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マレー半島モンスーン寄稿
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またごぶさたしてしまいました。

日本在住の著者チエさんとマカンマカンのシェフ平岡さんが来星し、3人でマラッカ&イポーの取材兼グルメツアーをやってまいりました。

マラッカ滞在はなんと8泊、イポーは3泊でした。
それでもマラッカはまだまだ日数が足りません。友人たちに食事に招待されたり、お世話になった家にご挨拶に伺っているだけでも時間があっという間になくなってしまいます。
でもこういった人脈こそ、プラナカンの研究や取材にはかけがえのないもの。
首を長くして私たちの到着を待ってくれている人たち(行く前にも何度もメールや電話が・・・)、心からの厚い歓待、それを思うと、一人一人大切にしたいという気持ちの方が強くなります。
というわけで、また今回も予定通りの取材はできませんでした(笑)。

マラッカはユネスコ世界遺産登録に加え、シンガポールのテレビドラマ「リトル・ニョニャ」のロケ地としてシンガポール人観光客が激増、ババ博物館は多いときで一日600人も来館者があるそうです。街中がとても活気づいており、このドラマは中国でも放映されたらしく、中国からの団体ツアーも増えていてびっくりしました。
当然タクシーの相場(むろん交渉制ですが)なんかも上がってしまいました(泣)。

街中には以前よりも飲食店やショップがぐーんと増えました。なじみにしているビーズサンダル&クバヤ専門店で聞いた話では、注文が殺到し、クバヤのオーダーメードは4ヶ月待ちになっているのだそうです。

しかしこの好景気もまだまだやっぱり一部のことであり、ひっそり静まり返った裏道、観光客の訪れない昔ながらのお店もたくさんあります。
ヒーレンストリートの古い家屋は壊滅寸前のものもあり、ユネスコ世界遺産になったからといってこれらの家の保存運動が進んでいるわけではありません。またこれらの家々はシンガポール人が結構買い占めているようで、それもまた心配です。

一番の問題は、これらの家々で無人化している家をツバメの巣の養殖場にしている家が増えていることです。この辺を歩くとやけにツバメが多いのにお気づきの方も多いでしょう。鳥の鳴き声がすごい家もよくありますよね。ツバメの巣の家になった家は、表側をきれいに塗り直したりして、一見家を修復したかのように見せているところが多いです。一見綺麗なのですが、窓がぴったりと閉められており、その扉にはつがいがありません。つまり窓は窓として機能しておらず、永遠に閉ざされてるのです。屋根の切り妻のあたりに小さな穴があいており、そこから鳥が出入りしているのがわかります。

このようなツバメの巣の家は違法です。しかしなかなか取り締まりができないそうで、地元のNGOは手を焼いています。鳥の糞公害も問題ですし、歴史的建築が壊れていくのは何よりも残念です。

そんな中、私たちの本でも紹介している、カリー粉を手作り販売しているオン・ファミリーが、家の老朽化を理由に家を売ることにしたのだそうです。それはとっても寂しい、と家のおばあちゃんに言うと、「私の方がもっとさびしいよ。あんたたちをもうこの家で迎えられないなんて。あたしゃここで死にたかったよ」と嘆いていました。シロアリによる床の老朽化がひどく、それを修復するお金もない、売るしかない、のだそうです。
この家も買い手によってはツバメの巣の家にされてしまうのでは、というのも心配ですし、世間知らずのオン・ファミリーですから、安くたたかれるのでは、というのも心配です。
一応現地のNGOや識者の方たちに良い買い手を捜してくれるよう頼みましたが、気がかりです。
本当は私が買えばいい、と一瞬思いましたが、知り合いの思い出がいっぱい詰まった家を買うというのはちょっと・・・

というわけでファミリー一同かなり気落ちしている様子で、家の扉も閉まっていることが多いですが、マラッカに行かれた方は表のベルを鳴らしてみてください。おばあちゃんたちは日本の方が来ると、とても喜びます。ただし尋問には覚悟してくださいね(笑)。カリー粉だけじゃなくてマラッカ名産グラ・メラカ(パームシュガー)も売ってますよ。

今回かなりの変貌に驚かされたマラッカ、また次回のブログでご紹介します。
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  • 家の老朽化が理由で家を売る。。。
2009/03/08(Sun)00:11:12 編集
本当に残念。
売りたくないのだったらスポンサーを見つけるとか、なにか良い手はないのでしょうかねえ。。。家はそこに似合う人が住んでこそ生きると思います。
小娘惹のブーム(マレーシアではastroで放映されたそうです。中国もastro経由かな?)でマラッカは混んでると聞いたので、足が遠のいていたのですが、、、
次回のブログを楽しみにしています。
  • 無題
Miki 2009/03/08(Sun)10:26:55 編集
ま さん

こんにちは。オン・ファミリーの人たちは、もう化石のような人たちなので、画期的な案など思いつく訳もなく・・・。
1階の床はオランダ時代からのテラコッタ・タイルで、拭き掃除するのも超大変だ、と以前年末の大掃除のときに息子さんが嘆いてました。何しろファミリーはおばあちゃんだけでなく息子さんたちもかなり年配で、年寄りばかりでメンテするのには限界があるのでしょう。

とはいえ、おばあちゃんには生涯この家に住んでほしかった。

こういう家がなくならないように、補償してやるとか措置を講じるのもユネスコ世界遺産に指定された都市の義務なのでは、と思いますけどね。変な街のライトアップやらしょうもない観覧車作るんじゃなくて・・・。
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