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マレー半島モンスーン寄稿
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マレーシア、とくにマレー料理にはさまざまな米料理があります。
ニョニャ料理としても有名なナシ・ウラムやクランタンやトレンガヌ州で有名なナシ・ケラブ、マラッカのプラナカンやチッティーの結婚式などで供されるナシ・ケムリなど、どれも個性的でハマる料理ばかりです。
そんな中、ペナンで私が出会ったのが、ナシ・レムニ。これもとことんハマってしまった料理です。

シンガポールでは聞いたことのない料理で、プラナカンの人たちにも聞きまくりましたが、聞いたことがない、と。実はペナンでも中国系の人たちはほとんど知らない料理で、マレーやプラナカン・ジャウィの人たちの間でしか食べられていません。

レムニというのは、裏が紫色をした葉っぱを持つ植物で、ライラックのような花を咲かせます。このレムニの葉を絞ってご飯に炊きこんだものが、ナシ・レムニです。正確な作り方というと、基本はナシ・ルマの作り方で、水分をレムニの絞り汁に変えるだけなので、ナシ・ルマ・レムニとも呼ばれています。

レムニはマレー人の間では産後の女性や月経痛など婦人科系の治療に使われるハーブだそうです。殺菌性が高く鎮痛や抗炎症効果もあり、胃腸や呼吸器の障害の治療にも効果があるそうです。血糖値を下げる働きもあるとか!

実はアルメニア通りに近い警察署の敷地内に見事なレムニの大木があり、その美しさにも惚れぼれしてずいぶんレムニについて調べたのですが、まずその香りの強さ、おそらく虫除けにも効果があるだろうと思うほどです。実際、仕事場にレムニの枝をさした3瓶ととそうでない花瓶一瓶を置いていたのですが、レムニの枝をさしたすべての瓶にはボウフラがわかなかったのに、レムニなしの瓶にはボウフラがわいていました。また、特徴的なその葉っぱの紫色は押し花にしてもまるで褪せることがなく、抗酸化物質にも富んでいると思われます。

料理で使うと、レムニの香りはポルチーニ茸とか独特のキノコのような香りがあります。きっとマッシュルーム・スープに入れたらバッチリだろう、と友人と話しています。オムレツもいいかも?

警察署のレムニの大木はある日突然切り倒され、私はすごいショックで「一体誰が?何のために?」と怒り心頭で、グーグル・ストリートビューに残された生前の姿を見ては涙していました。後から聞いたら、私のような隠れレムニ・ファンたちがいて、彼らもすごいショックを受けていたそうです。ところが1ヶ月後、残された切り株からレムニの若芽が伸び始め、何という生命力でしょう、あっという間に枝がどんどん伸びて小さな木のように復活したのです。さすが、レムニ!



というわけで、この復活レムニから作った私のナシ・レムニです。日本人には色がイマイチかもしれませんね。
通常はナシ・ルマのようにサンバルやカレーをたっぷりかけて食べるものですが、こんなに良い香り、カレーをかけてしまうのはもったいない。私はこのままでも十分いけます。

観光客はアルメニア通りにあるJawi Houseというレストランに行けばとても美味しいのが食べられます。ここの若きシェフもレムニの大木切り倒し事件に心を痛めた1人です。
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  • 無題
Chie 2015/04/10(Fri)22:07:57 編集
Mikiさん

レムニ凄い!いえ、素晴らしい!
ポルチーニのような香りならば、小麦粉に練り込みパスタにしてシンプルなバターソースで食べても最高かもしれません。
プラナカンのナシケムリも大変美味でしたが、レムニはまた別格の感じがします。
薬草の宝庫と言われているマレーシアにはまだまだ面白い草や野菜が沢山あるんですね。
そのあたりがシンガポールとは違うところでしょうか。
  • 無題
miki 2015/04/11(Sat)00:37:06 編集
Chieさん

そう、ナシ・ケムリもシンプルながらハマる味ですよね、あんな感じです!
そうか、パスタに練り込む、なんて素晴らしいアイデア!

マレーに限らず、こちらで伝統的に使われてきた薬草って、馬鹿にならないんですよ。ケラディ・ティクスという芋科の植物はガンの治癒に効果があることも研究で証明されています。パパイヤの葉の効果も見事でしたしね。
あ、もうすぐ日本も蚊の季節。デング熱にはパパイヤの葉ですよ。
  • 無題
Chie 2015/04/11(Sat)00:49:24 編集
Mikiさん

薬草はアマゾンが宝庫と言われて製薬会社が密林に~という記事を昔みたような気がしますが、それよりも古い?とも言われるマレーシアの原生林には様々な薬草があるのでしょうね。

パパイヤの葉っぱは、日本では厳しいなぁ~~沖縄や九州まで行かないとだめかも。

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