「承啓楼」と書かれた城壁のように巨大な門をくぐり抜けると、度肝をぬかれるスケールの木造建築にびっくり仰天!
折り重なる瓦屋根の迫力にも圧倒されました。
百聞は一見にしかず、とはまさにこのこと。
テレビなどでも客家の円楼は見ていましたが、実物は首を真上に上げても到底目の中に入りきれない、カメラなどにも納めきれない広大さです。
今からおよそ300年前に建てられた「承啓楼」は、直径73メートルほど、木造4階建ての巨大な円楼で、かつては釘一本使っていなかったそうです。(今は補強のため釘が打ってあります。)
土楼の土壁を製作中、一度も雨が降らなかったという曰くつきの土楼で、天の助けを受けた土楼として別名「天助楼」とも呼ばれています。雨の多い福建省では奇蹟のようなことです。
入って正面の道をずんずん歩くと、ちょうど円の中心にあたる部分に祖先をまつるお堂があります。それを取り囲むように一階部分には台所や家畜小屋、生活に欠かせない井戸、おトイレなどの小さな小屋が幾重にも円を描いて連なっています。そう、圧倒されたひとつに「おトイレの臭い」もありました。この楼では人々がまだ昔のままの暮らしをし、ほとんどの家は部屋の前にある壷にためておくため、田舎の香水はちょっと強烈でした。
まずは迷路のような一階部分をあちこち探索してみようと歩き回りましたが、不思議なことに何度も同じ場所に出てしまうのです。まるで狐にでもつままれたような感じでした。円楼マジックのなせる技でしょうか。
2階部分は主に納戸になっており、住まいは3階と4階です。
丸い輪を描いて、全部の部屋を見渡たす風景は本当にスゴイ!
居住部分を1周してみようと試みましたが、そこは円楼の防災上の知恵か、所々ブロックされており、一気に回廊を回ることができないようになっていました。又新たに1階まで降り、別の階段を登り直さないと遙か先に見える円楼の住人には会いにいけないようになっているのです。
ちなみに承啓楼に住む人は皆「江さん」といい、全盛期には600人以上の人々が住んでいたそうですが、今はその半分以下だそうです。
とはいえ、おじいちゃんもお婆ちゃんも皆、生き生きとしており、朗らかなとてもよい顔をしていました。
訪問した時はちょうどお昼時だったため、どの家も一階の台所がフル回転。
中をのぞくと可愛らしい食堂で2人の老夫婦がおいしそうな昼食の最中でした。
こんなのどかな風景と笑顔が、旅の最高の思い出となるのです。
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