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マレー半島モンスーン寄稿
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Kuehbelanda.jpg パイナップル・タルト、クエ・バンキッと続いたら、ラブレターこと、クエ・ブランダ「Kueh Belanda」を登場させなくては、中華正月必須の3点セットがそろいません。

 日持ちのするこれらの焼き菓子は、約15日間続く中華正月の間、誰の家を訪ねても必ずと言ってよいほど山のように盛られています。来客だらけで間に合わない家は、缶のままドカン、とテーブルの上に置いてあるのも当たり前。

 ところで、クエ・ブランダの「ブランダ」とは、マレー語でオランダのことです。その名のとおり、17世紀の初頭にオランダ人がマラッカにもたらした菓子と言われていますが、香港などにも「エッグ・ロール」なる同じような菓子があり、こちらはポルトガル人がマカオにもたらした・・・などと言われていますので、どちらが先かは分かりませんね。ただ渡来菓子であることは確かです。


 オランダのワッフル(皆さんが想像する生地のフンワリしたものではなく、薄いウエハースのようなもの)もしくはフランスにあるゴーフルと同じ製法で作られ、クエ・ブランダ専用の鉄でできた丸い型に生地を流し、焼きあがると同時に傍からくるくると巻いていくのです。かつては大晦日などにおばあちゃんが炭火の上でこのブランダを焼き、孫や子供たちをまわりに集め、焼き立てを皆で巻く光景が、中華正月には欠かせない一家団欒の風物詩であったようです。

 ブランダの鉄型には中国らしく吉祥文様や、福禄寿などのお目出度い文様が彫られており、焼き上げると神様が浮かび上がってくるのですから、オランダはドコ吹く風、いかにも中国的なお菓子に変心しました。その味はココナッツ・ミルクをたっぷりきかせた南国の味になっています。マラッカやシンガポールでは圧倒的に細長く巻いたものが多いのですが、ペナンやマレーシアの他の場所では、4つに折りたたんだ平べったいものも多くみかけます。その形が恋文に似ていることから、別名ラブレターとも呼ばれるようになったとか。

 どこのお菓子屋さんでも一年中みかけるポピュラーなお菓子ですが、ココナッツの香りや甘さのバランス、極薄生地のクリスピーさなど様々で、未だにこれだ!というブランダに出会ったことがありません。やはりおばあちゃんの手作りに勝るものはないのでしょう。
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