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マレー半島モンスーン寄稿
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プラナカン博物館よりオープニング記念の切手をいただきました。
素敵ですよね?プラナカンのビーズ刺繍のパースです。
これは、世界初のBeaded Stampなのだそうです。
ビーズっぽくブツブツになっています。
stamp2.jpg
















値段とか、どこで販売されるのかまだ未確認ですが、
おそらくミュージアムショップでは?

詳しくは博物館にお問い合わせください。

博物館の詳細をお知らせするのを忘れていました。

プラナカン博物館
Peranakan Museum

(2008年4月26日オープン)

39 Armenian St.
Tel: (65) 6332-7591

開館:月曜13:00〜19:00、火曜〜日曜9:30〜19:00(金曜は〜21:00)
入場料: 大人S$6、学生・シニア(60歳以上)$3
ガイドツアー: 英語) 金曜11:00am(5月くらいから開始)
  土&日曜11:00am, 14:00, 15:00(4月26日から開始) 
日本語)火曜と金曜10:30am (6月中旬頃開始)
※アジア文明博物館とのジョイントチケットもあります。
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シンガポールのArmenian Streetにプラナカン博物館がオープンします。

昨日はその記者会見と館内の案内に招待されて行って参りました。

この博物館はもともとタオナン学校という、シンガポールで初めて中国語で授業をしたという歴史のある学校で、もちろんこの学校創立に出資したのはプラナカンです。
ごらんください。素晴らしい建物でしょう?
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もともとシンガポールの国立博物館はプラナカン・コレクションの部門が充実していました。
以前は歴史博物館にプラナカンの家のセッティングがあり、アジア文明博物館に財宝などのコレクションが展示されていましたが、これが統合されて一つのプラナカン博物館としてオープンするのです。今回所蔵品も増え、マレーシアを含め、世界最大規模のプラナカン博物館になります。

また、これはシンガポールのプラナカンだけではなく、このマレー半島という現代の国境では区切れない地域に分布するプラナカンの文化を広く紹介する博物館であるのも特徴です。

展示はオリジン、結婚式、ニョニャ、宗教、社会活動、食事などとテーマ別で紹介していきます。

235cb3f3jpegIMG_7065.jpg
















見どころは何と言っても婚礼用ベッドではないでしょうか。その他に優れたコレクションというと、特に私が関心したのは、ニョニャウエア(プラナカン陶器)のコレクションのすばらしさです。これほど色鮮やかで個性的で見事なカムチェン(プラナカンが用いた壷)のコレクションは今まで見たことがありません。また、トク・パンジャン(Long Table)に並ぶ見事なディナーセット。陶器のアンティークは普通はセットではなく、バラバラになったものを所蔵している人が多いですが、もともとニョニャウエアというものはディナーセット一式で揃えられたものが多いのです。これがずらりと並ぶ様は圧巻です。ただ私好みのデザインでなかったのですが。

記者会見の方は、館長と学芸員の方(プラナカンの方)ら3名が執り行い、シンガポールの雑誌、新聞、テレビ局の取材班が集まっていましたが、殆どの人がプラナカンについての知識がほとんどありません。シンガポール人なのに。「プラナカン人は今何人いるのか?」という呆れた質問(プラナカンは人種ではないのに)も出れば、飛び交う質問の大半は「所蔵品のバリューは総額でいくらか?」「所蔵品購入にいくらかかったか?」という質問ばかり。館長は苦笑いを浮かべながら、我々は売買をしているのではないからバリューは知らない、と答えると「でも保険はかけているだろう?補償額は?」とまだまだ突っ込んでくる。
ああ〜、嫌ですね。「シンガポール人は何でも金」といって皮肉るマレーシア人と同じ気持ちになりました。
ちなみに2年くらい前だったか、プラナカン協会の重鎮、Peter Wee氏の講演会では、高尚なお話のすぐあとに「おすすめレストランはどこですか?」という質問が出てびっくりしましたが。

ま、とにもかくにもオープン間近です。

オープニングイベントのスケジュールもいただきました。
今月26日〜27日(土、日)はプラナカン協会のプログラムがいっぱいです。きらびやかなサロンクバヤ姿の女性陣、子供たちのダンス、ファションショー、トーク、クッキング・デモンストレーション、そして食べ物とクラフトのバザーが催されます。

ルマ・ビビのファッションショーは以前にも見たことがありますが、日本でもイヴニング用にぴったりなモダンなデザインもあり、結構見応えありますよ。
ルマ・ビビは日曜日の午後12:50から。あと個人的にちょっと興味あるネルソン・リー氏のファッション・ショー。アンティークのクバヤでファッションショーでもするつもりなのでしょうか??これは土曜日の2:45pmから。あとはチェンドルを作る料理デモンストレーションが土曜日午後4時です。
前々から仕事柄、シンガポールでもあちこち食べ歩いているので(自腹だけでなく、メディアランチなどの招待の場合も多いです)、シンガポール人からも「どこかおいしいところない?」とよく聞かれてきましたが、最近はニョニャ料理のお店のおすすめは?と聞かれることが多くなりました。

はじめてニョニャ料理を食べた頃は結構気に入った店もあったのです。でも次第に「自分で作った方がまし」と思う店が多くなりました。私たちが本当においしいと感激した名店、カサ・ボン・ヴェントは女主人が他界されてしまってついには閉店してしまいました。あの素晴らしい料理が食べられないのは本当に残念です。

とくに最近は超うるさいプラナカンの友人たちと食べ歩きをする機会が増え、これが皆そろいも揃って料理の名人ばかりなので、まず「おいしい」という言葉を彼らの口から聞いたことがありません。
とにかく皆厳しすぎるのです。友人も「Maybe I am too proud 」というのですが、でも私もシンガポールで日本料理に満足したためしがないので、それと同じことなんだろうと思います。彼らにおいしいところは?と聞くと、「Come to my House!」と笑います。

でもニョニャ料理をまだ未経験の方たちに「いいお店は?」と聞かれ、困ることが増えたので、ちょっとシンガポールのニョニャ料理レストランのリストだけ作ることにしました。

はっきりとお断りしておきますが、決して「私たちのおすすめレストランのリスト」ではありません。ニョニャ料理レストラン一覧とコメントを添えます。
しかし、ネットでも酷評の嵐で私たちも憤慨した悪質店はあらかじめ省いておきます。(このリストにない店すべてが悪質という意味ではありません、とある一軒のことです)


Blue Ginger
97 Tanjong Pagar Rd
ガイドブックでおなじみの店。市内中心部にあり、インテリアが洒落ているので、日本からのお客様をお連れするには喜ばれるかも。


House of Peranakan Cuisine
10 Claymore Rd, GF Negara on Claymore (hotel)
オーナーがちょっと気難しいとマスコミ関係者に有名なお店(つまり取材拒否)。でもプラナカン協会会長のお気に入り。彼いわく鴨料理がいいそう。リッチそうなプラナカン・ファミリーがお客さんに多かったです。入り口の不気味なマネキンはやめてほしい。


PeraMakan
10 Bukit Chermin Rd, 3F Keppel Club
今のところ、私たちにとってのベスト。濃厚なアヤムブアクルアが美味しい。温厚なクリスチャンのオーナー。ただ移転してから味が変わったという声もあり、それがちょっと心配。


Guan Hoe Soon
214 Joo Chiat Rd
プラナカンの家でコックをしていた海南人ファミリーの老舗。去年食べにいったときは結構良かったんですが、1月に食べた時点では、私たちの間でちょっと酷評がでました。


Chilli Padi
11 Joo Chiat Place #01-03
ここもガイドブックでおなじみの店。まあニョニャ料理入門にはいいかも。ニョニャ風ロール・キャベツはなかなか美味しかったです。ここはおじいさんの代が良かった。


Charlie’s
205 East Coast Rd
小さな食堂風のお店。ここは意見が分かれるところで、薦める人もいるのですが、酷評する人もいます。頼む料理によってばらつきがあるのかも。


Simply Peranakan
8 Raffles Ave, #02-12 Esplanade Mall
ニョニャ料理ではなく、一般的なシンガポール式中国料理店だと思えば納得できるお店。ニョニャ料理ではなく、シリアルプローンなどの料理は結構いい(エビにシリアルをまぶして揚げたシンガポール式海鮮料理のひとつ)。


Ivin’s
19 Binjay Park
カジュアルなニョニャ料理のファミレスといったところ。味もそこそこよく、価格の安さのが人気。入門にはいいかも。でもちょっとニョニャ料理っぽくないメニューも多いように思います。


Baba King Nyonya Deli & Restaurant
1 Expo Drive, #01-31 Singapore Expo
エキスポに出来た新しいお店。評判はよく、たしかに料理の味は良い方。本当のニョニャ式オタが食べられるのは、シンガポールでおそらくここだけ?ペナンのニョニャ料理もある。ただし、量が少ないのに、ちょっとお値段高め。予算は1人30ドルほど。


Pow Sing Restaurant
65 Serangoon Garden Way
ここは海南式チキンライスの有名なレストラン。いつも繁盛していて、チキンライスはおいしい。で、ニョニャ料理もメニューにある。でもニョニャ料理よりも酢豚とか野菜炒めの方がずっとおいしい。


Nyonya Bistro
33 Kampong Bahru Rd
ニョニャ式粽をカリカリになるまで揚げた名物がある。これとニョニャクエ(菓子)はおすすめ。しかし、一品料理はちょっと・・・。「このXXXXXX(料理名)、ありえる?」という私の一言にプラナカンの一同が凍りついた。

Peranakan Inn & Lounge
210 East Coast Rd
大昔行ったきり記憶がない。もう一人ニョニャ料理好きの日本人の友人も、「記憶にない」という。まずい場合は執念深く覚えている人なので、記憶にないということは、可も不可も無いのだと思います。


(番外編)
Penang Place
6 International Business Park, #01-05 Atrium
すごい僻地、なのにいつも満席状態。ペナン料理ブッフェの人気店。もちろんペナン式ニョニャ料理もずらり、おいしいアサムラクサやペナン式オタが味わえる。一番人気はペナン式チャークエイティアオ、出るとすぐに売り切れる(すぐに補充します)。濃厚なホッケンミー(ペナン式プローンミー)、ニョニャクエ、シンガポールではもっとも本格的なペナンの味が楽しめます。お客さんにはサロンクバヤ姿のプラナカン・ファミリーもよく見かけますよ。オーナーはもちろんプラナカン。


今のところ以上です。
キッチンスタッフが変わったりして味に変化が出るところもあると思います。
商売でレストランを経営するということは、どうしてもそういうことがあるでしょう。

皆さんのお勧め店がありましたら、教えてください。
前にもお伝えしたことがありますが、プラナカン博物館の他に、一応今年の8月ごろにババハウスというのがオープンすることになっています。

この話が決まってからすぐの頃、約3年前ですか、修復工事が始まる前のお屋敷に見学に連れていってもらったことがあるのです。

私は霊感というものはないのですが、しきりに「いるよ、いる」と言うヤツが約1名。蝙蝠が住みついた屋敷内は薄暗く、シロアリで老朽化した床が抜けやすいから注意して、といわれて恐る恐る中を見学。
なんだか私も気のせいか、肩の辺りがずっしりと重く感じられ、どっと疲れてその場を去ったのを覚えています。

で、「ここは出る」という話が私たちだけでなく、プラナカンの一部でちょっと噂になったりして。オープンがこれほどまでに遅れているのはそのせいかもね、とかいう声もあり・・・。
でも、この間行った感じでは、もう大分中はきれいになっており、そんな雰囲気はなくなっていましたけどね。

ま、それはよしとして、プラナカンのとあるお年寄りの方とその話をしていたとき、とても興味深い話を聞きました。私としては、霊感ゼロなので幽霊についてはいまだ半信半疑なのですが、

その方が言うには、一時自分が住んでいた家がそうだった、と。それで毎晩悩まされていたそうで、悪意に満ちた幽霊の恐ろしい顔までをも見たらしいのですが、ある晩「自分はもう財産もなくて、他に行くところがない。こんなに惨めな境遇なんです。これまでも自分はさんざん辛い目にあってきた、お願いだから、私を可哀相だと思ってここに住まわせておくれ。」と涙ながらにお願いしたというのです。そうしたらその日から幽霊は敵意を無くし、平和に暮らせるようになったのだとか。
で、そんなある朝、目を覚まして家の外に出たら、玄関先に自分の所有物がいくつかまとめて置いてあるのだそうです。絶対にそんなところにあるはずもないものが。何だろうと思って、家の中を調べてみたら、・・・・・・あきらかに泥棒が入った形跡があるのだそうです。

想像がつきましたか?
幽霊は深夜に入った泥棒を脅して自分を守ってくれた、泥棒は恐ろしくて荷物を置いて逃げてったのだ、というのです。

その方は最後に、「幽霊とは仲良く共存すればいいのよ」とおっしゃいました。
なんだかほのぼのとするお話ではないですか。

さて、シンガポールも小さい国ながらにいろいろと心霊スポットと言われる場所があります。
有名なのは旧チャンギ・バラックや旧チャンギ・ホスピタル、旧フォード社自動車工場跡、セント・ジョーンズ島あたりでしょうか。

中でもよくあるのが日本軍による侵略に関係した話で、ここに憲兵隊の本部があったとか、
ここでたくさんの人が拷問されて殺されたとか、とくに軍の施設内でそんな話がよくあるそうです。

知人が以前住んでいたところもそうで、以前はその方も大変羽振りがよく、とある場所にとても広い屋敷を建てたらしいのですが、移り住んでたった2年の間にこの家で身内から3人も死人が出て、会社経営も傾いてしまったそう。で、結局この家を出たのだそうですが、今でもこの家は残っていて、後に入居した人たち、やはり会社経営者などや白人ファミリーだったそうですが、会社が倒産したりして逃げるように出た、と。

で、しかも、ここの家だけでなく、その辺一帯の家(小高い丘になっていてすぐ裏はジャングル)は皆どこも同じような目にあっているのだとか。
皆が口々に言うのは、この丘で日本軍による虐殺があった、ということ。

やはり悲惨な死に方をした霊との共存は、いくらなんでも無理ですね・・・。

世界の心霊スポット研究家には、シンガポールはアジア有数の心霊スポット・シティと言う人もいるのだそうです。こちらで観光ガイドをしている方から聞いたのですが、とある有名ショッピングセンターはもともと墓地だったところで、霊にたたられないように、とあるものをお墓の形にデザインして造り、さらにロウソクがわりに見立てたとあるものを並べて建ててあるのだそうです。あまり言うとわかっちゃうので・・・

シンガポールのいろんな建物は風水はもちろん、そうした除霊や悪い気から守る役割を果たすようデザインされているのだそうです。
シンガポールの国立の博物館には国立シンガポール博物館(旧歴史博物館)、シンガポール美術館、アジア文明博物館があり、それぞれに日本語ボランティア・ガイドのツアーがあります。国立博物館の傘下にフレンズ・オブ・ミュージアムズという組織があるそうで、そこに所属して日本語ガイドをしている方々の代表の方から要請をいただきまして、4月3日の例会の際に特別講演会をいたしました。

なぜこの時期にか、というと、今月4月26日にプラナカン博物館がオープンするのです。
これはもともとアジア文明博物館の1号館のあったところで、1906年に建てられた旧タオナン学校だったところです。以前もプラナカンを中心とした中国文明に焦点を充てた展示でしたが、3年ほど(?)の改装を経てこの度プラナカン博物館として再オープンします。

で、当然プラナカン博物館にも日本語ガイドの案内が用意されることになっており、今急ピッチでボランティア・グループの方たちがオープニングの準備を進められております。

もともとこのグループのメンバーには前々からプラナカンに興味を持たれ独自に研究をされてこられた方が何人かいらっしゃいます。中には私よりもずーっと長くシンガポールにお住まいの方もいらっしゃり、長年プラナカンの研究をされております。
メンバーは日本人駐在員の奥様、シンガポール人と結婚されている日本人女性などで、多いときには70〜80名近くいらっしゃるとか。今さまざまな年代の方たちが結婚式、お葬式などとテーマを決めてグループ別に研究されているそうです。皆さんとても真剣で、「プラナカンは結婚指輪はどの指にするのですか?」などと細かい質問まで飛び出してくるほどです。

今回レクチャーをしていただきたい、との要請でしたが、改めて結婚式とはこういうもの、などという具体的なテーマのお話よりも、是非おさえておいていただきたい基本中の基本、プラナカンとは誰か?というテーマで、約1時間お話をさせていただきました。

プラナカンの語源、ババやニョニャの語源、マレー半島への中国系移民の歴史、彼らのアイデンティティー(他の中国系移民との違いは何か?)、そして最後にシンガポール在住者にはなじみの少ないペナンのババについての話など、なかなかわかりにくいプラナカンがどんな人たちだったのかを誤解のないように整理してお話させていただいたつもりです。

最後には豪華な花束までいただいて記念撮影やサイン会にまでなってしまい、非常にこっぱずかしかったですが、講演会のあともたくさんのメンバーの方たちとお話ができてとても楽しかったです。今までプラナカンについて個人で研究してきましたが、本を書こうと思い立ってからは本だけの研究ではなく現地取材やインタビューが多くなったものの、何一つ後ろ盾のない個人の力でプラナカンの面々に顔つなぎをしたり、取材をお願いしたりするのは、それはそれは大変なことだらけでした。そんな苦労もあったので、同じことに興味を持って勉強されている仲間が出来たと思うと、大変心強く、嬉しく感じました。きっと私が見落としていたことも研究してくださるのでは、とも思います。

以前より国立博物館はプラナカンの財宝を数多く所蔵しており、どれも目を見張る素晴らしさです。豪華なプラナカンの結婚式から素晴らしいコレクションの展示、きっとシンガポール観光としても、最も価値のある見どころの一つになるでしょう。しかも具体的なお話を日本語で説明してもらいながらの博物館見学ならば充実度も増すはず。

今から私もプラナカン博物館のオープンが楽しみです。
オープニングを記念して、26日からの5月10日までの週末土曜日と日曜日にあたる4日間、午前11時から午後6時まで、フェスティバルが催されます(入場無料と聞いています)。
踊り、音楽、ファッションショー、料理やクラフトのデモンストレーションが予定されており、食べ物やクラフトを売るお店も出ます。この時期シンガポールに旅行される方は是非アルメニアン・ストリートのプラナカン博物館にお立ち寄りください。(ただし、日本語ガイドツアーの開始は一ヶ月後くらい?遅くなるそうです)

また、博物館内の、バンヤン・ツリーがプロデュースしているミュージアム・ショップで私たちの本が販売されることになりました。そちらの方も是非よろしくお願い申し上げます。

最後に、ボランティアガイドの皆様のご活躍を心からお祈り申し上げます。

Peranakan Museum
39 Armenian Street Singapore 179941
Tel: (65) 6332 2982
満開だった東京の桜もあっという間に花びらが舞い溢れています。桜は散り際が一番美しいですね。

さて、2人とも忙しかった3月ですが、日本マレーシア協会の方からご案内をいただき、マレーシアの民族舞踊を見てきました。
この踊りは「世界舞踊祭2008」という2日間に亘る催しの中で披露されたもので、舞踊祭のパンフレットを読むと、もともと長野オリンピックの芸術文化祭プログラムから始まり、第10回までに100か国以上のダンス上演をめざすとともに、日本の優れた舞踊も上演し国際交流を広める、と書いてありました。今回はその第7回目にあたります。

私が見に行った日はマレーシア舞踊以外にルーマニアやサモア、ロシアのバレエを日本に広めた著名な舞踊家オリガ・サファイア女史が振り付けたバレエや、珍しい白拍子の舞などが催され、民族舞踊愛好家で会場は大賑わいでした。
楽しみにしていたマレーシアの舞踊を披露したのは2000年に日本初のマレーシア民族舞踊団として設立された『ムカール・ブダヤ』舞踊団。この日の演目はマレー半島北部クランタン州に伝わる『ガロン』という優美な王宮舞踊、プラナカンが愛好した『ドンダン・サヤン』、ボルネオ島のオランウル族のプリミティブな踊りに、『ピリン』というお皿の踊り。マレー半島東海岸の『ディキール・プトゥリ』という賑やかで愛らしい踊りの5演目。

DH000020.JPGお目当てのドンダン・サヤンは、本来は男女などペアが掛け合いで歌い合うマレーの歌で、一定のメロディーにあわせ、歌い手らが即興で歌詞を作ってやりとりするもの(テーマは主に恋愛ですが、日常のことさまざままなことを歌うそうです)。もともとマレーの芸能でしたが、昔からことにプラナカンが愛好してきたエンターテイメントのひとつ。今回はそのドンダン・サヤンの曲に踊りを振り付けてのお披露目でした。
© 世界舞踊祭

華やかなサロン・クバヤを身に纏い、鮮やかなスカーフを自在に操りながらの踊りは実にのびやか。大きな動きはなく、リズムに乗っての前後左右の軽やかな足さばきは、「とある昼下がり、プラナカン・マダムたちのお楽しみの時間」 を思わせる、上品で優雅な雰囲気を漂わせていました。しかも皆さん綺麗な人たちばかり!

五つの演目を見て痛感したのは、マレー半島とは一言では言い尽くせないバラエティー豊かな民族性。
衣装ひとつ取っても全然違う国かと思うほどガラリと変わるのです。それにボルネオ島のダイナミックな踊りも加わるのですから、改めてマレーシアってデッカイんだなぁ~、そしてまだまだ知られていないユニークな文化を持つ場所が沢山あるんだ!ということを知った素敵なひとときでした。

ちなみに「ムカール・ブダヤ」でマレーシア舞踊を体験してみたい方は下記までお問い合わせ下さい。
気軽に体験練習もできるそうですよ!  
日本マレーシア協会 03-3263-0048まで。
いつもマレーシアのニュースを転送してくれるペナンの友人から最新メールが来ました。

それによりますと(出典:The Star誌)、私たちがずっと推しているマラッカとペナンのジョージタウンがユネスコの世界遺産に指定される可能性が高い、とのこと。

来たる7月にカナダのケベックで決着がつくらしいのですが、スター誌には、マラッカ市政府の関係筋から「世界遺産になるための基準はクリアした。うまくいく可能性は高い」というコメントがでています。
もしその通りになれば、マラッカとペナンのジョージタウンはマレーシアにおいて3番目のユネスコ世界遺産サイトになるのです。(キナバル自然公園、グヌン・ムル国立公園に続き)

今でもペナンやマラッカに初めて行ったときの感動を覚えています。
1980年代に訪れた上海以来の興奮でした。保存状態がとても悪いにせよ、古い街並がずらりと続くジョージタウン、興奮して友人たちに長〜いメールを送ったほどです。そう、私は古い街が大好きなのです。しかも、化石のようなのが。発掘し甲斐がありますからね。

多くの人にとって「寂れた子汚い街」という印象しかなかったペナンのジョージタウン、今やたくさんのロングスティの日本人がペナンに住んでいますが、彼らの多くは古いジョージタウンに見向きもしません。多くの人がプラナカンのことすら知りません。
でも世界遺産になったら、態度がころっと変わる人もでてくるんでしょうね・・・。

またマラッカも観光名所のオランダ広場に行っておしまい、の初回には「なんてつまらないところだろう」とがっかりしたものの、初めてプラナカンの街としてチャイナタウンに訪れたとき、ヒーレンストリートに入ったときの、背筋にぞくっときたあの感覚、これも鮮明に覚えています。

今はもう何度も訪れているので、あのときのような新鮮味はなくなっているのですが、
この2つの街はやはりお気に入りの街です。また、私としてはペラック州のイポーも世界遺産都市に推薦したいところです。

実は先月のタイ旅行の帰りにもペナンによったのですが、そのときにエーデルワイス・カフェのママさんに「最近この辺のショップハウスの値段が上がっているのよ」という話を聞きました。ペナンは今不動産高騰が続いているのですが、そのあおりを受けてかとも思いましたが、ロングスティの欧米人たちは高級コンドミニアムよりも、こういった古い家の方が興味がある人が多く、エーデルワイスのように改装して住む人が増えているのだとか。初めて行った頃は30万リンギットだったものが(シンガポールのショップハウスの値段は通常これの5倍以上なので、ここなら買える、とにんまりした私)、一昨年の取材時には50万リンギットになり、今や70万リンギットにまで跳ね上がっているそうです。これで世界遺産になったらとんでもない値段になるかもしれませんね。あ〜いやだいやだ。

ただ、よく疑問に思うのですが、ヨーロッパやメキシコなどで世界遺産に指定されている街なんかも訪れているのですが(メキシコのグアナファトとかオアハカ、サン・クリストバル・デ・ラスカサスなどは中世の時代にタイムトリップしたかのよう)、本当にそういうところの街は建物の保存状態などがよく、景観を損なうような建物や趣味の悪い店とかはまず一切目につかないのですね。さすが、世界遺産に指定されただけの街、と感心したものですが、近年マカオが世界遺産に指定されたようですが、なんか新規に直した、取って着けたような部分(路面の敷石をモザイクにしてポルトガル風にする。でも古さは感じられない、など)なども多く、こんなのが許されるわけ?と思ったのです。マラッカなどは観光客相手の店が乱立し、景観をおびただしく損ねている場所もあるので、難しいんじゃないのかな?と思っていたのです。でも東西交易の歴史の舞台だったわけですからね、マラッカは。その意味では歴史遺産に指定されておかしくありません。

はてさて、7月の結果はいかに??

参考リンク)
ヤフーのニュース(英語)
The Star Online
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プラナカンを中心に、シンガポール・マレーシアの話題をお届け。食べ物・旅行の話題が中心です。
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Miki & Chie
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シンガポールとペナンに住んで20数年、プラナカン協会会員です。ライター&コーディネート業務に携わっています。ご依頼・お問い合わせは下記ホームページからお願いいたします。
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