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マレー半島モンスーン寄稿
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次はメインとなるお料理を紹介したいと思います。
この日はナシルマ・スタイルで、ご飯を中心におかずを幾つか教えて頂きました。


ナシルマ・・・・・というと、なんとなくバナナの葉っぱにくるまれて売られている屋台の安い朝ごはん、、、というイメージがあったのですが、そこはスルタン!「ロイヤル・ナシルマ」の登場です。


まずナシ(ご飯)を炊きます。使用するお米は「極上のバスマチ・ライス」のみ。これが鉄則だそうです。レモングラスやオニオンやガーリックにパンダン・リーフ、スパイスにはフェヌクリークを加えていました。これを100%フレッシュなココナッツ・ミルクで炊くのです。合わせるおかずはチキン・ルンダン(鶏のココナッツ炒め煮)と魚のターメリック煮込み、茹で卵と春雨のサンバル煮込みの3種類。大きな鉄の中華鍋をフル回転し、見るも鮮やかな手際で仕上げてゆきます。


チキン・ルンダンはマリネした鶏をまず唐揚げにし、一度取り出します。その後コリアンダーやフェネルシードといったスパイスに、ブルージンジャーやレモングラスなどのハーブのペーストにチリを加えたものを油で炒め、香りをずんずん油の中に封じ込めていきます。なんとなくインド料理の作り方に似ていますね。そこに先ほどの鶏を投入。


最初はこんな色をしていますが、これに刻んで炒った生のココナッツを加え、さらに炒め煮をするとだんだん深いチョコレート色になっていきます。

鶏肉以外にビーフを使ったルンダンも有名ですが、昔は牛肉と言ってもバッファローのお肉で作ることが多かったそうで、あのカチカチ・ぱさぱさのお肉にしっかり油をまとわせることにより、柔らかく炊こうとしたのだそうです。今でもマレーシアやシンガポール、インドネシアなどで味わうビーフ・ルンダンはお肉がゴムのように硬い佃煮のようなものが多いですよね。


魚料理はイトヨリ鯛に似たものと太刀魚をターメリックと塩でマリネし、素揚げをしたら


ココナッツ・ミルクや砂糖、タマリンドなどを入れて煮込み、最後にターメリックの葉っぱを入れたら鮮やかな黄色いカリーの出来上がりです。


ゆで卵と春雨のチリ煮込みも、ブラチャンやチリをきかせたスパイスMIXにココナッツ・ミルクをたっぷり入れ煮込みます。
卵はゆで卵でなくても、ポーチド・エッグやフライド・エッグでも良いそうです。


出来上がりをナシルマ風に盛り付けると、こんな感じになりました。


自家製のサンバルを添えて美しいお皿に盛りつけるとお料理が映えますね。ナシルマは朝ごはんとピクニックに行く時にだけ食べるそうで、スルタンのピクニックにはこのナシルマをティフィンに入れて運んだそうです。優雅な光景が思い浮かびます~。

さて、そのお味は・・・・・・まずご飯から。
あれだけココナッツ・ミルクをふんだんに使用したにも関わらず、実にさっぱりしているのにはビックリしました。
レモングラスやオニオンがほんのり香る極上のブリヤニ・ライスと化しています。

そしてチキン・ルンダンの素晴らしいこと☆☆あらかじめ鶏を唐揚げにしてあるのでとってもジューシー!それにからむココナッツのグレイビーは辛さも甘さも塩味も全てがまろやかに調和したパーフェクトな味!これをフランス料理ですよ~といっても過言ではない洗練された深い味わいに、平岡シェフも言葉を失うほどでした。


魚のターメリック煮込みもルンダンに負けないしっかりした味つけで、甲乙つけがたい美味しさです。普通、クリーム色をしたカリーはぼんやりとした味になってしまうことが多いのですが(きっとココナッツ・ミルクに負けてしまうのでしょうか?)これはターメリックのほろ苦さやココナッツ・ミルクの上品な甘さと風味が失われることなく絶妙な加減で煮込まれており、煮込み料理におけるスパイスの引き出し方に深く感銘を受けました。

「丁寧に作り込まれたマレー料理はフレンチに負けない味わいになる」 と、常日頃から平岡シェフと話していたのですが、今回この2つのお料理で確信できた気がいたします。

スパイスとココナッツの凝縮した濃厚な味を楽しむチキン、風味豊かで爽やかな魚のカリー、やさしい辛味の卵煮込みといった五味五色、それぞれがひとつのお皿の上で美しく映え、バランス良く楽しむことができた「ロイヤル・ナシルマ」。

極端な辛さ、甘さ、塩気というのは陰をひそめ、どれもが洗練されたまろやかなコクを醸し出しているのは世界の宮廷料理に共通することかもしれませんが、今回味わったスルタンのお料理は「インターナショナル・キュイジーヌ」としても世界に充分通用する洗練を極めた奥の深いマレー料理でした。  

次はいよいよデザートの登場です☆(つづく)
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