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マレー半島モンスーン寄稿
私たちが訪れた旧正月前のマラッカ。

普段は重厚なたたずまいのチャイナタウンの家々も
旧正月の装いも整い、いつになく華やいでいました。

そんな中シンガポール同様、真っ赤な飾りがキラキラ輝き、
ヒトキワ活気をおびていたのが正月用のお菓子を売る店。

IMG_6738.jpgいつもの菓子を押し退け、軒先にずらりと並んでいたのは『年糕(ニェンガオ)』
と呼ばれ、「年々、すべてがさらに良くなりますように」の意味が込められた、
ちょっぴり甘くてまあるいお餅です。
お正月には必ず食す、縁起をかつぐ食べ物のひとつ。

プラナカンの間でもこのニェンガオはお正月には欠かせないアイテムで、
「Kueh Bakul」と呼ばれ、親しまれています。
このKueh Bakul、日本のお餅と比べて水々しく、とっても柔らかいのです。

ちなみにBakulというのは、マレー語で「バスケット」の意味で、
この餅の多くがバスケットのような形の容器に入って売られているからでしょうか?
シンガポールや中国、香港のお店や高級レストランなどでは、おめでたい鯉の形や蝙蝠、果ては金塊の形をしたえげつないニェンガオなども売り出しますが、
マラッカのニェンガオはあくまでもまあるく、味で勝負!
といった、堂々とした風情を漂わせています。

Kueh Bakul 独特の赤茶色は、黒砂糖の色かな?と思いましたが、
餅米を水に浸してから、粉状(店によって粗めもあれば、微粒子もあり)にし、普通
の白砂糖を混ぜ、
マラッカでは缶や笹を編んだ器などの型にバナナ・リーフを隙間なく敷き詰め、
餅を流し込み湯煎にかけて蒸すこと24時間ほど。
中身が半分近くなるまで煮詰まったら、こういう色になるそうです。
なるほどキャラメリゼ状態の餅か~。
つくりたてを食べるとちょうど笹餅のようないい香りがしました。

ニェンガオには甘い餅だけではなく、大根餅のような塩味のものもありますが、
Kueh Bakulの食べ方は、四角く切って油をひいたフライパンで焼いたり、
薄く切ってヤム芋にはさみ、衣をつけて天ぷらにして食べてもおいしいそうです。

ババ・ニョニャ・ヘリテージのお爺ちゃんが、お正月ならではのお土産に・・・・
と、
私たちに持たせてくれたKueh Bakul。
シンガポールに持ち帰ってしばらく置いておいたらカビが生えてしまったそうです。
しかしこれもまた縁起もの。
「飾っている間にカビが生えれば生えるほど、福がさらに増えるしるし」だそうです
よ!

ということで、今年もきっといい年になりますね。
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その形が恋文に似ていることから、別名ラブレターとも呼ばれるクエ・ブランダ。
ブランダとはオランダの事を指します。オランダ統治下時代のマラッカに伝わった菓子なのか?いずれにせよヨーロッパの焼き菓子ゴーフルの手法を取り入れて焼いているお菓子です。
私がシンガポールを訪ねると必ず立ち寄る中国菓子の名店『大同餅家』は、明日?7日に元旦を向かえる中国正月用の菓子作りで、親戚を総動員しての大忙しでした。
様々な縁起ものの菓子が入った赤い器が店内を埋め尽くしています。そんな中で、是非お土産に!と職人のアルビン君が持たせてくれたのがこのクエ・ブランダです。

IMG_7041.jpg実は私たち、このお菓子を心から美味しいと思ったことがなく、どこの菓子屋さんに行っても自ら進んで買い求めることは皆無でした。お土産としていただいた時も、内心はそれほど嬉しくはなかったのです。
しかし重たい缶を持ち帰り、一つつまんでみたらびっくり!!『ひゃ〜 これめちゃくちゃ美味しいではないの!』と驚いてしまいました。ちょうどシンガポールのMikiさんからも『ねえ、食べてみた?!美味しくてびっくり!子供たちがウマイ、ウマイと奪い合いよ』というメールが。
早速、夜遅くまで正月の菓子を作り続けている職人のアルビン君に国際電話をし、スゴク美味しかったよ!と興奮しながら御礼をしたところです。

クエ・ブランダは丸くて平たい鉄の型に生地を薄く流し込み、炭火にかざしながら一枚一枚丁寧に焼きあげ、型から取り出したら熱々のうちに手でくるりとロール状に巻きます。それを延々2000箱分、クエの数にして数十万個。全てを昔ながらの手作業で作りあげるという、気の遠くなるような作業を家族経営の小さな店が今でも真面目に守り続けているという事実に、私たちは深く胸を打たれました。コンガリとした焼き色といい、つまんだだけでほどけそうな薄さ、甘い香りとともに口に含むと生地の美味しさが内からジワリとにじみ出る奥ゆかしい味わいに感激したのです。

この菓子は本来中国正月の前に、お婆ちゃんが子供たちを集め、炭火を囲みながら焼きあげたそばから子供たちがくるくると丸め続ける、和やかな家族団らんの中で作る菓子だったそうです。

今はもう見れなくなってしまった光景ですが、大同のクエ・ブランダは今でも同じ心と手法で作られています。

ということで2000個の缶は残りあと数個だそうですよ。シンガポールにお住まいの方は是非☆

大同餅家
35 MOSQUE ST.
電話65-6223-2905
(営業は明日まで2週間休)
シンガポールやマレーシアのお菓子屋さんを覘くと、いたるところで目にするお菓子が、このアン・クー・クエ(Ang Koo Kueh、もしくはAng Ku Kuihなどと表記してある)真っ赤な餅菓子ではないでしょうか。福建省近辺や台湾でも見かけるお菓子ですね。
angkookueh.jpg















ちなみに、福建語でアンとは紅色のこと、クーとは亀をさします。クエはお菓子(漢字で「粿」と書く)。その名の通り、亀の甲羅をかたどった「長寿と繁栄」を意味する真っ赤なお菓子で、 菓子の型抜きには亀の形をし、真ん中に「寿」の文字が刻まれたものを使用します。
赤ちゃんの満1ヶ月のお祝いに親戚や友人たちに配るお菓子として有名で(このお祝い時には赤く染められたゆで卵も一緒に配ります)、これをもらった人たちは当然お祝い金を入れたアンパオ(赤い色をした日本で言うお年玉袋)を渡すのが礼儀です。ですが、こういったお祝い事だけでなく、日常でも大変人気のあるお菓子で、街中では年中売られています。

実は、1ヶ月のお祝いに食べる「アン・イン(福建語で紅圓)」という、アン・クー・クエの兄弟分もおります。
こちらは平べったい甲羅型をしたアン・クーに比べ、つるりとしたゆで卵を半分に切ったような、こんもりと盛り上がった真っ赤なお菓子なのですが、アン・インをかつて取材した時、作られている場所がシンガポールではわずかに、「陳福成餅家(Tan Hock Seng Bakery)」という、チャイナタウンのFar East Square内にあるお菓子屋さん1軒のみでした。今はあるかどうか・・・・
赤い卵を配るのは、このアン・インの代わりなのかもしれませんね。形は似ています、そういえば。

アンクークエの真っ赤な皮は、もち米の粉に、なんとマッシュしたスイート・ポテトが練りこんであります。ですから時間が経っても硬くならず、ふんわりとした柔らかさを保っているのです。
これはニョニャ菓子の名物、オンデ・オンデの皮の製法と同じです。
中はさっぱりとした緑豆の餡で、かすかにココナッツの香りがします。
見た目はどぎつい色ではありますが、日本人の口に合うお菓子です。
日持ちはまったくしませんので、買ったらその日のうちに食べてください。

私たちが初めて料理研究家のTan Gek Suanさんのお宅を訪ねた時、手作りのアン・クー・クエと
カラフルなニョニャ菓子の数々、そして作りたてのラクサ・ヌードルで出迎えてくださいました。
感激とおいしさのあまり、レシピも聞かずに全部お腹に入れて帰宅したことを覚えています。

いずれにせよ、信心深く、節目ごとの行事や、中国本土でも忘れ去られたしきたりを重んずるプラナカンたちにとっても、特別なお菓子のひとつといえましょう。普通どこでも中国系の店で売られているものですが、やはりおいしいのはニョニャのレシピで作ったものです。マラッカのチャーリー・リー、シンガポールではトムソン・ロードにその名もアンクークエという有名店があり、どちらもニョニャ・レシピです。
Onde_Onde_01a.jpgマラッカにはプラナカンの間で有名なニョニャ菓子の工房があります。海岸沿いの何も変哲のない一般民家がそれで、初めて行ったときには大探ししたものです。

そこで食べたオンデオンデのおいしさといったら、目からうろこ、でした。
オンデオンデとは、餅のような皮の中にパームシュガーのシロップが包まれたもので、皮にはココナッツがまぶしてあります。今までシンガポールで食べてきたものは、ぼてっとした白玉団子のようなシロモノばかりでした。ひどい店(有名な高級ニョニャ料理店)では、黒蜜なしのものを平気で出し、こちらが日本人だと思って「本物のニョニャのオンデオンデはそういうもの」と開き直られたこともあります。ペナンでもいろいろ食べましたが、皮の出来はなかなかグッドなのですが、中のパームシュガーが固形のまま残っており、舌触りが悪いのです。そんな中、マラッカのこの店のものはもちっとしつつも弾力のある、薄手の皮の中に包まれたパームシュガーの黒蜜がとろ~り、とにかく抜群の美味しさなのです。
Kuehbelanda.jpg パイナップル・タルト、クエ・バンキッと続いたら、ラブレターこと、クエ・ブランダ「Kueh Belanda」を登場させなくては、中華正月必須の3点セットがそろいません。

 日持ちのするこれらの焼き菓子は、約15日間続く中華正月の間、誰の家を訪ねても必ずと言ってよいほど山のように盛られています。来客だらけで間に合わない家は、缶のままドカン、とテーブルの上に置いてあるのも当たり前。

 ところで、クエ・ブランダの「ブランダ」とは、マレー語でオランダのことです。その名のとおり、17世紀の初頭にオランダ人がマラッカにもたらした菓子と言われていますが、香港などにも「エッグ・ロール」なる同じような菓子があり、こちらはポルトガル人がマカオにもたらした・・・などと言われていますので、どちらが先かは分かりませんね。ただ渡来菓子であることは確かです。

KuehBangkit.jpgパイナップル・タルトに続き、中華正月に欠かせない菓子の中に、私たちの大好物「クエ・バンキッ(Kueh Bankit)」という卵ボーロによく似たお菓子があります。

中国名で萬吉とも呼ばれる一口サイズのこのお菓子、口の中に入れるとココナッツの風味を残しながらすぅーっと溶けていきます。その形がさまざまで実に愛らしいのです。 ペナンにある老舗ニョニャ料理店「Dragon King」では、毎年中華正月前になると干支の形やプラナカン好みの花や蝶々などに焼かれた小さな萬吉のひとつひとつに赤目が入れられ、お目出度さを演出しています。

この菓子は特にペナンで作られているものがおいしいのです。それはなぜかというと、口の中でほろりとほどける独特のテクスチャーはペナン名産の「葛粉」を炒って使用しているからです。ほかではサゴ粉などを使うところも多いようですが、手間がかかることから正月菓子の中では断トツの高値をつけているのも、この萬吉です。萬吉専用の「菓子型」もペナンに行くと可愛いものが沢山あります。是非見かけたら食べてみてください。

シンガポールではパイナップル・タルト同様、「大同餅家」がお正月の前にだけほんの少し焼くレアものの萬吉も、これまたすこぶる美味ですよ。

892ca6c9.jpeg今年のチャイニーズ・ニューイヤーは2月18日から始まります。

チャイニーズ・ニューイヤーといえば、パイナップル・タルト、クエ・バンキッ、ラブ・レターなどのニョニャ菓子の数々。 今どき、普通は市販されているものを買います。スーパーなどへ行けば、山のようにありますが、まあおいしいものはありませんね。レストランなどでもオリジナルのを作って売っていますが、やはり手作りに勝るものはありません。

昔、パイナップル・タルトの名手なる親戚の親戚からもらって、手作りのものはこうも違うかと驚いたものです。とくに、パイナップルのジャムの味が違います。 パイナップルはマレーシア産のすっぱくて硬いものを使うとジャムにしたときに酸味があっておいしいものができます。ニョニャ風にこだわるならば、ジャムにはシナモンとクローブを加えて多少スパイシーにすることが大事です。

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