私にはクランタン料理の知名度が低いのが不思議でなりません。パタニ王国の時代から受け継がれる豊富な菓子類や料理の数々、その完成度は見事なほどです。ちえさんは「王宮の栄えたところは菓子文化も栄える」とよく言っていますが、ここでもさまざまな菓子類が目を奪います。カスタード系の菓子が多いのは、やはりパタニ時代にやってきたポルトガル人の影響でしょうか。スペインやポルトガル式のカスタード・プリンがあったのにも驚きました。
クランタンといったら、まずはBuduブドゥー。これはいわゆる魚醤の類いですが、濁っています。アンチョビの液状といった感じです。ケラブ(野菜などを和えたサラダ系料理)にも欠かせませんし、これを生野菜と和えながらごはんと一緒に食べる食べ方は、クランタン人にとって基本中の基本のようです。ブドゥーにライムを絞り、チリを刻んだものを加え、ここに焼き魚(アジなど)の身をほぐして加えます。あとはPetai(臭みのある豆)やKacang Botol (四角豆)などの野菜や、さまざまな葉っぱ(ハーブ)に添えて、ごはんと一緒に食べます。これは結構ハマります。ごはんが進んでしょうがないので要注意なのです。ヒメしょうがなどもこのようにして一緒に食べますし、マンゴーの葉も若いものは食べられるのですよ、びっくり。ここまでくると、葉っぱを食べるヤギの気持ち。むむ、これはプーケットで感じたことと同じではないか。タイに近いことを強く感じます。この食べ方ではやはり「手」が基本です。フォークやスプーンで食べる人はいません。私も当然のように特訓を受けました。それから、な、なんと、このタレにドリアンを混ぜる食べ方もあるのです。
しかしもう少し格好のつくもので代表的な料理というと、ナシ・ケラブでしょう。
ケランタン式ビビンパとでもいいましょうか。10種類以上のハーブを細かく叩いて汁を出し、その汁でごはんを炊きます。いんげん、きゅうり、エシャロットなどにライムリーフ、レモングラス、ブンガ・カンタン(ショウガの花)、ラクサリーフ、焼き魚のほぐしたもの、ケルチック(煎ったココナツ)を加え、前述のブドゥーをかけて混ぜ混ぜして食べるのです。なんと香しい、そしてヘルシーなお料理でしょうか。
写真)クランタン・タイ式のナシ・ケラブ
このナシ・ケラブ用ハーブ汁は市場でも出来合いのものを売っているそうですが、もちろん手抜きのものが多く、ハーブの種類も少ないそうです。またナシ・ケラブもいろいろなパターンがあり、このスタイルはタイ式なのだそうで、マレー式は白いごはんだったり、ブンガ・タラン(色付けに使う青い花)で染めた青いごはんだそうです(まいさん、あってる?)。このタイ式に使うハーブの種類は、チャイニーズやタイの人しか知らないらしく、山にいって積んでくるそうです。ざっとナシケラブに使った野草を写真に撮ってみましたが、どのくらいワイルドさが伝わるでしょうか。健康食品として高価なノニの葉っぱも使っています。
今回クランタンでお世話になった人の娘さんの婚約式がクアラルンプールでもある、ということでそちらにもお呼ばれしたのですが、クランタンから、ブドゥーはもちろん、ナシ・ケラブに使う10数種類のハーブをまるまる一籠、クランタン産のお米、フィッシュクラッカーなども全部クランタンから持っていったのです。
クランタンの人たちは地産の食材に大変こだわっていて、実際にクランタン産のものは他のところのものよりも美味しいものが多く(例えば米は違います。土壌が良いのだ、と言ってました。それから干し魚も美味しい)、こういった食材へのこだわりがこの地の食文化をレベルアップしているのだなと思いました。
それはそれでいいんですけど、今回市場で私が何か買おうとすると、すぐさま「それはよくない。私の知っている村で作ってるいるものの方が良い」と買わせてくれない。で、結局思うように買い物出来てないのでした。
クランタンといったら、まずはBuduブドゥー。これはいわゆる魚醤の類いですが、濁っています。アンチョビの液状といった感じです。ケラブ(野菜などを和えたサラダ系料理)にも欠かせませんし、これを生野菜と和えながらごはんと一緒に食べる食べ方は、クランタン人にとって基本中の基本のようです。ブドゥーにライムを絞り、チリを刻んだものを加え、ここに焼き魚(アジなど)の身をほぐして加えます。あとはPetai(臭みのある豆)やKacang Botol (四角豆)などの野菜や、さまざまな葉っぱ(ハーブ)に添えて、ごはんと一緒に食べます。これは結構ハマります。ごはんが進んでしょうがないので要注意なのです。ヒメしょうがなどもこのようにして一緒に食べますし、マンゴーの葉も若いものは食べられるのですよ、びっくり。ここまでくると、葉っぱを食べるヤギの気持ち。むむ、これはプーケットで感じたことと同じではないか。タイに近いことを強く感じます。この食べ方ではやはり「手」が基本です。フォークやスプーンで食べる人はいません。私も当然のように特訓を受けました。それから、な、なんと、このタレにドリアンを混ぜる食べ方もあるのです。
しかしもう少し格好のつくもので代表的な料理というと、ナシ・ケラブでしょう。
ケランタン式ビビンパとでもいいましょうか。10種類以上のハーブを細かく叩いて汁を出し、その汁でごはんを炊きます。いんげん、きゅうり、エシャロットなどにライムリーフ、レモングラス、ブンガ・カンタン(ショウガの花)、ラクサリーフ、焼き魚のほぐしたもの、ケルチック(煎ったココナツ)を加え、前述のブドゥーをかけて混ぜ混ぜして食べるのです。なんと香しい、そしてヘルシーなお料理でしょうか。
写真)クランタン・タイ式のナシ・ケラブ
このナシ・ケラブ用ハーブ汁は市場でも出来合いのものを売っているそうですが、もちろん手抜きのものが多く、ハーブの種類も少ないそうです。またナシ・ケラブもいろいろなパターンがあり、このスタイルはタイ式なのだそうで、マレー式は白いごはんだったり、ブンガ・タラン(色付けに使う青い花)で染めた青いごはんだそうです(まいさん、あってる?)。このタイ式に使うハーブの種類は、チャイニーズやタイの人しか知らないらしく、山にいって積んでくるそうです。ざっとナシケラブに使った野草を写真に撮ってみましたが、どのくらいワイルドさが伝わるでしょうか。健康食品として高価なノニの葉っぱも使っています。
今回クランタンでお世話になった人の娘さんの婚約式がクアラルンプールでもある、ということでそちらにもお呼ばれしたのですが、クランタンから、ブドゥーはもちろん、ナシ・ケラブに使う10数種類のハーブをまるまる一籠、クランタン産のお米、フィッシュクラッカーなども全部クランタンから持っていったのです。
クランタンの人たちは地産の食材に大変こだわっていて、実際にクランタン産のものは他のところのものよりも美味しいものが多く(例えば米は違います。土壌が良いのだ、と言ってました。それから干し魚も美味しい)、こういった食材へのこだわりがこの地の食文化をレベルアップしているのだなと思いました。
それはそれでいいんですけど、今回市場で私が何か買おうとすると、すぐさま「それはよくない。私の知っている村で作ってるいるものの方が良い」と買わせてくれない。で、結局思うように買い物出来てないのでした。
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- 無題
美紀さん
ナシ・クラブの花の名前を夫に聞いたところ「ナシ・クラブの花」と言われました(笑)。やっぱり。ハーブとしての正式名称はカチャン・タラン(トゥラン)、英語ではバタフライ・ピーと呼ばれているものだと思います。黄色いナシ・クラブもあるようですが、私はまだ見たことありません。
なお。ご飯が進んでしまう危険なブドゥー。うちではナシ・ゴレンにも使います。ナシ・ゴレン・ブドゥー。なかなかイケますよ。
しかし。クランタン料理は、マレーシアでは継子扱いですね。甘いって馬鹿にされることも多いですよ。美紀さんは食べました?甘いカリーパフ。
ナシ・クラブの花の名前を夫に聞いたところ「ナシ・クラブの花」と言われました(笑)。やっぱり。ハーブとしての正式名称はカチャン・タラン(トゥラン)、英語ではバタフライ・ピーと呼ばれているものだと思います。黄色いナシ・クラブもあるようですが、私はまだ見たことありません。
なお。ご飯が進んでしまう危険なブドゥー。うちではナシ・ゴレンにも使います。ナシ・ゴレン・ブドゥー。なかなかイケますよ。
しかし。クランタン料理は、マレーシアでは継子扱いですね。甘いって馬鹿にされることも多いですよ。美紀さんは食べました?甘いカリーパフ。
- 無題
ブドゥー、まさに「万能調味料」なんですね!臭いもの大好きの私には非常に魅力的です。こういった発酵調味料のある場所は、絶対に料理も美味しい!
しかもポルトガル・スペイン系の激甘濃厚なカスタード菓子があるとは・・・・実に興味をそそられる場所です。
クランタン・タイ式のナシケラブも、写真で見るととても洗練された感じですね。ペナンでいただいたものより、もっとハーブが多いのかな?見た目は雷茶を想像させます。
これにブドゥーをかけて味わうなんて!罪づくりなお料理です。
しかもポルトガル・スペイン系の激甘濃厚なカスタード菓子があるとは・・・・実に興味をそそられる場所です。
クランタン・タイ式のナシケラブも、写真で見るととても洗練された感じですね。ペナンでいただいたものより、もっとハーブが多いのかな?見た目は雷茶を想像させます。
これにブドゥーをかけて味わうなんて!罪づくりなお料理です。
- 無題
まいさん
笑わせてもらいました。こういう場面、こちらにいると、何度でもありますよね。几帳面な日本人は細かいところにこだわり、正式名称とか知りたがる。だけど、こっちの人は「そういえば通じるんだから、それでいいじゃない」という。私なんかは日本の編集者からするどい突っ込みを入れられるので、ちゃんと調べないわけにはいかないんです。でも「それでいいじゃん」がこちらの現実、辛いです〜。
ちえさん
写真のナシケラブは私が盛りつけをしたのさ。普通は細かく刻まれた野菜がテーブルに並ぶだけで、あとは各自が自分の皿に好きなように盛って、まぜまぜして食べるんです。
それからちえさんのお得意分野、スイーツも充実していますので、とっても楽しいところですよ〜。
ココナツの殻を利用した炭火しかダメという、こだわりのカスタード焼き菓子、Akokなんてものもあるんです。ホラホラ、行きたくなってきただろう〜〜〜〜
シンガのSさんやGさんですら、料理通の人は「一度はクランタンに行ってみたい」と言います。
いつかグルメツアーをやりましょうね。
笑わせてもらいました。こういう場面、こちらにいると、何度でもありますよね。几帳面な日本人は細かいところにこだわり、正式名称とか知りたがる。だけど、こっちの人は「そういえば通じるんだから、それでいいじゃない」という。私なんかは日本の編集者からするどい突っ込みを入れられるので、ちゃんと調べないわけにはいかないんです。でも「それでいいじゃん」がこちらの現実、辛いです〜。
ちえさん
写真のナシケラブは私が盛りつけをしたのさ。普通は細かく刻まれた野菜がテーブルに並ぶだけで、あとは各自が自分の皿に好きなように盛って、まぜまぜして食べるんです。
それからちえさんのお得意分野、スイーツも充実していますので、とっても楽しいところですよ〜。
ココナツの殻を利用した炭火しかダメという、こだわりのカスタード焼き菓子、Akokなんてものもあるんです。ホラホラ、行きたくなってきただろう〜〜〜〜
シンガのSさんやGさんですら、料理通の人は「一度はクランタンに行ってみたい」と言います。
いつかグルメツアーをやりましょうね。
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プラナカンを中心に、シンガポール・マレーシアの話題をお届け。食べ物・旅行の話題が中心です。
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Miki & Chie
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シンガポールとペナンに住んで20数年、プラナカン協会会員です。ライター&コーディネート業務に携わっています。ご依頼・お問い合わせは下記ホームページからお願いいたします。
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