音の問題も発生しています。またとくにユネスコ世界遺産エリアで問題視される理由が、歴史的建築の破壊です。
先月ペナンのNGOに協力して、ジョージタウン内の燕の巣の家の調査団に加わり、その実態に触れてきました。
実は私もユネスコエリアの家を買うために何軒も家を見たのですが、その中には燕の巣の家もありました。燕の巣の家ではすべての窓をレンガやコンクリートで固めて外光を一切遮断します。そして家の何ヵ所かにでかい浴槽のような、プールのようなものをつくり、建物内の湿度をぐんと上げます。それはまるで洞窟内にいるかのようでした。中華の高級食材になる燕の巣は、日本に住んでいるような燕ではなく、東南アジアに多いイワツバメで、これらは洞窟に住む習性があるため、洞窟と同じ環境を家の中に作るのです。これでは当然建物はダメになります。
燕たちはある一定の高さから降下して家の中に飛び込みます。そのため、燕の入り口となるタワーのようなものがこれらの家の屋上に作られます。燕の巣の家のビジネスをやっているかどうかは、1)さえずりの音響装置があるかどうか、2)タワーがあるかどうか、3)窓などが遮断されているかどうか、でわかります。
2階から上の階が養殖所になっている建物。こんなに立派な建物をだいなしに
窓が遮断されている。丸い穴は通風口、光は入らないように作られている
表からはまったく見えない屋上のタワー。友人宅の屋上から発見
しかし最近のうるさい取り締まりのために音響装置をはずしている業者も多いのです。鳥たちもいったん住処を見つけると、そこに定住し始めるから、音響装置は不要になってくるのだそうです。
さらに業者たちはあの手この手でカモフラージュを工夫し、一見すてきなアートギャラリーやカフェなんかを一階でやっていたり、屋上のタワーが外からは見えないように隠して作っている家もたくさんあり、摘発調査は難航しました。そのためベテランの調査員の人たちと一緒に家の裏道へ入ってみたり、近所のゴシップ好きそうなお婆ちゃんに話を聞いたりして、一軒ずつ念入りに調査しなくてはなりませんでした。
そのおかげで、お役所の調査結果よりも実に多くの隠れ業者を発見しました。お役所の人たちは賄賂をもらってお目こぼししているケースが多いようで、NGOは今回の資料をもって政府をプッシュし、「容疑の家」を一軒一軒再調査させ、さらにこれをユネスコに報告する予定です(もうその段階にきています)。
チュリアStのインド人街にある建物を裏から見たところ。燕の巣の家であるのは明白なのに、いまだに操業が許されるのは何故?
ここ1〜2週間、ジョージタウンでの燕の巣の家の話題がたてつづけに新聞記事になったのは、私たちの調査をもとにNGOが働きかけたからです。一方、燕の巣の業者たちも負けじと抗議デモをやっていました。「燕が勝手に家に入って来ているだけだ、養殖などやってない」などと図々しい言い訳を掲げ。
燕の巣の養殖は農業地域ならばライセンスを取りさえすれば合法で行えるのです。居住地でやるのが問題なのです。なお、これらの燕の巣は香港や中国から業者が買い付けに来ています。何人かの業者は次々と農業地域に養殖場を移動させ始めています。ジャングルや田畑のど真ん中に不気味な四角い、窓のない(空気孔だけはある)4〜5階建ての建物があれば、それが養殖所です。
旅行者でも燕の巣の家はカンタンに見つけられますよ。ペナンだとチュリア・ストリートの余仁生(ユーヤンサン)という大きな漢方のお店のビルの付近でほぼ一日中燕が飛び交っているのが見られます。大きな燕タワーがこのビルの屋上に堂々と鎮座しています。マラッカだとヒーレンStに何軒かあります。今はもうないかもしれませんが、以前はババハウスに泊ると一晩中チュンチュンチュンというさえずりを聞きながら寝たものです。マラッカで燕の巣の家になっているところは外装が妙にきれいに直されているのが特徴で、しかしすべての窓がピシーッと隙間なく締め切られています。ちょっと注意して観察してみるとわかると思います。
このお手伝いをしてからは、燕の鳴き声が耳につくようになりました。マレーシアの他の土地へ行っても、「あ、燕の巣の家!」とすぐに発見してしまう、今日この頃です。
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おととい〜昨日(そして今日も少し?)続いたヒンドゥーのお祭りタイプーサム。
シンガポールやクアラルンプール(バトゥーケイブ)も有名ですが、ペナンのタイプーサムはかなり盛大で有名です。去年はちょうどシンガポールでの講演会に行っててみれませんでしたが、今年はじめてペナンのタイプーサムを観に行きました。
タイプーサムはヒンドゥー教徒でもタミール人の間で行われるお祭りだそうです。シバ神の息子ムルガンを祀るもので、信者たちが体に金棒やらかぎ針などを刺してカバディー(肉体的苦痛を意味するそう)といわれる鳥籠のでかいようなもので飾り付けがされたものを担いで長距離の道のりを歩くものです。非常にえぐいお祭りとして観光客にも人気が高い。
というわけで信者の行進するコースとなっている道路は交通規制がかけられ、周辺は大渋滞になります。我が家の周辺もかなり影響を受けるので、私たちも車ではなく徒歩で会場の方へ行きました。さすが運転マナーの悪いペナン、空いてるスペースがあればありとあらゆるところに違法駐車されてました。
完全に歩行者天国になっている道路にはカバディーを背負った信者たちと、見物客でごった返していました。苦行をしていないインド人の男性たちも踊り狂っています。結構笑える人も。ただ女性は1人も踊っていませんでしたが、大音量のインディアン・ビートのリズムに私すらウキウキしてきました。
でも、想像していたほど、「苦行」があまり痛そうではなかった・・・。シンガポールとかで見たのは、カバディーと体をつなぐ針金が体に刺し通されていたような気がするのですが・・・?なんかこっちのはカバディーそのものは腰にはめる輪を固定しているだけでした。でも顔とかを見ると口のあたりに棒が突き刺さっていたり、かぎ針などが数個刺されていました。背中にかぎ針だらけの人や、体中にかぎ針で小さなミルクポットを鈴なりに留めている人もいましたが、思ったよりえぐいのはなかったです。これのどこが苦行?ぬるくない?とちょっと不満でした。「じゃあおまえがやってみろ」といわれればお断りですけど。
でもプーケットとかで中国系がやるタイプーサムの方がずーっとえぐいと思います。
苦行をしている人は苦行というよりひたすらダレている感じ。まあ普段もこんな感じか??
カバディー軍団が歩く通り沿いにはThanneer Panthalと呼ばれるブースがいくつも建てられます。このブースは企業やヒンドゥー関係の団体が建てているようで、中で関係者が休んだり食事したり、また通行人に無料で飲み物や食事を配るものとして機能しています。ブースによって振る舞いが違うのですが、ネッスルのブースではちょっと塩っけのあるネギ味のヨーグルト・ドリンクを配っていて、私は結構気に入りましたが、娘とかはオエーって感じ。普通にジュースを配るブースもあります。とにかく羽振りのいいブースとそうでないブースは明確に分かれていました。これでご利益も違うだろうに。あと、ただ飯を配給するブースには長蛇の列が。お金払った方が美味しいものにありつけるので、私たちはご遠慮申し上げました。
ペナンのタイプーサムが特徴的なのは行進の前日に「ココナッツ割り」儀式があることだそうです。残念ながら知らなくて見逃してしまいましたが、数百万個ともいわれる数のココナッツを行進の道路で叩き割るのだそうです。とくにコムター付近のGamaというデパートの前あたりがすごいらしい。これは本場インドではやらない儀式で、こちら独特のものだそうです。
とにかく象の行進やら、牛車でひく御神輿の行進、そしてカラフルなカバディーと踊り狂う信者たち、とイベント盛りだくさんのお祭りです。来年は一部始終を見学してみようかなと思いました。
シンガポールやクアラルンプール(バトゥーケイブ)も有名ですが、ペナンのタイプーサムはかなり盛大で有名です。去年はちょうどシンガポールでの講演会に行っててみれませんでしたが、今年はじめてペナンのタイプーサムを観に行きました。
タイプーサムはヒンドゥー教徒でもタミール人の間で行われるお祭りだそうです。シバ神の息子ムルガンを祀るもので、信者たちが体に金棒やらかぎ針などを刺してカバディー(肉体的苦痛を意味するそう)といわれる鳥籠のでかいようなもので飾り付けがされたものを担いで長距離の道のりを歩くものです。非常にえぐいお祭りとして観光客にも人気が高い。
というわけで信者の行進するコースとなっている道路は交通規制がかけられ、周辺は大渋滞になります。我が家の周辺もかなり影響を受けるので、私たちも車ではなく徒歩で会場の方へ行きました。さすが運転マナーの悪いペナン、空いてるスペースがあればありとあらゆるところに違法駐車されてました。
完全に歩行者天国になっている道路にはカバディーを背負った信者たちと、見物客でごった返していました。苦行をしていないインド人の男性たちも踊り狂っています。結構笑える人も。ただ女性は1人も踊っていませんでしたが、大音量のインディアン・ビートのリズムに私すらウキウキしてきました。
でも、想像していたほど、「苦行」があまり痛そうではなかった・・・。シンガポールとかで見たのは、カバディーと体をつなぐ針金が体に刺し通されていたような気がするのですが・・・?なんかこっちのはカバディーそのものは腰にはめる輪を固定しているだけでした。でも顔とかを見ると口のあたりに棒が突き刺さっていたり、かぎ針などが数個刺されていました。背中にかぎ針だらけの人や、体中にかぎ針で小さなミルクポットを鈴なりに留めている人もいましたが、思ったよりえぐいのはなかったです。これのどこが苦行?ぬるくない?とちょっと不満でした。「じゃあおまえがやってみろ」といわれればお断りですけど。
でもプーケットとかで中国系がやるタイプーサムの方がずーっとえぐいと思います。
苦行をしている人は苦行というよりひたすらダレている感じ。まあ普段もこんな感じか??
カバディー軍団が歩く通り沿いにはThanneer Panthalと呼ばれるブースがいくつも建てられます。このブースは企業やヒンドゥー関係の団体が建てているようで、中で関係者が休んだり食事したり、また通行人に無料で飲み物や食事を配るものとして機能しています。ブースによって振る舞いが違うのですが、ネッスルのブースではちょっと塩っけのあるネギ味のヨーグルト・ドリンクを配っていて、私は結構気に入りましたが、娘とかはオエーって感じ。普通にジュースを配るブースもあります。とにかく羽振りのいいブースとそうでないブースは明確に分かれていました。これでご利益も違うだろうに。あと、ただ飯を配給するブースには長蛇の列が。お金払った方が美味しいものにありつけるので、私たちはご遠慮申し上げました。
ペナンのタイプーサムが特徴的なのは行進の前日に「ココナッツ割り」儀式があることだそうです。残念ながら知らなくて見逃してしまいましたが、数百万個ともいわれる数のココナッツを行進の道路で叩き割るのだそうです。とくにコムター付近のGamaというデパートの前あたりがすごいらしい。これは本場インドではやらない儀式で、こちら独特のものだそうです。
とにかく象の行進やら、牛車でひく御神輿の行進、そしてカラフルなカバディーと踊り狂う信者たち、とイベント盛りだくさんのお祭りです。来年は一部始終を見学してみようかなと思いました。
12月よりずっと海外におり、まる一ヶ月ご無沙汰しております。
1月のペナンは雨期ということもありますが、やはりシンガポールより涼しく湿度も低く、過ごしやすい毎日です。今は中国正月前の準備に追われるフェスティブ・シーズンで、普段よりも道が混んでいたりしますが、昨日今日はヒンドゥーの盛大なお祭り、タイプーサムのため、車での移動は控えたいところです。
そんな中、日本からチエさんとシェフ平岡さんが来馬中、そして最終的には来星予定です。
彼女たちは今日ペナンからクアラルンプールに発ちました。
まあ毎度のことでひたすら食べまくりのツアーとなりましたが、ちょっと遠出してスンガイ・バカップのお屋敷見学やバタワースでお食事したり、ペナンをたっぷり満喫されていきました。詳しくはあとでチエさんがブログでアップしてくれると思います。
一足先におととい立ち寄ったサフォーク・ハウスでのハイティーの模様をちょっと。
ペナンを英国支配下におさめたフランシス・ライトの家だったものがペナンの歴代総督の屋敷として買い取られ、今残っているようなジョージアン様式の荘厳な建物になったこのお屋敷は、ライトの故郷サフォークにちなんでその名がつけられたそうです。3〜4年前だったか記憶がさだかではありませんが、ペナン・ヘリテージ・トラストによって修復が完了し、現在は博物館兼レストランとして一般公開されています。
サフォーク・ハウスのレストランを経営しているのはペナンでお洒落なダイニングを手がけるグループで、ここもフュージョン&ヨーロピアンのお料理を出す高級ダイニングです。
ランチやディナーはペナンの屋台料理や福建、潮州料理、そしてニョニャ料理でスケジュールいっぱいのお二人ですので、午後のハイティーだけトライすることに。テーブルは庭が眺められるテラス席を確保してもらいました。
ハイティーは伝統的な英国式の3段トレーで出されるスコーン、サンドイッチ、チキンパイとクッキーなどの焼き菓子とプチフールがちょこっと。そしてお茶は数種類から選べます。料金は2人セットでRM66++となっています。しっかり完食するとかなりお腹がいっぱいになってしまう量です。お味の方はまずまず。スコーンにはいちごジャムのほか、パパイヤ、パイナップル、トマトの珍しいジャム4種がついていました。
でもこの優雅な雰囲気はマレーシアではなかなかのもの。川沿いの緑地に位置しているため涼しい風が通り、屋外でも快適。かなりまったりできます。
ちょっとペナンの喧噪に疲れたなあ〜、という方にはおすすめです。
なお博物館はレストランとは別で、館内見学は別料金となっています。
Suffolk House Restaurant
Tel: 04-228 3930
Address:250, Jalan Air Itam, 10460 Penang
ハイティーの営業は午後2時半〜5時半
1月のペナンは雨期ということもありますが、やはりシンガポールより涼しく湿度も低く、過ごしやすい毎日です。今は中国正月前の準備に追われるフェスティブ・シーズンで、普段よりも道が混んでいたりしますが、昨日今日はヒンドゥーの盛大なお祭り、タイプーサムのため、車での移動は控えたいところです。
そんな中、日本からチエさんとシェフ平岡さんが来馬中、そして最終的には来星予定です。
彼女たちは今日ペナンからクアラルンプールに発ちました。
まあ毎度のことでひたすら食べまくりのツアーとなりましたが、ちょっと遠出してスンガイ・バカップのお屋敷見学やバタワースでお食事したり、ペナンをたっぷり満喫されていきました。詳しくはあとでチエさんがブログでアップしてくれると思います。
一足先におととい立ち寄ったサフォーク・ハウスでのハイティーの模様をちょっと。
ペナンを英国支配下におさめたフランシス・ライトの家だったものがペナンの歴代総督の屋敷として買い取られ、今残っているようなジョージアン様式の荘厳な建物になったこのお屋敷は、ライトの故郷サフォークにちなんでその名がつけられたそうです。3〜4年前だったか記憶がさだかではありませんが、ペナン・ヘリテージ・トラストによって修復が完了し、現在は博物館兼レストランとして一般公開されています。
サフォーク・ハウスのレストランを経営しているのはペナンでお洒落なダイニングを手がけるグループで、ここもフュージョン&ヨーロピアンのお料理を出す高級ダイニングです。
ランチやディナーはペナンの屋台料理や福建、潮州料理、そしてニョニャ料理でスケジュールいっぱいのお二人ですので、午後のハイティーだけトライすることに。テーブルは庭が眺められるテラス席を確保してもらいました。
ハイティーは伝統的な英国式の3段トレーで出されるスコーン、サンドイッチ、チキンパイとクッキーなどの焼き菓子とプチフールがちょこっと。そしてお茶は数種類から選べます。料金は2人セットでRM66++となっています。しっかり完食するとかなりお腹がいっぱいになってしまう量です。お味の方はまずまず。スコーンにはいちごジャムのほか、パパイヤ、パイナップル、トマトの珍しいジャム4種がついていました。
でもこの優雅な雰囲気はマレーシアではなかなかのもの。川沿いの緑地に位置しているため涼しい風が通り、屋外でも快適。かなりまったりできます。
ちょっとペナンの喧噪に疲れたなあ〜、という方にはおすすめです。
なお博物館はレストランとは別で、館内見学は別料金となっています。
Suffolk House Restaurant
Tel: 04-228 3930
Address:250, Jalan Air Itam, 10460 Penang
ハイティーの営業は午後2時半〜5時半
かなりご無沙汰してしまいました。
昨日友人たちとバターワースでディナーをする約束をしていたら、そのうちの一人が急に「半島側へ行くなら、せっかくだからキー・ファミリーの家に連れてってやる」と言い出し、急展開。
すごい屋敷らしいことは聞いていたのですが、正直腰が抜けるほどのすんごい屋敷でした。
急遽夕方にお邪魔したので1時間ほどしかいられなかったのですが。
キー・ファミリー(紀家)の当主はいわゆる新客(新移民)ですが、働き者でまじめで忠義心の強い青年だったのをババの富豪に認められ、養子に迎えられたそうです。細かいことはこれから資料を読まないといけないのですが、ざっと聞いた範囲で今回ご紹介します。
▲六軒屋
この家はバターワースの南、車で30分ほどのところにあるスンガイ・バカップという小さな街にあります。ちいさなメインの通りがあって、この家はそこに面しているのですが、まずこの家の門があって、大きな広場があって、大きくて豪勢なアンセストラル・ホール(先祖を祀る廟)があります。そしてその裏の広大な敷地に「六軒家」と呼ばれるプラナカンハウスがずらーっと並んでいるのです。これは6人の息子たちが一緒に住むために建てられたもの。一軒一軒がとても大きいのに、これが6つ並んださまは圧巻です。その他に使用人の棟、倉庫などもあります。
▲アンセストラル・ホール
▲アンセストラル・ホールの中。ちゃんと修復できていないが、置いてある調度品は本物、半端じゃない!
▲表通りに面した門の裏側、ここの広場ではステージを築いて京劇などを上演したのだそう
思わず「これホテルにしたらすごいじゃん」と言ってしまったのですが、「家族のためだけに使うこと」という先祖の遺言があるので、ホテルはもちろん、博物館にもしないのだそうです。
現在住んでいるのは3人と使用人だけで、大半の家が無人化。一族はバラバラになり、オーストラリアなど海外で暮らしているとか。絶頂期にあった先祖はまさか現在こんな状態になるとは思っていなかった上での遺言だったのでしょう。残された者だけでこんな大きな家を守っていくのはとても大変です。
◀無人化した家の中
ペナンのブルー・マンションやプラナカン・マンションは一族の手を離れ、富裕な人たちに買い取られたから、本格的な修復や維持が可能なんですね。はっきりいって、キー・ファミリーの家は規模ではこれらの家よりもずっと大きなものなんです。
ところでなぜスンガイ・バカップの紫禁城などと呼ばれるかというと、ここのご先祖様はあの西太后に仕えた清朝の高官だったからです。このいきさつはまだ資料を読み込まないといけないのですが、マラヤへの移民が大金持ちになり、清朝の高官になるまで出世したのだからすごいですね。アンセストラル・ホールには西太后から贈られたというパネルなどが飾られています。なんでも「朝議第」という位にあったのだそうで、六軒家の各入り口にはこの文字が書かれています。
表通りは商店街になっていますが、これらの殆どがキー家の所有だそうで、今でもわずかな収入をこの家賃から得ているそうです。また、この街の市場もキー家の所有だったそうです。しかしマラヤ解体後、一般市民が市場を所有するのはけしからん、ということで公営になったとか。
とにかく半端な財力ではなかったんですね。
六軒家のうち人が今でも暮らしているのは1軒のみ。あとは無人化しているのですが、窓から覗き込むとわずかに家具が残っていました。残された3人の方たちがおっとりした人たちで、なんだか知らないうちに家財がなくなって、骨董市などで売られているのだそうです。で、それを仕方なく買い取るのだと聞いて、悲しくなりました。中国人の栄華は3代まで、というのですが、本当にそういう家が多いですね。
突然のお邪魔にも快く対応してくれた親切な3人には多めのアンパオ置いてきましたが、この家の維持を考えると、とてもとても足しにはならない。現在離れてしまった一族のメンバーも維持費は出してくれているのだと思いますが、正直なところ、ちゃんと修復できていない。マラッカの青雲亭のように、きちんとした専門家に頼まないと修復できない部分が山ほどあるのです。青雲亭やブルーマンションなどは専門家が調査をし、中国から職人を呼び、かなりのお金を費やして修復されているから、今でもあんなに美しいのです。この家も博物館にでもすればいいんだけど、遺言がそれを許さない。どうしたものかなあ、と考えちゃいました・・・。
昨日友人たちとバターワースでディナーをする約束をしていたら、そのうちの一人が急に「半島側へ行くなら、せっかくだからキー・ファミリーの家に連れてってやる」と言い出し、急展開。
すごい屋敷らしいことは聞いていたのですが、正直腰が抜けるほどのすんごい屋敷でした。
急遽夕方にお邪魔したので1時間ほどしかいられなかったのですが。
キー・ファミリー(紀家)の当主はいわゆる新客(新移民)ですが、働き者でまじめで忠義心の強い青年だったのをババの富豪に認められ、養子に迎えられたそうです。細かいことはこれから資料を読まないといけないのですが、ざっと聞いた範囲で今回ご紹介します。
▲六軒屋
この家はバターワースの南、車で30分ほどのところにあるスンガイ・バカップという小さな街にあります。ちいさなメインの通りがあって、この家はそこに面しているのですが、まずこの家の門があって、大きな広場があって、大きくて豪勢なアンセストラル・ホール(先祖を祀る廟)があります。そしてその裏の広大な敷地に「六軒家」と呼ばれるプラナカンハウスがずらーっと並んでいるのです。これは6人の息子たちが一緒に住むために建てられたもの。一軒一軒がとても大きいのに、これが6つ並んださまは圧巻です。その他に使用人の棟、倉庫などもあります。
▲アンセストラル・ホール
▲アンセストラル・ホールの中。ちゃんと修復できていないが、置いてある調度品は本物、半端じゃない!
▲表通りに面した門の裏側、ここの広場ではステージを築いて京劇などを上演したのだそう
思わず「これホテルにしたらすごいじゃん」と言ってしまったのですが、「家族のためだけに使うこと」という先祖の遺言があるので、ホテルはもちろん、博物館にもしないのだそうです。
現在住んでいるのは3人と使用人だけで、大半の家が無人化。一族はバラバラになり、オーストラリアなど海外で暮らしているとか。絶頂期にあった先祖はまさか現在こんな状態になるとは思っていなかった上での遺言だったのでしょう。残された者だけでこんな大きな家を守っていくのはとても大変です。
◀無人化した家の中
ペナンのブルー・マンションやプラナカン・マンションは一族の手を離れ、富裕な人たちに買い取られたから、本格的な修復や維持が可能なんですね。はっきりいって、キー・ファミリーの家は規模ではこれらの家よりもずっと大きなものなんです。
ところでなぜスンガイ・バカップの紫禁城などと呼ばれるかというと、ここのご先祖様はあの西太后に仕えた清朝の高官だったからです。このいきさつはまだ資料を読み込まないといけないのですが、マラヤへの移民が大金持ちになり、清朝の高官になるまで出世したのだからすごいですね。アンセストラル・ホールには西太后から贈られたというパネルなどが飾られています。なんでも「朝議第」という位にあったのだそうで、六軒家の各入り口にはこの文字が書かれています。
表通りは商店街になっていますが、これらの殆どがキー家の所有だそうで、今でもわずかな収入をこの家賃から得ているそうです。また、この街の市場もキー家の所有だったそうです。しかしマラヤ解体後、一般市民が市場を所有するのはけしからん、ということで公営になったとか。
とにかく半端な財力ではなかったんですね。
六軒家のうち人が今でも暮らしているのは1軒のみ。あとは無人化しているのですが、窓から覗き込むとわずかに家具が残っていました。残された3人の方たちがおっとりした人たちで、なんだか知らないうちに家財がなくなって、骨董市などで売られているのだそうです。で、それを仕方なく買い取るのだと聞いて、悲しくなりました。中国人の栄華は3代まで、というのですが、本当にそういう家が多いですね。
突然のお邪魔にも快く対応してくれた親切な3人には多めのアンパオ置いてきましたが、この家の維持を考えると、とてもとても足しにはならない。現在離れてしまった一族のメンバーも維持費は出してくれているのだと思いますが、正直なところ、ちゃんと修復できていない。マラッカの青雲亭のように、きちんとした専門家に頼まないと修復できない部分が山ほどあるのです。青雲亭やブルーマンションなどは専門家が調査をし、中国から職人を呼び、かなりのお金を費やして修復されているから、今でもあんなに美しいのです。この家も博物館にでもすればいいんだけど、遺言がそれを許さない。どうしたものかなあ、と考えちゃいました・・・。
ほとんど毎週末通っているバリクプラウで、とうとう伝説の(?)ホッケンミーを見つけました。場所はチャイニーズの住民が多い漁村の一角。お店ではなく、一般民家の軒先で、なのです。もちろん看板などありません。
大体の場所は目星付けてあったのですが、どこの家なのかよくわからず、違う路地に入ってしまって、通りがかりのおじさんに「ホッケンミーのうちどこ?」と聞きましたが、目印も何もないのだからどうにも説明しがたいといった様子で、「とにかくすぐそこなんだよ。もう少し戻った所。入り口に車がたくさん停まってるよ」というおじさんの説明。「来る途中に車たくさん停まってる所なんてあったっけ?」と半信半疑ながら来た道を戻ると、道路沿いではなく、敷地内の空き地に車が並んでいる家を発見。ここだ!と私たちも車を入れました。
ここです!このときはがらんとしてますが、この空き地に車がいっぱい停まります
ホッケンミーを売っている家はこの敷地の奥にある家。そこの家に行く手前でローバッ(Lobak)を売っているおじさんがいます。このLobakも評判がいいので、注文してからホッケンミーの家に進みます。
ここの家はホッケンミーのほか、ラクサも好評。ラクサはアサムラクサだけで、やはり麺がコシがあるタイプで、スープもホームメイドらしいやさしい味付けで美味。ホッケンミーも同じくスープがやさしい味つけですが、新鮮なエビの味がしっかり。たしかにかなり高得点のホッケンミーといえるでしょう。うちの主人は今までペナンで食べたホッケンミーの中でベスト、と言っていました。辛いチリペーストをスープに溶いて食べます。
で、ローバッ。この料理はもともと湯葉の肉巻きのことですが、それが次第に肉巻き以外にもトーフの厚揚げだの春巻きだの何種類かの揚げ物を一緒に盛り合わせて出すものの総称として使われています。ですので、いろいろな具を選ぶことができます。これも揚げたてで鮮度がよく、かなり美味しい。小エビのかき揚げがちょっと変わってて(衣に特徴があり)、サクサク感が違うんです。街中でも結構どこにでもある屋台料理ですが、あまり売れない店だと昨日の残りの具が並んでいるような感じで、フレッシュじゃなかったりする。意外に美味しい店ってそんなにないんです。実は私たち、このローバッをかなり気に入ったのでおかわりしてしまいました。
場所はJalan Baruから小川沿いのJalan Kampung Baruをひたすらまっすぐ行きます。ずっと行くと橋を渡ったところに小さな中国寺院が立っているのが見えますが、そこまで行かず、寺院から小さな橋2本手前の右手の家になります。
ここらへんはGoogle MapかWikimapiaのサテライトマップだと見れます。でもサテライトマップには写らない小道もたくさんあって、そんな小道の途中においしいマレー菓子(ニョニャクエでも有名な)Kuih Bohuluの有名なおうちも見つけちゃいました。車一台しか通れない森の道をずんずん進んでいろいろ探検しています。地図もないので、本物の探検です!途中で草むらから牛が飛び出してきたりしてびっくりしました。
大体の場所は目星付けてあったのですが、どこの家なのかよくわからず、違う路地に入ってしまって、通りがかりのおじさんに「ホッケンミーのうちどこ?」と聞きましたが、目印も何もないのだからどうにも説明しがたいといった様子で、「とにかくすぐそこなんだよ。もう少し戻った所。入り口に車がたくさん停まってるよ」というおじさんの説明。「来る途中に車たくさん停まってる所なんてあったっけ?」と半信半疑ながら来た道を戻ると、道路沿いではなく、敷地内の空き地に車が並んでいる家を発見。ここだ!と私たちも車を入れました。
ここです!このときはがらんとしてますが、この空き地に車がいっぱい停まります
ホッケンミーを売っている家はこの敷地の奥にある家。そこの家に行く手前でローバッ(Lobak)を売っているおじさんがいます。このLobakも評判がいいので、注文してからホッケンミーの家に進みます。
ここの家はホッケンミーのほか、ラクサも好評。ラクサはアサムラクサだけで、やはり麺がコシがあるタイプで、スープもホームメイドらしいやさしい味付けで美味。ホッケンミーも同じくスープがやさしい味つけですが、新鮮なエビの味がしっかり。たしかにかなり高得点のホッケンミーといえるでしょう。うちの主人は今までペナンで食べたホッケンミーの中でベスト、と言っていました。辛いチリペーストをスープに溶いて食べます。
で、ローバッ。この料理はもともと湯葉の肉巻きのことですが、それが次第に肉巻き以外にもトーフの厚揚げだの春巻きだの何種類かの揚げ物を一緒に盛り合わせて出すものの総称として使われています。ですので、いろいろな具を選ぶことができます。これも揚げたてで鮮度がよく、かなり美味しい。小エビのかき揚げがちょっと変わってて(衣に特徴があり)、サクサク感が違うんです。街中でも結構どこにでもある屋台料理ですが、あまり売れない店だと昨日の残りの具が並んでいるような感じで、フレッシュじゃなかったりする。意外に美味しい店ってそんなにないんです。実は私たち、このローバッをかなり気に入ったのでおかわりしてしまいました。
場所はJalan Baruから小川沿いのJalan Kampung Baruをひたすらまっすぐ行きます。ずっと行くと橋を渡ったところに小さな中国寺院が立っているのが見えますが、そこまで行かず、寺院から小さな橋2本手前の右手の家になります。
ここらへんはGoogle MapかWikimapiaのサテライトマップだと見れます。でもサテライトマップには写らない小道もたくさんあって、そんな小道の途中においしいマレー菓子(ニョニャクエでも有名な)Kuih Bohuluの有名なおうちも見つけちゃいました。車一台しか通れない森の道をずんずん進んでいろいろ探検しています。地図もないので、本物の探検です!途中で草むらから牛が飛び出してきたりしてびっくりしました。
私たちが好きなシンガポールの名店のひとつに、スティームボートの「天外天」というお店があります。スティームボートとは鍋料理のことですが、天外天の鍋は潮州式鍋で、魚からとった白濁したスープに梅干し、キャムチャイ(酸味のある菜っ葉の漬け物)、ヒラメのような魚の干物でダシを取る、濃厚で複雑、でもさっぱり、という絶品スープのお鍋なのです。で、お約束に、必ずヤム芋が入っていなくてはなりません。それも素揚げにしたヤム芋です。これがスープに溶けかかって、うまいのなんのって・・・(いつもチエさんと取り合い!)。ちなみにシンガポールには天外天以外にもこの潮州式鍋を食べさせる店が3〜4軒あります。
これがペナンにはない・・・。そもそもペナンには潮州料理の専門店があまりなく、あってもシンガポールやマラッカ、はたまた香港の潮州料理とも似て非なるもの。潮州料理好きの私にはこれがペナンでの大きな不満なのです。
そんなある日、ペナン対岸のバターワースにおいしい鍋を食べさせる店がある、という情報を得ました。しかし紹介者はこれがあの潮州式鍋だという認識はなかったようで(こっちの人は知らないのですね)、とにかくスープがうまいというだけの説明でした。ただ、ヤム芋が入っていておいしい、という一言に、これはもしや・・・とほのかな期待を抱いていったら、私が恋しがってやまなかった、あの“潮州式鍋”だったのであります。
このお店、Zi Wei Yuan 紫薇園はなんと手持ちの道路地図にも名前が掲載されてて、相当有名なようです。日曜日の晩だったせいか、広い店内のテーブルはあっという間に満席になりました。
まず席につくと、基本の鍋セットをどちらにするか、と聞かれます。揚げた魚が入った鍋か、ガルーパの鍋か?ガルーパの方が若干高いのですが、店員に強く勧められたのでガルーパにしました。基本の鍋セットには魚の肉、そして白菜、ヤム芋は入っていて、これにプラスして別の具材を別注文する形になっています。私たちはイカ、キャベツ、豚肉団子、湯葉、うずらの卵、海苔などを注文し、店員も「それで十分、食べきれないよ」と言って注文が終わりました。
しばらくすると燃えたぎる炭火を詰めた鍋がテーブルに。ガルーパは普通の身と頭の部分が大きな塊で入っていました。新鮮なので生臭さはまったくなく、私でも頭をきれいに骨まですすって食べられるほどでした。とにかくスープがおいしい!天外天と比べても遜色ありません。
後から到着した肉団子や野菜類などの具を足してどんどん食べます。おいしいスープも惜しみなくどんどん注ぎ足してくれます。具に付けて食べるチリソースも甘すぎず、おいしい。文句なしです。
最後の〆は娘の希望でラーメンでしたが、この絶品スープは春雨あたりで〆たかった〜。白飯で食べても十分いけるおいしいスープです。
この店のすぐ隣はコピティアムで、いろいろな屋台料理が入っていて、こちらも結構客が入っていました。ペナンあたりでは隣の店から料理を注文しても怒らないという寛大な所が多いのですが、鍋を食べにきたお客さんたちはそちらには見向きもしません。1つのテーブルだけ、あちらから手羽焼きを頼んでいました。実はかなりおいしそうでした。でも他の客は(私たちも)そんなサイドディッシュなどいらぬ!というくらい、鍋だけで大満足なのです。
とにかく大盛況の店内でしたが、女店長がすごく愛想の良い人で(ここが天外天とは大違い。天外天は態度がとても悪い)、超忙しいのにいろいろ話をしてくれました。なんと彼女のご主人はシンガポーリアン。ペナンにこの味がなくて困ってたのでとても嬉しい、という話をしました。あんまり英語が出来ない人でしたが、私の片言の中国語、彼女の片言の英語でなんとか意思疎通。「ペナン島までの帰り道わかるか?」と心配までしてくれて、「また来てね!」と送り出されました。
ちなみにこのお店があるのはバターワースの北部なので、ペナン大橋ではなく、フェリーで渡りました。フェリーでの船旅は海風に吹かれてとても気持のよいものです。船旅のせいか、なんか外国に来たみたいで、すごくバターワースに旅情を感じてしまいました。(バターワースの街はすごく寂れてますが・・・)
参考までにお値段は3人でたらふく食べ、飲み物も入れてRM70ほど(2000円)。とてもリーズナブルです。
今度いつ行くか、もう今から楽しみです。
Zi Wei Yuan Steamboat
紫薇園
6525 Jalan Raja Uda, Butterworth
Tel: 04-331 2736
定休:水曜
(Jalan Raja Udaは飲食店が多く並ぶちょっと賑やかな通りです。この店は九皇大帝宮のそばです)
これがペナンにはない・・・。そもそもペナンには潮州料理の専門店があまりなく、あってもシンガポールやマラッカ、はたまた香港の潮州料理とも似て非なるもの。潮州料理好きの私にはこれがペナンでの大きな不満なのです。
そんなある日、ペナン対岸のバターワースにおいしい鍋を食べさせる店がある、という情報を得ました。しかし紹介者はこれがあの潮州式鍋だという認識はなかったようで(こっちの人は知らないのですね)、とにかくスープがうまいというだけの説明でした。ただ、ヤム芋が入っていておいしい、という一言に、これはもしや・・・とほのかな期待を抱いていったら、私が恋しがってやまなかった、あの“潮州式鍋”だったのであります。
このお店、Zi Wei Yuan 紫薇園はなんと手持ちの道路地図にも名前が掲載されてて、相当有名なようです。日曜日の晩だったせいか、広い店内のテーブルはあっという間に満席になりました。
まず席につくと、基本の鍋セットをどちらにするか、と聞かれます。揚げた魚が入った鍋か、ガルーパの鍋か?ガルーパの方が若干高いのですが、店員に強く勧められたのでガルーパにしました。基本の鍋セットには魚の肉、そして白菜、ヤム芋は入っていて、これにプラスして別の具材を別注文する形になっています。私たちはイカ、キャベツ、豚肉団子、湯葉、うずらの卵、海苔などを注文し、店員も「それで十分、食べきれないよ」と言って注文が終わりました。
しばらくすると燃えたぎる炭火を詰めた鍋がテーブルに。ガルーパは普通の身と頭の部分が大きな塊で入っていました。新鮮なので生臭さはまったくなく、私でも頭をきれいに骨まですすって食べられるほどでした。とにかくスープがおいしい!天外天と比べても遜色ありません。
後から到着した肉団子や野菜類などの具を足してどんどん食べます。おいしいスープも惜しみなくどんどん注ぎ足してくれます。具に付けて食べるチリソースも甘すぎず、おいしい。文句なしです。
最後の〆は娘の希望でラーメンでしたが、この絶品スープは春雨あたりで〆たかった〜。白飯で食べても十分いけるおいしいスープです。
この店のすぐ隣はコピティアムで、いろいろな屋台料理が入っていて、こちらも結構客が入っていました。ペナンあたりでは隣の店から料理を注文しても怒らないという寛大な所が多いのですが、鍋を食べにきたお客さんたちはそちらには見向きもしません。1つのテーブルだけ、あちらから手羽焼きを頼んでいました。実はかなりおいしそうでした。でも他の客は(私たちも)そんなサイドディッシュなどいらぬ!というくらい、鍋だけで大満足なのです。
とにかく大盛況の店内でしたが、女店長がすごく愛想の良い人で(ここが天外天とは大違い。天外天は態度がとても悪い)、超忙しいのにいろいろ話をしてくれました。なんと彼女のご主人はシンガポーリアン。ペナンにこの味がなくて困ってたのでとても嬉しい、という話をしました。あんまり英語が出来ない人でしたが、私の片言の中国語、彼女の片言の英語でなんとか意思疎通。「ペナン島までの帰り道わかるか?」と心配までしてくれて、「また来てね!」と送り出されました。
ちなみにこのお店があるのはバターワースの北部なので、ペナン大橋ではなく、フェリーで渡りました。フェリーでの船旅は海風に吹かれてとても気持のよいものです。船旅のせいか、なんか外国に来たみたいで、すごくバターワースに旅情を感じてしまいました。(バターワースの街はすごく寂れてますが・・・)
参考までにお値段は3人でたらふく食べ、飲み物も入れてRM70ほど(2000円)。とてもリーズナブルです。
今度いつ行くか、もう今から楽しみです。
Zi Wei Yuan Steamboat
紫薇園
6525 Jalan Raja Uda, Butterworth
Tel: 04-331 2736
定休:水曜
(Jalan Raja Udaは飲食店が多く並ぶちょっと賑やかな通りです。この店は九皇大帝宮のそばです)
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プラナカンを中心に、シンガポール・マレーシアの話題をお届け。食べ物・旅行の話題が中心です。
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シンガポールとペナンに住んで20数年、プラナカン協会会員です。ライター&コーディネート業務に携わっています。ご依頼・お問い合わせは下記ホームページからお願いいたします。
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