忍者ブログ
Admin*Write*Comment
マレー半島モンスーン寄稿
[33]  [32]  [31]  [30]  [29]  [28]  [27]  [26]  [25]  [24]  [23
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

DH000038.jpgアモイといえば、グルメの間ですぐに思い浮かぶのは「面(麺)線」と呼ばれる小麦粉でできた極細麺。日本のソーメンよりもまたさらに細くビーフンほどの細さの麺です。長生きの意味もこめて、麺をぶちぶちと切らず、長いままぐるぐると束ねてあるので、ゆでる時も食べる時も大変でしょう。

プラナカンたちは誕生日に毎年この麺線を甘いスープに入れて食べ、長生きを祝うというほど、福建の人たちにおなじみの麺がこの面線です。
この面線を炒めた「炒面線」はアモイのどこのお店でも食べられるポピュラーな焼きそばで、豚肉や野菜、椎茸、干し蝦などを入れ、沙茶醤や独特の醤油で味をつけます。できあがりの料理は茶色をしていますが、食べてみると決して濃い味付けではなく、奥の深い素朴な味わいです。
DH000200.jpgしかしこの面線を使っての一番の人気もの、といえば私も今回の旅ではまってしまった「面線糊」でしょう。
この料理一品だけで商売している店が沢山あることから、庶民にはおなじみの麺料理です。どんなものかというと、その漢字からも想像がつくとおり、面線を糊状にくたくたに煮込んだ、いわば麺の「お粥」。
スープはお店によっても違うのでしょうが、豚や干し蝦や貝柱などでダシを取り、具には細かく刻んだ豚の臓物やベイビー・オイスター、豚の血のかたまり、つみれなど様々です。
臓物のコクもあいまって絶妙なコッテリ感と、クタクタに煮込まれた麺が優しい味のとろみを出しており、毎日でも食べたいほど病み付きになりました。臓物類の臭みを消すために、チャイニーズ・セロリと呼ばれる芹菜や、生姜の香りが味のアクセントになっています。葱を炒め、葱油を加えてもおいしいです。これは台湾などで同じものがあり、風邪を引いた時にお母さんが作ってくれたり、夜食などにもよく登場する消化抜群の麺料理です。麺といえばアルデンテが好みの日本の人には好き嫌いが分かれる麺料理でしょう。
DH000125.jpgそのほか、「ビンナン風焼きそば」として、米粉でできた平たいうどん状の麺(タイなどで食すクゥイティアオよりは厚みがあり、ベトナムの麺料理ミークアンと同じような食感)の焼きそばもおすすめです。もちもちとした米粉麺は舌触りが心地よく、味も面線炒めと同じように濃すぎず、飽きずに食べられる味です。この焼きそば、シンガポールで人気のある麺、フライド・ホッケン・ミーにも味付けが似ていました。(ただし福建省ではこのような麺料理はみかけず、故郷に思いをはせたシンガポール人が生み出した麺料理なのでしょう)
海鮮料理の味付けもそうでしたが、これらの麺を味わっただけでも福建省の人は塩辛い味を好まず、辛いものもあまりなし、という味の嗜好がわかるような気がします。その代わりベースとなるダシはしっかり取る。

DH000002.jpgもうひとつ潮州料理でもよくみかける魚のすり身にでんぷんを合わせて麺状に押し出し、それを野菜などと炒めて食べる「魚麺」もあります。カマボコのような歯ごたえの麺に、しっかりダシが絡んで、これもなかなかオツな味です。

 

 

PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
メール
URL
コメント
文字色
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
secret
  • 無題
Miki 2007/05/26(Sat)11:19:13 編集
ビンナン風やきそば、これって米の粉なんですか?米の粉でこれだけ厚みがあると、結構もっちりしているのでしょうね。
面線糊はホントうまそう!この料理は伝統的なんでしょうか?福建移民が多いシンガポールやマレーシアでも見たことがないです。結構汁気が多いんですね?これはシンガポールで売れそうだ、と思ってしまいました。

やはりシンガポールもマレーシアもそうですが、中国南部の人は塩っ辛いのが嫌いですよね。味は濃くても塩気が苦手なんですよ。だから日本の味噌汁なんてしょっぱくて飲めないし、四川料理なども彼らにとってはおいしくないそうです。ロシアから来た客が、シンガポールの中国レストランでスープ飲んで、「塩入れ忘れてるわ」とまじめな顔で言ったことがあります。それだけ塩味が利いてないことが多い、とくに家庭料理はまったく味がないことも。
  • 面線糊
Chie 2007/05/26(Sat)16:33:16 編集
ビンナン風焼きそばは、もちもちの米の麺でした。
面線糊は、シンガポールのゲイランにある台湾から来た永和豆醤大王でしたっけ?、で食べられる「ミースワ」とほとんど同じ食べ物だと思います。スープの味と具はゲイランのものよりもっと臓物してますが、これに本当にはまってしまい、日本に帰国してからソーメンを短くちょん切って粥にしてみました。
不評でした。。。。。
やはりダシが命なのと、もしかして一度ソーメンを素揚げしていれているのではないか?と思うほど現地の麺は極細のまま形を残し、コクがありました。
是非一度作っているのを見てみたいですね。
お店ではすでに大鍋で煮込んであるのものばかりでしたから。
塩味はごく薄く、臓物やオイスター、アモイ名産の海鮮の乾物類などから出るダシでいただく、という料理ばかりでした。日本人の口にも合うと思います。
  • ミースワ
Miki 2007/05/27(Sun)10:43:27 編集
多分ミースワを揚げなくてもしっかり残るんじゃないかな。マラッカで行きつけのコピティアムで出すミースワが美味いんですが、まず具をサッと炒めてスープを入れ、そこに乾麺をそのままぶっこんで少しだけ煮込むのです。乾麺を別茹でにしていないので、乾麺がもつ塩気と粘り気がスープに移っています。やはり、見た目は日本のソーメンにそっくりだけど、違うんじゃないかな?日本のソーメンで同じ調理法ができるかやってみてください。私はこちらの麺線でソーメンのように食えるものかどうかやってみます。
  • 面線糊
Chie 2007/05/28(Mon)02:11:06 編集
一度目失敗しましたので、2度目は極細ソーメンを選んで、あまり煮込まないで挑戦してみたいと思います。でも臓物でダシはとれないし、、まあ、そのあたりは臨機応変に。
ゲイランのミースワのダシは鰹節のような味がして好感が持てたのですが、ガーリックが死ぬほど入ってますよねあそこのお店。
この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする:
  • ABOUT
プラナカンを中心に、シンガポール・マレーシアの話題をお届け。食べ物・旅行の話題が中心です。
  • プロフィール
HN:
Miki & Chie
性別:
女性
自己紹介:
シンガポールとペナンに住んで20数年、プラナカン協会会員です。ライター&コーディネート業務に携わっています。ご依頼・お問い合わせは下記ホームページからお願いいたします。
  • 便利ツール
Amazon 私たちの書籍もアマゾンでお求めいただけます
  • 最新コメント
[02/25 Chie]
[02/24 らんこ]
[02/24 Miki]
[02/24 らんこ]
[01/22 平岡弘子]
  • ブログ内検索
  • カレンダー
03 2024/04 05
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30
  • 最新トラックバック
  • バーコード
  • カウンター
  • アクセス解析
  • バーコード
Copyright © マレー半島モンスーン寄稿 All Rights Reserved.*Powered by NinjaBlog
Graphics By R-C free web graphics*material by 工房たま素材館*Template by Kaie
忍者ブログ [PR]