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マレー半島モンスーン寄稿
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マラッカのプラナカンが誇るもののひとつにビーズ刺繍がありますが、もうひとつは自宅でクエを作り、レストランや菓子店などに卸したりするニョニャ・クエ名人がいることでしょう。

以前ブログで紹介した幻のオンデオンデや、ビータイバッなど、どれも自慢の一品で私たちを楽しませてくれるのは、かつてニョニャたちがそれぞれのクエを持ち寄り、交換していた古き良き時代の名残ともいえるかもしれませんね。

昨年暮れマラッカ訪問の際に、親しくさせていただいているビーズ職人のお母様が、実はニョニャクエ名人だったと知り、それなら是非とも教えて~!と頼み込み、クエコチを教えてもらいました。

P1180103.jpgクエコチはバナナの葉っぱにくるまれた餅菓子。本来はご先祖様へのお供えとして用いることが多いポピュラーなお菓子ですが、麩饅頭のように柔らかくデリケートな食感から、日本人好みのニョニャ・クエのひとつと言えましょう。


かねてから円錐形のクエコチはどうやって包むんだろう?と興味津々でした。








P1180003.jpg餅米粉に練り込む青い色はお馴染みブルーピーの花の色素。中に入れる餡となるのは、フレッシュなココナッツを刻んだものに、白砂糖と煎った白ゴマをたっぷり混ぜたもの。メイドさんが大きなココナッツを2つほど、見ている横から細かく削り、刻んでゆきます。生のココナッツをふんだんに使えるのは南国ならではの強みですね!日本では決してできません。白砂糖の代わりに、マラッカ名産の黒砂糖グラムラカを入れるところもありますが、こちらの名人は、より繊細な味に仕上がる白砂糖がお好み。








P1180109.jpg青と白のマーブル状にしたお団子を蒸し器に並べて蒸します。

蒸している間にバナナの葉っぱの下準備。丸めたお団子はゴルフボール大の小さなものですが、包むバナナの葉は縦20センチくらい、横は40センチくらいの台形に切られた大きなものでした。葉脈に沿って平行にカットするのが包みやすく、仕上がりを美しく見せるためのコツだそうな。内側にオイルを塗り、左右をくるりと巻き込み逆三角形状にしたら、その中に蒸しあがった餅を入れて残りの部分を折りたたみます。上下を逆さにするとご覧のように円錐形のクエコチが出来上がり。さっそく神様にお供えしてから戴きました!



2010022700170000.jpg
出来立てほやほやのクエコチは、めちゃくちゃ柔らかくてナチュラル・テイスト!ココナッツの風味にトロケるようなお餅のテクスチャーと優しい甘さが一体化した生涯忘れられないクエとなりました。

毎日作りたてを味わうのが当たり前という、プラナカンの贅沢なティータイムを体感したマラッカの素敵な1日でした。







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  • 無題
Chie 2010/02/28(Sun)00:53:00 編集
チャーリー・リーの工房でも出来立ては食べられますが、名人のニョニャ・クエのおいしさは格別でした。

次回はMikiさんも是非一緒にまいりましょう!
  • 無題
Miki 2010/02/28(Sun)11:48:35 編集
市販品とホームメードはまったく違いますね。材料もケチらないし、愛情こもってるし。
そういった手作りのものを食べられるチャンスってなかなかないですね。
  • はじめまして。
てるこ 2010/03/01(Mon)22:00:30 編集
自分の感性に合うものにやっとめぐり会いました。「プラナカン」と言うんですねぇ。
桃の絵柄のティーセットやビーズの刺繍。はなもy
  • 初めまして。
てるこ 2010/03/01(Mon)22:06:02 編集
こんばんは。やっと、自分の感性にあうものが、何なのか分かりました。「プラナカン」と言うんですね。
桃の絵柄のティーセットや、ビーズの刺繍など。ワクワクするものがいっぱいです。
なかなかパソコンに向かう時間がないのでゆっくりですが、ブログを拝見させて頂きます。
ときどきお邪魔します。宜しくお願いいたします。
  • 無題
Miki 2010/03/02(Tue)11:08:15 編集
てるこさん

こんにちは。どうもいらっしゃいませ。
こちらこそ今後ともよろしくお願いいたします。
プラナカンは知れば知るほど素晴らしいものがたくさんあってびっくりしますよ。博物館などとも併せて「本物」をご覧になってください。
  • 無題
Chie 2010/03/05(Fri)02:07:29 編集
てるこ様

コメントをありがとうございました!
プラナカンには女性の心をくすぐるものが沢山あります。
これからもどうぞ宜しくお願い申し上げます。
  • 無題
ともえ 2010/03/23(Tue)14:40:32 編集
初めまして。
プラナカン、御本を本屋さんの店頭で目にした途端に一目惚れ。こんなにカラフルな色彩で上品で、なんと美しいんだろうと。そして、先週ついにマラッカとシンガポール、訪ねてきました。マラッカのジョンカーストリートとプラナカン博物館で、いくつか陶器を購入。職場スタッフもつれて計5名で訪ね、皆、プラナカンファンになりました。次回はゆっくり訪ねたいと思っています。今後もお邪魔させていただきます。有難うございました。プラナカン博物館には御本も置かれていました(^^)
  • 無題
Miki 2010/03/23(Tue)16:03:46 編集
ともえさん

初めまして。プラナカンに興味を持っていただけて嬉しいです。陶器はお気に入りのが見つかりましたか?プラナカンのものはアンティーク屋さんをいろいろ覗くと、いっぱい可愛いものが見つかりますよ。お高いですけど、目の保養にいいです(笑)。
今後ともよろしくお願いいたします。
  • 無題
Chie 2010/03/25(Thu)23:00:05 編集
ともえ様

本を片手に足を運んでいただけたとのこと、ありがとうございます。何よりも嬉しく存じます。
プラナカンの陶器は眺めているだけでも幸せな気分になりますよね。
それにしても先週のマラッカ、壮絶な暑さではなかったですか!?3月に入ってからのマラッカは灼熱の日々と聞きました。皆さまご無事?で何よりでした。
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プラナカンを中心に、シンガポール・マレーシアの話題をお届け。食べ物・旅行の話題が中心です。
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シンガポールとペナンに住んで20数年、プラナカン協会会員です。ライター&コーディネート業務に携わっています。ご依頼・お問い合わせは下記ホームページからお願いいたします。
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