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マレー半島モンスーン寄稿
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しばしブログをご無沙汰してしまいました。

今、シンガポールより著者がお里帰り中にて、2人でBatikの撮影で大変お世話になったBatik研究家のお宅へお邪魔してきました。

DH000054.jpg以前ブログでも紹介した「ジャワ更紗の旅 Batik」という素晴らしい本の著者でもあり、Batikの研究集団クンプルを代表する城田杏子さん。彼女も以前シンガポールにお住まいの経験があるシンガポール通、シンガポール滞在期にバティックと出会い、のめりこんだとか。そんな彼女のご自宅は、一部屋まるごとBatikの収納庫となっており、クローゼットにもぎっしり年代物のBatikが詰まっていました。全部を拝見するには数日かかりそうなほどお宝の山でした。 

どれを拝見させていただこうか・・・と大変迷いましたが、やはりプラナカンといえばプカロンガンのもの。

まず最初に、本にも登場したレアものの作家、オランダ系混血女性「エリザ・ファン・ツァイレン(Eliza van Zuylen)」のサイン入り、フェミニンな花束模様の腰衣(サロン)をもう一度じっくり見せてもらうことにしました。

エリザ・ファン・ツァイレンといえば、ヨーロッパのフラワーアレンジメントをヒントに描いたブケタン(Buketan)とよばれる花束模様の第一人者で、貴重な作家でもあるため偽者のサインも出回るツァイレンですが、もちろん城田さんのものは正真正銘の本物。 

20世紀半ばに描かれたこのサロンは、ブルーと淡いピンクに染められ、大輪のバラと小さな花からなる約1メートルにもなる大きな花束が実に鮮明に、緻密な技法で描かれています。ブケタンはヨーロッパ系混血女性のBatik工房で生まれたもので、ジャワ島北岸を代表する模様となっています 

城田さん曰く、この工房で描かれるBatikの特徴は、花びら一枚一枚の描写が花びらの輪郭に沿ってわずか0・数ミリの「縦線」を描く点描により埋め尽くされていること。微妙な曲線を描く花びらの輪郭にも非常に高度なテクニックを要するそうです。

なるほど、じっくり近づいて見ると目がくらみそうなほど細かい点描です。

周りを飛び交う鳥や蝶たちは実にしなやかに、伸びやかな曲線で描かれているのも特徴だそうです。ちなみに中国系の工房で作られる緻密な技法には「横線」の点描が多いとか。 

小さな部分をひとつ取っても、それぞれに特徴があり実に奥が深いBatikの世界です。

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  • 無題
Miki 2007/12/26(Wed)19:48:47 編集
城田さんのバティックをゲットする旅のお話とか面白かったですね。バリに行く日本人はいくらでもいますが、その他のインドネシアへ旅行に行く日本人は少なく、実際に治安のことを考えると気楽に旅行できるような土地ではないのですが、城田さんたちがインドネシア各地を探検して、何でもなさそうな古びた店で埃まみれになって思わぬ逸品をゲットするお話など、とても興味津々で伺いました。私もそういうの大好きです!
  • 無題
bashy 2007/12/28(Fri)02:15:04 編集
miki-chan
nihon ni maji kaette kiteruno?
usso-! aitai!
isogashiino?
bashi ha hikkoshite ima kanagawa ken no
kawasaki shi,eki ha odakyu sen no
kakio toiutokoroni imasu.
tokorode,kono blog ni watashi ga coment suru to sungoi mojibake site doushitemo nihon-go ga utemasen.mac no hurui katachi niha taiou shitenaitoka?
keitai no bango ha onaji desu,nihon ni itara renraku choudai.
yoi otoshi wo!
  • 写真のBatik は・・・・・
Chie 2007/12/28(Fri)02:57:50 編集
ちなみにブログで紹介した写真のBatikはエリザ・ファン・ツァイレンのものではなく、同じブケタン(花束)模様でも、萩や桔梗・女郎花など日本の秋の花をモチーフとしたものらしく、プラナカンの中年女性が着用したサロンだそうです。

ブケタンと言えば大輪のバラやボタンといった、華やかな柄が多いですが、日本のキモノを思わせる楚々とした模様のサロンもとっても素敵でした。

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