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マレー半島モンスーン寄稿
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5fa7f10e.jpegちょっとタイムリーな話題というと、今シンガポールもマレーシアもインド系の人々にとっての正月、ディーパ・バリDeepa Valiを今週木曜日に迎えて賑わっています。
ペナンもシンガポール同様インド人の多い土地で、植民地時代に英領インドから労働力として連れてこられた囚人たちや商人たちの子孫が暮らしており、ジョージタウンにはリトル・インディアと呼ばれる地区もあります。今の時期、リトルインディアはネオン装飾で彩られ、正月用の菓子を売る露店などが立ち並び、楽しいものです。

インドと言ってもいろいろな地方があり、あまりにもその世界は深すぎて、私もインドのことはほとんど知らないも同然ですが、こちらにいるタイプは南インドのタミール人が多く、タミール系はすでに1500年も前からマレー半島に来ていた痕跡があり、マレー語にもタミール語の影響が多く見られるそう。現代でもインド系住民たちはタミール語を話す人が大半で、学校ではタミール語を習います。また、多くはヒンドゥー教徒とイスラム教徒、キリスト教徒のグループに分かれています。その他にも北から来たシーク教徒もいます。


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こちらにいると、よくMamakという呼び方も聞きますが、これはイスラム教徒のインド人を指します。彼らはよく新聞スタンドやキオスク、よろずやなどを経営しているので、こちらでは「ちょっとmamak shopで買ってくるわ」とか普通に会話で使うのです。Mamak屋台の食べ物はイスラム教徒用なので、マレー人も問題なく利用できるほか、中国人たちの姿も珍しくありません。テー・タリク(ミルクティー)を飲んだり、ナシ・カンダール(ぶっかけ飯)を食べたりと、人種を問わず人気が高いのです。

このナシ・カンダールはペナン名物であり、シンガポールにはこういう呼び方をする食べ物はありません。シンガポールのmamak屋台は、たいていがブリヤ二・ライス(炊き込みご飯)ばかりです。カンダールとは天秤棒のことだそうで、昔は天秤棒で担いで売っていたそう。ナシ・カンダールの店はリトル・インディアの他にもペナン通りにも数多く軒を連ね、中でも有名なのは路地にテーブルを並べただけのLine Clearという店。私はここの料理だけでなくテー・ハリアというジンジャー・ミルク・ティーが好き。よその店よりも倍のショウガが入っていて、辛い辛い。ナシ・カンダールはお皿に盛ったライスにごちゃごちゃとおかずをぶっかけてもらうもの。ぶっかけライスはシンガポールにもありますが、違うのは3種類くらい異なる種類のグレイビー(カレーの汁)をまぜながらかけてくれること。それもたっぷり、それがナシ・カンダール流なのだとか。
 
IMG_6052.jpg またママックというと、有名なのはミー・ゴレン(やきそば)です。よくガイドブックなどで混同されてますが、ミー・ゴレンは本来ママックたちの料理であり、マレーでもチャイニーズでもないのです(今はそういうものがあるけれど)。ペナンのミー・ゴレンは美味しい・・・。するめを柔らかく戻して、その戻し汁とともに麺を炒めるので香りがとてもいい。そこに厚揚げだのふかしたポテトだのを切って具にする。これが本来の味なのだ、昔はシンガポールにもあったんだよ、とペナンの有名なミー・ゴレン屋台のおじさんが話してくれました。

それから日本人にもファンの多い、ロティ・チャナイ。シンガポールではロティ・プラターと呼ばれているパンケーキ。子供も大人も大好き、カレーで食べてもいいし、砂糖をかけてもおいしい。プーケットなどタイでは果物やココナッツを入れてクレープ風にして食べてて、これも美味しかったです。

インド系は我々日本人からしてみると、いっしょくたに「インド人」になりがちなのですが、マレー半島にしかない文化もあり、とくにママックの食文化はユニークですね。
マレーシアにいらしたら、是非こういうものをトライしていただきたいです。
とくにペナンでは、シンガポールでは失われてしまったものが何かと残っていて、
貴重な食体験ができますよ。
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  • 無題
Chie 2007/11/07(Wed)01:23:51 編集
MamaK Shopの意味がわかりました。
シンガポールにいた時、ローカルの子が団地の下にあるママ・ショップでちょっと足りないものを買ってくる、とよく言ってたんですよね。
ママ・ショップ=お母さんの店、なんて可愛らしい名前だろう・・・・と長いこと勘違いしていました。「よろずやさん」とはまさにそのとおり!

ミーゴレン、ペナンで食べたものは確かにスパイシーでおいしかったです。インディアン・ミーゴレンと名のる店もありましたが。
なぜか麺にポテトが入っていて、しかも芋がふかしてあるから、麺と絡むと「こふき芋」状態になり、すこしトロミがつく。不思議な味でしたが後を引くんですよね。スルメを戻して麺を炒めるというのは、なんだかホッケンミーに似た感覚ですね。

しかしMikiさん、なんでインド系の食べ物って、こう「赤」っぽいんでしょうかね~~~?
菓子もわざわざオレンジ色にしたり、好きですよねインドの人って。
  • 無題
2007/11/07(Wed)04:03:38 編集
へえ、1500年前から、ですか!

で、ぶっかけライス、わたし最近本当に関心
もってます(笑)

こうお聞きすると、インドもまた、アジアの民
なんですね。
  • 無題
Miki 2007/11/07(Wed)11:34:44 編集
なぜ焼きそばにポテトが入っているのか、私も不思議でしたが、ちょっと濃いめの味付けの麺にふかしたポテトがごろんと入っているのは、味のバランス的にはいいんですよ。そう、なんで赤くするんですかね?漬け物なんかでも赤くしてあるのありますよね?味的には赤の特徴はないのに。やっぱ縁起がいいんでしょうか。赤に近いオレンジ色の砂糖とかもありますよね。

大さんの日記のカレーぶっかけめし論も面白く読ませていただきました。日本人もぶっかけ飯が好きですね。中国系も負けずに好きですよ。ただしよくわからないのは、日本は単品を載せるだけ(極端に言えば、築地市場なんかでダブルがけとかありますけど)ですが、中国系とかマレー人、インド人なども一つのライスの上に複数のおかずをぶっかけるのですよ。それでは味がまざっちゃうじゃないかと心配なのですが。しかも、こちらの人は、汁をかけながらご飯を食べる人が多いです。ライスの種類が影響しているんじゃないですかね?
こちらの米はパサパサだから。日本の牛丼屋で「つゆだく」とかいうらしいですが、ナシ・カンダールはそのくらい汁をかけるものだそうで、「つゆだく」ではなく「洪水」と呼ぶんだそうです。
  • 無題
Chie 2007/11/08(Thu)04:58:01 編集
Mikiさん

「洪水!」ですか。なるほど~~~と笑えます。

日本の場合お米自体に水分がたっぷりで甘味が強いから、ぶっかけ飯と言えどもあくまでもご飯が主体、のような感じで、1杯でお腹がいっぱいになってしまいます。
大食いの私にとっては汁気を吸いづらい、いくらでもお腹におさまるパラパラ米も大好き。

先日、東京でカリーを何百軒と食べ歩いている人が堂々と、「あそこのカリーはおいしいけど、米がまずい」と言っておりました。そのまずい米というのを聞くと、コシヒカリの新米ではない米、という意味らしいのですが、思わず笑ってしまいました。

さらさら系、こってり系、はては日本のママ・カリーのような様々なカリーがあるでしょうが、それにもコシヒカリを合わせたがる自称カリー通の日本人。
世界は広い、もっと見聞を広めていただきたい・・・と内心思いつつ、延々と終わることのない話を聞いていました。
バスマティライスもジャスミンライスも、ベトナムのお米もおいしいぞ!!!

話がお米にそれました。
Mikiさんと行ったカトンのナシ・パダン屋で、スープだけ別盛りで様々追加してましたが、それもありだな、と思います。グレイビーをかけるか?と聞かれてOKすると、まさに「洪水」のサービスですから。こういう大らかなところが好きですね。

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シンガポールとペナンに住んで20数年、プラナカン協会会員です。ライター&コーディネート業務に携わっています。ご依頼・お問い合わせは下記ホームページからお願いいたします。
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