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マレー半島モンスーン寄稿
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先日、地球の歩き方取材班からシンガポールの喫煙規制について質問がありました。

シンガポールといえば、クリーン&グリーンの先進国、というイメージが広く定着していますが、喫煙においても世界の最先端を行っているということも皆さんよくご存知でしょう。タバコの値段は1箱ほぼ千円、そしてタバコの箱にはそれはそれは気持ち悪い「がん患者の内蔵」「奇形した胎児」の写真などが印刷され、「タバコを吸うとこうなりますよ」と警告しています。シンガポール人の多くが喫煙をせず、そんな人のそばでタバコを吸ったりすると、おもむろに「嫌な」顔をされるか、はっきりと「やめてくれ」と言われます。あなたのシンガポールの友人があなたに気を利かせてそう言わなくても、心の中で、彼はきっと「やめてくれ」と叫んでいると思ってください。

またシンガポールらしいなあと思ったのは、小学校などでも「喫煙は悪いこと。病気になります。」と教えているらしいのです。うちの娘ですが、うちの主人がタバコを吸うのをみると、ものすごく怒るのです。You want to die, ah?? と言ってタバコを取り上げます。「おお、学校で洗脳されてきたな」と思いました。

シンガポールでは基本的に公共施設の屋内では禁煙だと思っていて間違いないです。ここでよく外国人旅行者が誤解しているのは、路上で吸ってはいけない、と思い込んでいる人が多いこと。シンガポールでは屋内(とくに空調のきいているところ)で吸うのはダメだが、路上での喫煙はOKなのです。ただ、吸い殻や灰を道ばたに落とすのは法律違反です。だから吸い殻入れがあればそこで吸えばいいし、携帯灰皿を使用すれば、基本的にどこで吸ってもいいのです。公園の一部などで吸っていけない場合は、ちゃんと禁煙サインが掲示されています。

ここ1〜2年では全館禁煙を掲げたホテルが登場しています(Royal Plaza on Scotts, Hotel 81 Chinatownなど)。つまり客室内でも禁煙です。ですので愛煙家の方はホテル選びを間違うと悲惨なことになりますのでご注意を。

それでも去年まではディスコ、バー、ラウンジなどのナイトスポットでは屋内でも喫煙が許されてきましたが、今年7月よりこれらの娯楽施設内でも全面禁煙の条例が施行されました。ただし、環境省に認可された店舗では屋内の一部に「喫煙コーナー」を設けることが許可されます。
とにかく、飲食関連施設では基本的に全面禁煙であると考えてください。ただ、一部に喫煙コーナーがある場合もあります。屋台街などでは、喫煙ができるテーブルのところには床にマーキングがあったり、テーブルの色が変えてあったり、喫煙所を指定するサインが掲示されています。わからなければ、店員に「喫煙できるところはあるか?」と聞けばいいのです。

実に合理的なシステムであり、吸う人吸わない人双方にとってフェアーなシステムだと思います。

それで、私が日本に帰るたびにびっくりしてしまうのは、日本では、飲食店内での喫煙がいまだにOKだという事実です。千代田区などでは路上での喫煙が禁止されていますが、私やシンガポーリアンからいわせると、ナンセンスもいいところ。路上はダメで、屋内ではOK、というのは理解できません。
吸わない人にとって、食事中にすぐ脇で吸われることほど不愉快なことはありません。飲食店でも喫煙席と禁煙席を分けているところはありますが、屋内はOKで屋外のテラス席がだめ、という喫茶店があって、本当に理解に苦しむのです。屋内に煙がこもるじゃないですか?空調施設もヤニで汚れます。

シンガポールのように飲食店内での喫煙を法律で禁止している、あるいはそれがマナーとして当たり前である国はたくさんあります。マレーシアでもタイでも基本的に飲食店内の屋内では禁煙が当たり前です。欧米ならなおさらでしょう。それが、日本では、閉め切った飲食店内で堂々と吸う。人が食事をしているそばで平気でプカプカ、こんなマナー違反をマナー違反と気がつかないのは何なんでしょうか?

千代田区などの条例は、要するに、吸わない人への配慮ではなく、清掃のコストを下げることしか考えてないといわざるをえません。
一番大切なのは、吸わない人への配慮、思いやり、だと思います。

ちなみに余談ですが、シンガポールらしいなあ、というお話。

シンガポールへは海外からのタバコの持ち込みは一切禁止です。シンガポールで吸う煙草は、シンガポールでお買い上げください、高い税金とともにね、ということです。ですので、日本などの免税店でタバコを買ってくるのは許されません。必ず申告が必要で、タバコ一本につきいくら、とお金を払うことになります。だまって持ち込もうとしたのがばれると多額の罰金が課せられます。

ところが、シンガポールの空港内の免税店ではタバコが売られています。ご丁寧にシンガポールの写真入りのマイルドセブンまであるのです。
つまり、「シンガポールにはタバコは持ち込まないでください。だけど外国へのおみやげにタバコをもっていくのは、大いにやってください! 外国ならどんどん吸ってもらって結構です!記念にシンガポールの写真もつけましたよ!」 なのです。
ずいぶん、あからさまですよね。
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  • 日本はいまだに・・・・・
Chie 2007/11/18(Sun)04:59:02 編集
Mikiさん

まったくもってその通り、日本は今でも多くのお店(きちんとしたフレンチ・レストランですら)禁煙ではありません。

NYに住む甥や姪が日本のレストランに入って真っ先に嫌がるのは「ここはタバコ吸える所なの??」ということです。
毎回禁煙の席を予約しますが、日本の場合禁煙の場所がはっきり仕切られているわけではなく、臭いは回ってきます。同じ空気をシェアーしている単なる禁煙エリアなのです。
空調があるから大丈夫ですよ、と言われますが、タバコの臭いは敏感な人にはすぐにわかります。

最も酷い目にあうのはお寿司屋さん。

高い値段を取りながら、タバコを許すお店が圧倒的に多いですね。お金を落としてくれるお客様なら愛煙家もウエルカムとでも言いましょうか。

狭いカウンターに横並び、隣でぷかぷかやられた時は、あからさまに嫌な顔をして睨むようにしますが、そんなの全然お構いなしです。むしろ「おたく何??」とあちらから嫌な顔をされます。

姪っ子が以前「タバコの臭いで気持ち悪いので席を替えてください」と言った時、言ったほうがむしろ悪者、変人、それこそ場の空気が読めないKY扱いをされ、お店の人はもちろん、隣の客からも嫌な顔をされました。喫煙して何が悪い!自由だろ!とでも言いたげでした。

高度に成長した国の中で、公共のモラルと、一般人の文化意識と禁煙感がダントツに低い国が日本だと思いますね。

おまけですがTV番組の「幼稚」さも世界有数です。
海外から帰国した友人の多くが、日本のTVを見ると「稚拙な内容、しかも子供には見せられないシーンが沢山!」と驚きます。

私はフード・ライターをしていますが、愛煙家のシェフ、タバコ片手に料理について語るライターなど、一切信用しません。

中にはタバコを吸ったほうが、味覚が鋭くなる・・・と言う人もいますが、そんなのは言い訳だと思います。
  • 無題
Miki 2007/11/18(Sun)10:11:35 編集
タバコのマナーについては、ある意味、日本の吸わない人たちが自分の権利に気がついてないだけ、と思うのです。吸わない人にとっては煙の匂いは不快なのであり、それを不快だと声を大にして言ってもいいのだ、という事実に気がついてない。また日本人は「我慢」「泣き寝入り」が好きな(?)人種であり、自分が被害者であることも気がつかない。海外にいって小学生のように騙されてくる人もいっぱい。騙されたのすら気がつかないお目出たい人もいる。

私が日本に帰って驚くことのもう一つは、深夜の街中。ネクタイ締めた酔っぱらいが恥も知らずに地べたで寝転んだり、ゲロ吐いたり、よその人に絡んだり、こんな醜悪なシーンはアル中大国ロシアですらありませんよ?
いるとすれば、それは浮浪者同然の人間か、麻薬患者とか、そういう社会を逸脱した人間です。とっても日本独特です。
日本では日常茶飯事化しているので、酔っぱらってない人もそれほど冷たい視線はむけない。大体、海外でそんなことやったら、身ぐるみ剥がされちゃいますよね。女ならレイプしてくれ、と言ってるようなもの。ホント日本は危機感ゼロだな〜、と思います。

私はシンガポール人ほど潔癖性ではないです。だから吸いたい人に「吸うな!病気になるぞ!」なんてこともいいません。でも、吸わない人にとては煙は臭いのだ、おならを吹きかけているのと同じなのだ、とっても失礼なんだ、ということを知ってほしい。それさえ守ってくれれば、平和になりますよ。現に、シンガポールでは吸う人もちゃんと心得ているから、こんな争議にはなりません。とてもカンタンなことです。吸いたかったら、席をはずす、外に出る、それだけです。
でも馬鹿な条例のせいで、お店の外に出てタバコを吸うってことが出来ないのですよね。ホント日本の行政は何やってんだろ・・・
  • 無題
Chie 2007/11/19(Mon)20:45:33 編集
Mikiさん

深夜の路上、車中での醜態は、本当に身包みはがされてしかるべき!と思います。

居眠りもできる安全な国、と言ってしまえばそれまでですが、海外では通用しないことが多いですね。

今、女性があたりかまわず電車の中で化粧をしています(よく見ると、よくぞ器用にゆれる車内でアイラインも入れて、眉毛も書いて・・・・と思いますが・・・・)
そんな仕草をヨーロッパでしたら、私は売春婦です、と言ってるも同じです。

ほんと、お気楽人間ばかりの光景が目につきます。
  • そもそも違法に
Aquilah 2007/11/29(Thu)15:00:49 編集
禁煙などといっていないで、そもそもタバコ自体を法律で禁止にすべきだと思います。なにしろあれ以上に中毒性の強いものは、他の麻薬にもないですし、なによりもどんな麻薬よりも罪のない周囲の人間への有害性があるわけですから。。
シンガポール、その意味ではあこがれですが、実はもっとすごい国が。ブータンでは、法律でタバコ自体が違法ですよね。最近改悪がされてきつつあるようですが、以前のままの「国民総幸福」をかかげた中毒者(ゾンビ)のいない国が世界に1国だけでもあることは、勇気になります。
  • 無題
Miki 2007/11/30(Fri)09:37:36 編集
Aquilahさん、いらっしゃいませ。

私などは別にそばでプカプカやられないのならそれでいい派なのですが、それでは手ぬるいでしょうか。
ブータンは法律で禁止なのですか??すごいですね。
あそこ仏教ですよね、宗教は関係ないのか?
タバコは健康に害を及ぼす、とはいっても、たとえばこちらの中国系などは、鄧小平はチェイン・スモーカーとして有名で、相当な量を毎日吸っていたのに長寿だった,と言って、「だから俺も平気」という人が多いですね。
  • 無題
nanami 2009/12/11(Fri)08:01:27 編集
路上喫煙の禁止、ありがたいですよ?外であっても煙草の臭いは本当に不快ですから。
飲食店も禁煙にして欲しいですが、全席禁煙の数少ない店を選べばいい事ですから、まだましですね。道を歩く事は避けられませんから。
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プラナカンを中心に、シンガポール・マレーシアの話題をお届け。食べ物・旅行の話題が中心です。
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