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マレー半島モンスーン寄稿
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IMG_9769.jpgプラナカンに興味をもっていらっしゃる、シンガポール在住の日本人駐在員の奥様たち6名が集まり、生粋のニョニャで、ニョニャ料理研究家として活躍されているTan Gek Suan タン・ゲック・スアンさんのお宅にてお食事会を開催しました。

レストランで出す料理というのは、当然利益のためにやっていますから、どうしても手間やコストを省いたものになりがちです。シンガポールで料理雑誌をやっている編集者から聞いた話では、「どこも材料費はせいぜい値段の20%がいいところね。」とのことでした。ニョニャ料理の場合、材料費はともかく、なんといっても「手間」がネックです。昔パークモールの地下でニョニャ・スナックを売っていた人も、「エシャロット1個むくんだって時間がかかるんだよ。市販ので皮むきのも売ってるけど、ああいうのは水に浸けてあるから風味はとんじゃってるしね。ニョニャ料理は商売にならないよ」と言っていました。

タン・ゲック・スアン先生は「手間をかけないニョニャ料理などニョニャ料理ではない」といいます。彼女と一緒にニョニャ料理店に行くと、お店の人が緊張するほど。そんな彼女はどうしたらより多くの人に本物の料理を食べてもらえるか、いつも考えています。しかしご本人はちょっとお年を召しているのでレストラン経営は無理。料理教室も開催されていますが、習うほど興味のある人も多いわけではなく、そこで今回の企画を思いついたというわけです。

先生と一緒にじっくりメニュー作りから考えました。日本人にも食べやすくて、レストランではあまり食べられない料理を、とのことで、最終的に決まったのは、こちら:

Ayam Sio アヤム・シオ
長時間炒めた、たっぷりのエシャロットの甘みとタマリンドの酸味が絶妙な鶏肉の煮込みです。味がしみるよう一晩おいてあります。

Pon Taufu ポンタオフー
豆腐入り肉団子スープ。これに蟹肉と竹の子を加えると有名なBakwan Kepitingになります。

Kacang Sambal カチャン・サンバル
干しえびの風味たっぷりのチリソースで炒めたいんげんのお料理です。

Ikan Bawal Goreng イカン・バワル・ゴレン
魚はマナガツオ。こちらではポピュラーなお魚ですが、安いのは黒いタイプ、白いタイプは高級です。実はこれはスアン先生オリジナルの料理で、干しえびとチリをカラカラになるまで煎ったそぼろをかけてあります。

Achar Buah Payah アチャー・ブア・パヤ
箸休めにちょうどいい、さっぱり味のパパイヤのピックルスです。

Kueh Pisang クエ・ピサン
米の粉を使ったココナッツ味のバナナのゼリー。スアン先生は前々から「当日ピサン・ラジャという種類のバナナが買えなかったら作らない」と言ってました。ピサン・ラジャは小型のバナナですが、モンキーバナナではなく、酸味と甘みが濃いのが特徴です。ピサン・ゴレン(バナナのテンプラ)専門店が買い占めてしまうので入手出来ないことが多いそうです。

Ayer Mata Kuching アエー・マタ・クチン
干した龍眼ロンガンを煮出したお茶。

以上でした。

なかなか生粋のニョニャに会う機会など、シンガポールにいてもありませんし、本物のニョニャ料理を味わうチャンスはもっとないと思います。参加者の皆さん、上品なスアン先生との懇談にも満足されているようでした。

ちなみに10月2日、シンガポールのテレビChannel News AsiaのYours Truly Asia(某国の観光局のキャッチコピーみたい・・・)という番組にスアン先生出演されてました。
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ロティ・ジョンとは、マレー風のバゲット・サンドとでもいいましょうか、ひき肉入りの卵焼きをフランスパンで挟み、パンごと鉄板で焼きしめ、ケチャップやチリソースをつけて食べます。
アメリカの人気ホットドック屋さんの多くが、ソーセージをはさんだあと鉄板でパンに焦げ目をさっと付け、美味しさを増しているのと同様に、クリスピーに仕上げたフランスパンの香ばしいこと!
現地ではモスリム系の屋台で気軽に食べられます。

ちなみにロティとはパンのこと。で、ジョンとは??色々な説があり断定はできませんが、ジョンさんという西洋人が現地でフレンチトーストを食べたいと所望し、それに似たようなものを作ったところ思いのほか美味で名付け親になったとか?巷では色々と言われておりますが、この手の曰くは追求してもあまり意味はありません。

このロティ・ジョン、家で作るのが一番美味しいのよ!!とマカンの平岡シェフが早速教えてくれました。

あまりの簡単さに、これに慣れてしまうと茹で卵を刻み、マヨネーズなどで味付けをしたタマゴサンドを作れなくなってしまうほど楽チンで美味。時間が無い時のお弁当などにも、もってこいの簡単サンドです。
油をジワリと吸い込んだパンの皮はパリパリ!チリをきかせた卵焼きと相性抜群です。
焼きたての熱々を頬張るのに必死で(食いしん坊の性か…)、胃袋に納めてしまってから出来上がりの写真が無いことが判明。ここはフライパンでの作り方を見てください。
フランスパンは天然酵母や高級店のこだわり品を使うより、スーパーなどで売っている少し太めのフランスパン(柔らか目で気軽な値段)のモノをお使い下さい。その方が美味しくできますよ。 
P1000154.jpgP1000155.jpg

















材料 (1人分)
フランスパン 約15cm (横半分に切れ目を入れておく、切り離さないこと!)
サラダ油 大匙1と1/2
チリソースやケチャップ、マヨネーズなど好みで適宜

(卵ミックス)以下の材料をすべて良く混ぜ合わせる
卵     Mサイズ1個
ひき肉  20g (モスリムですので本来はマトンを使いますが、豚でも鶏でも美味しくできます)
玉ねぎのみじん切り      大匙 1
にんにく、生姜のみじん切り 各匙 1/2
唐辛子みじん切り       小匙 1/3
塩、砂糖  各小匙 1/4
ホワイトペッパー 少々
コリアンダーパウダー 小匙 1/2  
1、フライパンにサラダ油を熱し、混ぜ合わせた卵ミックスがパンを開いた時の大きさになるように流し入れる。
2、卵がまだ半熟状態のうちに、フランスパンの切り開いた面を卵の上にかぶせ、卵とパンがくっつくように押し付けながら(写真1)、肉に火が通るまで弱~中火で焼く。
3、裏返してパンの外側もカリッと焼く。見た目はまるでフレンチトースト?(写真2)
4、フランスパンを折りたたみ食べやすい大きさに切り、チリソースやケチャップ、マヨネーズなどをつけていただく。
追加) 缶詰のオイル・サーディンや、きゅうり、トマト、レタスの千切りなどを挟んでも美味です。


IMG_9543.jpg次に忘れてならない名物料理が、Ayam Percikでしょう。

ココナッツベースのちょっぴりスパイシーなタレをまぶしながら焼くバーベキュー・チキンです。焦げ目がつくようにしっかり焼いたのがおいしく、タレはとろっと濃いめの方がおいしいですね。同じタレで魚のバーベキューなんかもありましたよ。









IMG_9672.jpgそれからこれは名人といわれるチャイニーズの方のお宅でごちそうになったクランタン式ラクサ。シンガポールやマラッカのものよりも白いですが、各自でチリペースとを和えて辛さを調整します。魚は焼くか蒸すか忘れましたが、とにかく火を通して細かく身をほぐし、それと一緒にココナッツミルクを弱火でずーっと数時間煮込まないといけないらしいです。鍋を延々とかき回し続けなければいけないらしく、お客(私)でも来ないと作る気にならないとか。

もっちりとした米の麺にこのスープをかけ、ブンガカンタン(しょうがのつぼみ、茗荷みたいなもの)、ラクサリーフ、キュウリ、もやしをのせ、チリペーストを添えます。優しくてコクのあるスープ、皆さんおかわりしていました。

これとよく似たものにクランタンではラクサムと呼ばれる麺料理があります。スープは基本的に同じものかと思いますが、麺が特殊。ぼてっとしたチーチョンファン、(おそらく、まず米の粉のクレープを作り、それをのり巻きのように丸めて、1cm幅くらいで輪切りにして行くのだと思います)なのです。これを先週ジョホールバルの屋台で買ったのですが、うちの娘が一気に平らげました(ちえさん、あのときの、アヤム・ポンテーを独り占めしたときのように・・・)。

ラクサもニョニャ・ラクサに、シンガポール風のラクサ(油揚げなどが入ってる)、ジョホール・ラクサにペナン・ラクサ、そしてこのクランタン・ラクサと実にいろいろありますね。私はどのラクサも大好きです。V国に行って単調&味の素たっぷりのあちらの麺料理にうんざりしたとき、ずーっと頭をよぎっていたのは「ラクサ」。日本のラーメンとはまったくタイプが異なりますが、スープの味の奥行きの深さでは世界でもトップクラスと言っていいですよね。

IMG_9654.jpgそれからこれは番外編。
マレー・クラフトの名人のお宅を訪問したら、そこの家の軒先に干してありました。完成品は撮影できませんでしたが、アガアガ(ゼリー)を固くなるまで干したら出来上がりのよう。砂糖をまぶしたようなゼリーのお菓子になります。ちえさん、まいさん、このお菓子、何?この写真のものはまだ未完成ですが、すごく綺麗なので撮影してしまいました。きっと今頃ハリラヤの食卓に並んでいるんだろうな。



食べ疲れであまり写真を撮る意欲さえなくなったコタバルでしたが、かなり気に入ったのはNasi Dagangでした。赤米っぽい餅米を3度にわけて蒸して炊き上げる、結構手間のかかるお料理で、クランタン料理の名物のひとつです。

IMG_9554.jpg











私が連れてってもらったのはチャイニーズの人たちで溢れかえるRestoran Kwang Lingというコーヒーショップ。ムルデカ・スクエアのすぐそばの有名店です。
思わず食べちゃったから料理をちゃんと写真に撮ってないけど、この大きな器に入っているあかっぽいご飯がナシ・ダガンです。
好きなおかずを選んでそれを添えますが、大体一食分2〜3リンギット。安すぎる。

IMG_9555.jpg











ナシ・ダガンは一晩つけた赤っぽい餅米を一旦蒸して、若干火が通ったところで、ココナッツミルクに砂糖・塩を混ぜて再び蒸します。そして最後にショウガやタマネギの千切り、そしてスパイスのフェヌグリークを加えてまた蒸しあげます。バラバラしない、しっとりとした炊きあがりのご飯はまさに日本人好みです。
このナシダガンと普通の白いご飯を半々に食べる人もいます。
ちょっと甘めのビーフレンダンと食べるとそれはそれは最高。
思い出すだけでヨダレがでます。

マレーシア西海岸ではNasi Lemakが有名だけど、東海岸じゃナシ・ダガンよ、と地元の人は言ってたけど、個人的にはNasi Lemakと一緒にされては・・・と思います。なんたってお米が違う。両方ともココナッツミルクで炊き上げたものではあるけれど。

このお米はクランタン以外ではなかなか入手できないそうです。
私にはクランタン料理の知名度が低いのが不思議でなりません。パタニ王国の時代から受け継がれる豊富な菓子類や料理の数々、その完成度は見事なほどです。ちえさんは「王宮の栄えたところは菓子文化も栄える」とよく言っていますが、ここでもさまざまな菓子類が目を奪います。カスタード系の菓子が多いのは、やはりパタニ時代にやってきたポルトガル人の影響でしょうか。スペインやポルトガル式のカスタード・プリンがあったのにも驚きました。

IMG_9771.jpgクランタンといったら、まずはBuduブドゥー。これはいわゆる魚醤の類いですが、濁っています。アンチョビの液状といった感じです。ケラブ(野菜などを和えたサラダ系料理)にも欠かせませんし、これを生野菜と和えながらごはんと一緒に食べる食べ方は、クランタン人にとって基本中の基本のようです。ブドゥーにライムを絞り、チリを刻んだものを加え、ここに焼き魚(アジなど)の身をほぐして加えます。あとはPetai(臭みのある豆)やKacang Botol (四角豆)などの野菜や、さまざまな葉っぱ(ハーブ)に添えて、ごはんと一緒に食べます。これは結構ハマります。ごはんが進んでしょうがないので要注意なのです。ヒメしょうがなどもこのようにして一緒に食べますし、マンゴーの葉も若いものは食べられるのですよ、びっくり。ここまでくると、葉っぱを食べるヤギの気持ち。むむ、これはプーケットで感じたことと同じではないか。タイに近いことを強く感じます。この食べ方ではやはり「手」が基本です。フォークやスプーンで食べる人はいません。私も当然のように特訓を受けました。それから、な、なんと、このタレにドリアンを混ぜる食べ方もあるのです。


IMG_9649.jpgしかしもう少し格好のつくもので代表的な料理というと、ナシ・ケラブでしょう。
ケランタン式ビビンパとでもいいましょうか。10種類以上のハーブを細かく叩いて汁を出し、その汁でごはんを炊きます。いんげん、きゅうり、エシャロットなどにライムリーフ、レモングラス、ブンガ・カンタン(ショウガの花)、ラクサリーフ、焼き魚のほぐしたもの、ケルチック(煎ったココナツ)を加え、前述のブドゥーをかけて混ぜ混ぜして食べるのです。なんと香しい、そしてヘルシーなお料理でしょうか。




写真)クランタン・タイ式のナシ・ケラブ


IMG_9731.jpgこのナシ・ケラブ用ハーブ汁は市場でも出来合いのものを売っているそうですが、もちろん手抜きのものが多く、ハーブの種類も少ないそうです。またナシ・ケラブもいろいろなパターンがあり、このスタイルはタイ式なのだそうで、マレー式は白いごはんだったり、ブンガ・タラン(色付けに使う青い花)で染めた青いごはんだそうです(まいさん、あってる?)。このタイ式に使うハーブの種類は、チャイニーズやタイの人しか知らないらしく、山にいって積んでくるそうです。ざっとナシケラブに使った野草を写真に撮ってみましたが、どのくらいワイルドさが伝わるでしょうか。健康食品として高価なノニの葉っぱも使っています。



IMG_9732.jpg今回クランタンでお世話になった人の娘さんの婚約式がクアラルンプールでもある、ということでそちらにもお呼ばれしたのですが、クランタンから、ブドゥーはもちろん、ナシ・ケラブに使う10数種類のハーブをまるまる一籠、クランタン産のお米、フィッシュクラッカーなども全部クランタンから持っていったのです。

クランタンの人たちは地産の食材に大変こだわっていて、実際にクランタン産のものは他のところのものよりも美味しいものが多く(例えば米は違います。土壌が良いのだ、と言ってました。それから干し魚も美味しい)、こういった食材へのこだわりがこの地の食文化をレベルアップしているのだなと思いました。

それはそれでいいんですけど、今回市場で私が何か買おうとすると、すぐさま「それはよくない。私の知っている村で作ってるいるものの方が良い」と買わせてくれない。で、結局思うように買い物出来てないのでした。

マラッカの荘厳なババの結婚式とは比べ物にならないほど素朴な結婚式、でも村中の人や親戚縁者が一同に会する楽しいカンポン・ウェディング。のどかな田園風景やバティックの洗濯物が色鮮やかなマレー農家の並びを眺めながら着いたところは、やはりマレー農家とはほとんど変わりのない家。しかし規模は大きく、広い敷地内に3軒が建っており、そのうちの一軒はマラッカでいう「ルマアブ」(先祖の位牌を置く家)でした。

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料理は家族はもちろん村の人たちの協力も得て、裏の台所で手作りです。でっかい鍋に煮込まれたビーフのカレー、チキンのカレー、白キクラゲと鶏足のケラブ(サラダ)、アヤム・ペルチック(クランタン式のバーベキュー・チキン。ココナッツベースのソースを合えてある)などが並びます。炭火であぶったアヤム・ペルチックは外で売っているものよりもずっと美味しく、おみやげにしてもらったほど。でも不思議ではありませんか?チャイニーズの結婚式なのに、中華料理らしいものはひとつもありません。もちろん誰も文句言いませんし、違和感すらないのです。

IMG_9595.jpgゲストのテーブルもたくさん並んでいますが、もう好きなところに勝手に座って、という感じで、知らない人と相席になったりと、日本の堅苦しい結婚式からは考えられない自由さ。好き勝手に料理とって来て食べたり、おしゃべりしたり、そのうちギャンブルも始まります。







写真左)ギャンブルに興じる人々。マレー人みたいな人もいますね。



IMG_9620.jpgしかし、好き勝手に遊んでいるゲストたちはよそに、家族たちは儀式をちゃんと執り行います。祭壇前には料理が並べられ、新郎新婦がお線香を供え、ルマアブにも同様に儀式をやったあと、献茶の儀式ティー・セレモニーが始まります。年長者から順に席に座り、新郎新婦がひざまずいてお茶を捧げます。これは年上の家族・親戚に対し忠誠を誓う儀式です。そのかわりお茶をもらった人たちはアンパオ(祝儀袋)をあげなくてはいけません。アンパオの中身はキャッシュでもいいし、宝石でもいいのです。「とても高くつくお茶」と言われます。







IMG_9607.jpgIMG_9613.jpg祭壇のしつらえもルマアブもババに比べると非常に質素なものですが、古い家はやはり威厳を感じますね。
どうですか?なかなか良い写真が撮れたと思います。






以前から気になっていたマレーシアのクランタン、ここにもプラナカンと呼ばれる人たちがいます。今回彼らの結婚式があるということで、友人のつてをたどってお邪魔してきました。

IMG_9528.jpgまず簡単にクランタンについてお話しましょう。
クランタンは隣のトレンガヌ州とともにマレーシアでももっともイスラム教色の強い州で、マレーシアの与党UMNOではなくPASというイスラム政党の政権下にあり、保守的な土地と言われています。この辺はマレーシアでも有数の美しい島々があるところですが(正確にはトレンガヌ州に属す)、一時「ビキニ禁止令」が出るなどの規制もあり、お隣タイに比べて外国人人気も今ひとつのようです。・・・というと、排他的なイメージですが、ところがどっこい、人々は大変親切でフレンドリー。ただ住民の大多数がマレー人、そして女性はイスラム教徒らしく全員が頭にかぶり物をしている、そんな中では外国人は浮いてしまう、目立つのは確かです。ですが、私はかえって白人様様のタイよりも、外国人に媚びないこちらの方が「正常」に感じます。

写真)お菓子作りで有名な家。本当は王室献上のムルタバ・ラジャで有名な家だが、この季節はお菓子オンリー、残念!!


またここはタイと国境を接し、以前はタイ系のパタニ王国があったところでもあり、豊かな食文化に、ヒンドゥーの人形劇ワヤンクリ、マレー凧、バティックやソンケットといった布、銀細工、伝統的な木彫りなど、マレーシアでももっとも成熟した工芸文化が豊富な土地でもあります。

IMG_9551.jpg今は10月頭までイスラムの人々はラマダン(断食節)です。断食の季節とはいえ、街中いたるところに食べ物屋台が出ます。断食は夜明けから日没にかけて行われるもので、早朝と夜は飲食ができます。そのため日没後のディナーを買い求める客で夕方4時くらいから屋台街は賑わい始め、周辺の道路は渋滞になるほどです。タイに近いせいもあってケラブと呼ばれるサラダ風の料理やウラム(生野菜やハーブ類)も何種類もあり、これらといっしょに鮮やかで種類豊富なスイーツに、カレー類といった総菜がいくつも並ぶ様は圧巻です。全部試したいけど、食べきれない!

そんな食べ物天国状態のクランタンの首都、コタバル市内のお宅に約5日間泊まり込みをさせてもらい、またまた食べ物三昧の日々となってしまいました。中国系の人たちですので、親戚縁者が多い上に、日本人が珍しいとあってか、あちこちからお呼びがかかって大変でした。1人で街歩きする時間がまったくなかったのが残念です。

741d1047.jpegさて、こちらのプラナカンは、マラッカやペナン、シンガポールのグループとは完全に別のグループ、関連性も低いようで、プラナカンの定義ももっとおおらかです。一応プラナカン協会がありますが、とにかくこの土地で生まれた人はすべてプラナカンと認識して良いらしく、とくに特権階級だったわけでもなく、特別な文化を編み出したわけでもなく、ただただ現地に同化してきた中国人たち(福建系)なのです。

ただその同化の度合いはマラッカ以上で、マレー人はもちろん、タイ人との混血も多く、食べ物は豚肉を食べる以外はほとんどマレー人と変わりがないような。もちろん若干違うものもありますが、ニョニャ料理のように中国&マレーをミックスしたフュージョン料理というのではなく、マレー料理あるいはタイ系の料理をそのまま普通に食べています。というわけで、コタバル滞在では一度も中華料理らしいものは食べませんでした(でも中国料理のレストランもありますよ)。

中心部に近いところにカンポン・チナ(チャイニーズ・ヴィレッジ)と呼ばれる地区があり、福建移民らしく「媽祖」を祀る中国寺院もあります。ここにコタバルの中国系有力者の家もあり、プラナカン協会があります。農村部まで行くと姿格好もマレー人と見分けがつかない人が多く(色黒で)、彼らとマレー人の違いは宗教だけ、とも言えるほどです。農村あるいは都心部でも古い家はマレー家屋とほとんど変わりなく、ただ玄関先に赤い提灯や垂れ幕がかかっているので区別が出来る、程度なのです。
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写真)中心部に近いところの裏路地にて(カンポンチナではない)。周辺のマレー家屋と同じ造りだが、中国人の印、赤いランタンが下がっている





 今回は農村地帯での素朴な結婚式を見学させてもらいました。
また次号で紹介させていただきます。
  • ABOUT
プラナカンを中心に、シンガポール・マレーシアの話題をお届け。食べ物・旅行の話題が中心です。
  • プロフィール
HN:
Miki & Chie
性別:
女性
自己紹介:
シンガポールとペナンに住んで20数年、プラナカン協会会員です。ライター&コーディネート業務に携わっています。ご依頼・お問い合わせは下記ホームページからお願いいたします。
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