忍者ブログ
Admin*Write*Comment
マレー半島モンスーン寄稿
[84]  [83]  [82]  [81]  [80]  [79]  [78]  [77]  [76]  [75]  [74
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

新年おめでとうございます。

昨年は本を出版することができ、多くの方々に大変お世話になりました。
またHPやブログを見ていただいている方々からも沢山の励ましの言葉をいただきました。
心より御礼申し上げます。
本年もかわらずにプラナカンの世界、マレー半島の話題にお付き合いいただきたく、
宜しくお願いいたします☆

本日はプラナカンの屋敷に欠かせない「提灯」についてちょっとお話ししましょう。

家々の軒先を飾るカラフルな提灯ですが、冠婚葬祭に欠かせないアイテムであっただけではなく、実はその色や形が、彼らのアイデンティティーを示す重要な役割を担っていたのです。
もともとこれらの提灯は中国のものですが、現在は本場中国ではこのようなスタイルのものはほとんど見られないとのことです。よく日本の中華街でも目にするような中国式提灯は宮廷式と呼ばれるもの。今中国やシンガポール、マレーシアなど一般的な中国人の家、店で使われている丸いだけのタイプは、共産党革命後に簡易的に用いられるようになったものだそうです。身分、家などを示すような提灯は御法度になったわけですから。

IMG_4488.jpgではプラナカンの家で使われている提灯について。

まず、玄関の軒先にかけられる提灯ですが、右側は家の名前を、左側はその家の職業を表す文字や模様が描かれています。
その家の提灯を見れば、家主の名前と職業までもが一目瞭然というわけです。
表札が無い時代の知恵ともいえますが、興味深いのはそれだけではなく、その形を見るだけで彼らの出身地がわかるようになっているのです。
その多くは彼らの故郷、福建風のものですが、提灯を形作る骨組みが傘のように幾重にも縦に細長く伸び、ずっしりとした重みを感じさせる男性的な風貌が特徴です。
それに比べて潮州風の提灯は、こまかい網目のような骨組みが張り巡らされ、表から見ると凹凸のないツルリとした女性的な風貌で、福建式に比べ少し細長い印象があります。

極彩色に近いカラフルな色付けも福建風の提灯ならでは。マラッカのタンチェンロック家、ババ・ニョニャ博物館、ペナンのプラナカン・マンションなどに足を運ぶと、見事な福建提灯を見ることができます。(ただし、軒先に飾る提灯は盗難も多いそうで、今では祭事の時にしか出していない家がほとんど。)
シンガポールのカトン・アンティークハウスでは福建風、潮州風などの見事な提灯の数々がダイニングルームに飾られていますので、機会があったら是非ご覧下さい。
PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
メール
URL
コメント
文字色
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
secret
  • 貴重な文化遺産
Miki 2008/01/05(Sat)12:15:37 編集
伝統的な提灯は絵なんかも細かく描かれていて、かっこいいですね。シンガポールにもペナンやマラッカにも未だにこういう提灯を作っている職人がいます。ペナンで見学に行きましたが、職人さんは高齢で、もう受け継ぐ人がいないとか。それに工房もそれはそれはオンボロでしたね。

もうすぐ中国正月ですから、マラッカあたりできれいなのがいろいろ見られると思います。
  • 無題
2008/01/05(Sat)13:30:58 編集
へえ、今度は提灯みるときは気をつけてみなくては

で、今年もよろしくお願いします

おはなし、楽しみにしています
  • 今年もよろしくお願いいたします。
Chie 2008/01/06(Sun)14:38:23 編集
大さん、新年早々、早速の書き込みありがとうございます。
今年も宜しくお願いいたします。

Mikiさん、ペナンで見たちょうちんカッコよかったですよね☆
特注で作ってもらって日本まで送りたいという友人がおりましたが、願いかなわずでした。

面白かったのは家の職業を示す提灯の絵付け。よ~~~く見ると働く人の様子や、縁起物の柄が実に沢山盛り込まれており、よくぞここまで・・・と感心させられます。
特に、ピナン・プラナカン・マンションのダイニングルームに、シャンデリアとともに飾ってあった提灯の美しいこと、何枚も写真におさめましたよね。

マラッカのBabaNyonyaヘリテージの階段にぽつんと置かれた提灯もこれまた素敵!(私たちの本の第5章見開きページの写真となっています)

ちなみに、お正月早々なんですが、お葬式の時にはこの提灯が青い色になるんですよ。青い地に黒い文字だけが浮かび上がり、厳かな迫力を醸し出しています。
  • 無題
おひるねさん 2008/01/07(Mon)01:06:20 編集
年始より興味深いお話し、楽しく読みました。

それにしてもこのブログ、以前から思っていましたが内容が濃いですね。
普段何気に見過ごしてしまう提灯ひとつにも、そんな違いがあるとは知りませんでした。
ほんと、今度からよく見て通るようにします。
今年もよろしく。
この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする:
  • ABOUT
プラナカンを中心に、シンガポール・マレーシアの話題をお届け。食べ物・旅行の話題が中心です。
  • プロフィール
HN:
Miki & Chie
性別:
女性
自己紹介:
シンガポールとペナンに住んで20数年、プラナカン協会会員です。ライター&コーディネート業務に携わっています。ご依頼・お問い合わせは下記ホームページからお願いいたします。
  • 便利ツール
Amazon 私たちの書籍もアマゾンでお求めいただけます
  • 最新コメント
[02/25 Chie]
[02/24 らんこ]
[02/24 Miki]
[02/24 らんこ]
[01/22 平岡弘子]
  • ブログ内検索
  • カレンダー
02 2024/03 04
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31
  • 最新トラックバック
  • バーコード
  • カウンター
  • アクセス解析
  • バーコード
Copyright © マレー半島モンスーン寄稿 All Rights Reserved.*Powered by NinjaBlog
Graphics By R-C free web graphics*material by 工房たま素材館*Template by Kaie
忍者ブログ [PR]