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マレー半島モンスーン寄稿
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26日から始まった旧正月は15日間続きます。その間プラナカンたちは特別なお供えをし(昨年の旧正月のブログをご覧ください)、15日間の中でも特に大切な日の幾日かは、またさらにお供え物をし、一年が良い年でありますようご先祖様、神様にお祈りをするのです。信心深いプラナカンのしきたりは、中国本土でも忘れてしまったものが多いと言います。

それと同じく、日本を遠く離れ異国の地に暮らしているご年配の方々のほうが、美しい日本語を話し、忘れられたしきたりを頑なに守っている人が多いような気がします。離れてみてますます募る祖国への思い。異国の地でのお正月の過ごし方は自分のアイデンティティーを再確認する機会なのかもしれませんね。

信心深いプラナカン同様、マラッカにはまだ見ぬ祖国?ポルトガルに思いをはせるクリスタンの人々がいます。熱心なローマン・カトリックの信者である彼らの結婚式に欠かせない、おめでたいスイーツ・スージーケーキ(Sugee Kek)を紹介しましょう。

P1060002.jpgスージーとはセモリナ粉のこと。その名の通りセモリナ粉で焼きあげたケーキです。お味はパンデピスか、パウンドケーキのようなもの。
ウェディング用にはケーキを何段か重ねてシュガーデコレーションをし、マジパンなどで飾りをつけます。
しかしパスタやクスクスなどに使うデュラム小麦を粗びきにしたセモリナを使うのですから、下手な人が作るとぼろぼろパサパサになることもしばしば。

以前シンガポールのとあるユーラシアンレストランで、一口食べただけで吐き出したことがあるほど、こんな不味いケーキが存在するのか!という私たちにとっては曰く付きのスイーツなのです。



ところが、丁寧に作られたスージーは、粉とバターと卵の豊かな風味がほど良い歯ざわりとともに口の中でほどけ、実に味わい深いものでした。
毎日食べても飽きない素朴な味は、ヨーロッパ伝統菓子を彷彿とさせるもの。クリスタンの人々がスージーケーキを特別なスイーツとして大切にしていることが、美味しいスージーを味わってみて初めてわかりました。

レシピを知ると美味しいはずです(しかしカロリーが超恐ろしい!)。バターとセモリナ粉と砂糖がほぼ同量といったパウンドケーキ風のものあれば、レシピによっては粉のほぼ倍の大量のバターを使うものも!これに平均して卵黄が数十個ですから!大量の卵黄と言えばポルトガル菓子の代名詞みたいなものですね。さらにアーモンド粉が入り、スパイスや砂糖付けのフルーツやナッツなどを加えることも。あらかじめセモリナ粉にバターをよく練り合わせ一晩置くのがしっとり焼き上げるポイントです。

クリスタン料理の研究家Celine Marbeckさんによると、結婚式で出すスージーケーキにはいくつかのタブーがあるそうな。
お手本は中までしっかりと火が通りパーフェクトに焼き上がったスージーケーキ。パーフェクトな焼き上がりはパーフェクトな結婚を意味し、中が半焼けや半生焼けの状態は、ベストカップルではない不吉な記しだそうな。

「いくらなんでも中まで火が通るのは当たり前でしょ!」と言いたくなりますが、それほどまで完璧に焼き上げるのが大変なケーキなのかもしれませんね。

写真は美味しいスージーを作ってくれた平岡シェフのもの。日本で売っているセモリナ粉はキメが細かくて美味しく作れるそうです。
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  • 無題
Miki 2009/02/05(Thu)15:34:33 編集
>日本を遠く離れ異国の地に暮らしているご年配の方々のほうが、美しい日本語を話し、

台湾とかのご老人(現地の方)がきれいな日本語を話したりとかはよく聞きますよね。

今どきの海外日本人はどうでしょうね。
うちなんてジャパニーズ・シングリッシュを次々に発明してますよ(笑)。しかも十分すんなり通じるのだから面白い。

ペナンでごちそうになったスージーケーキもおいしかったですよ。スージーケーキはもとももとスリランカ発祥と聞きました。でもクリスタンの家では欠かせないケーキです。アジアの海を支配したポルトガルらしいルーツを持つケーキといえるでしょう。

レシピによってはバターじゃなくてギーですよね。あとローズ・エッセンスを加えるのもインド風です。
  • 無題
Chie 2009/02/05(Thu)17:18:30 編集
美しい日本語はご年配に限りますよ(笑)

日本人ではありませんが、以前Mikiさんと訪ねたペナン・プラナカンの重鎮Dr.Ng宅でのピアノ演奏を覚えていますか?明治時代か大正時代か知りませんが、私たちが生まれる遥か昔の日本の曲を演奏されていたのにはびっくり仰天でしたね!!「この曲を知ってるか?」と言われたって、知るはずがないでしょう~~!!当時ペナンに渡った日本人の間で当時流行っていた曲なんでしょうね。

スージーケーキもニョニャ・クエと同じように、「スージーケーキならあの人」というように名人がいたはずです。家々によってレシピも微妙に違い、口あたりを良くするために普通の小麦粉を混ぜたり、ブランデーや、Mikiさんがおっしゃるようにローズエッセンスを加えたり、クエ・ラピスなどに加えるスパイス・ミックス(ヨーロッパの祝祭菓子に使われるスペキュラス風味のもの)や冬瓜の砂糖漬けを入れたり、まさにクレオールケーキと言いたいほど、焼きっぱなしの素朴なケーキひとつにも、色々な食文化の要素が含まれており、面白いですね。
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