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マレー半島モンスーン寄稿
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日本マレーシア協会さんからのお知らせです。


~アジア大交流時代のグローバル人材育成へ向けて~


マレーシアは海外との教育交流が盛んで、30年前からはルックイースト政策のもとで日本との交流も積極的に進めています。近年、英語を公用語とするマレーシアでは、より積極的に海外の高等教育機関との提携を深めており、我が国においても比較的近く、安全で、欧米に比べて安い費用で英語が学べる国として、高校生や大学生の教育研修先として、また、企業の人材育成拠点としても注目を集めています。

熱帯の自然に恵まれたマレーシアは、環境教育やエコ活動を学び体験する最適地の一つであり、環境と観光をテーマとしたインターンシップ・プログラムの実施先としても関心が高まっています。

セミナーでは、21世紀のアジア大交流時代において活躍できる人材育成事業をマレーシアで実施する意義や利点、そして各種素材や実際のプログラムについて幅広くご紹介する予定ですので、奮ってご出席の程お願い申し上げます。



日時:平成24年2月23日(木) 14時~16時(受付開始13時30分)
会場:紀伊國屋ホール(新宿東口)紀伊國屋書店本店4階


プログラム(予定)
・主催者挨拶
・マレーシアでの各種教育プログラムの紹介
・アジア太平洋テクノロジー&イノベーション大学(マレーシア)による海外留学生向けプログラム紹介
・「ルックマレーシア」プログラム紹介と2011年度参加学生の体験報告
・マレーシアでの教育研修実例紹介
 小野沢純氏 拓殖大学国際開発学部教授
 横川 潤氏 文教大学国際学部国際観光学科准教授
・質疑応答

共催:マレーシア政府観光局・社団法人日本マレーシア協会
後援:紀伊国屋書店

<参加無料>
参加ご希望の方は、お名前・ご所属・ご連絡先を明記し、
taku-arai@jma-wawasan.com までお申込みください。

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寒中お見舞い申し上げます。


新しい年が明けてすぐに悲しいお知らせがありました。


わたくしたちのプラナカン研究の礎を築き、公私に渡り多大なるお世話になったマラッカのババChan Kim Lay氏が1月6日にお亡くなりになりました。
享保88歳。




しきたりではお亡くなりになられた数に男性は3歳プラスするそうで、91歳という年齢になっておられましたが、百歳まで生きるとおっしゃっていたお爺様ですので残念でなりません。


6日の早朝、ご家族から訃報の知らせを受け、翌日には荷物をまとめ平岡シェフと共に夜便でマレーシアに飛びたちました。

気品あふれる面立ちに、茶目っ気たっぷりのお爺様に魅せられ、マラッカに数えきれないほど通い続けた私たち。

普通の取材では到底開かれることの無い、閉鎖的なプラナカンの世界の扉を外国人の私たちに大きく開いて下さった方でした。


東日本大震災の日にも真っ先に連絡を頂き、必要なものがあれば何でも送るから、大変ならマラッカにいらっしゃいとまでおっしゃっていただいた事、昨年の暮れ病院にお見舞いに伺った際には、病床におかれてもニョニャ粽の作り方や、ニョニャ・ババのあれこれをベッドの上からにこやかに教えて下さった姿は決して忘れることができません。


ババ・ニョニャ・ヘリテージについて、こちらのブログでも幾度となく紹介させていただきましたが、戦争時代を知るプラナカンの重鎮を失ったこと、またその暖かい人柄と優しい笑顔にもう二度と接することがきないのだという思いは、言葉では言い尽くせない深い悲しみと、そして感謝の気持ちでいっぱいです。

古き良き時代を知る華麗なるプラナカンの歴史が、ひとつ幕を閉じたような気がいたします。


本来、葬儀を語るのは甚だ失礼・不謹慎かと思いましたが、生前賑やかな事が大好きだったお爺様、ビデオカメラやフラッシュがあちこちでたかれる壮麗な葬儀でしたので少しだけお伝えさせていただきたいと思います。


お葬式は亡くなられてから5日後の10日に行われました。
数えきれないほど沢山の花々に囲まれたお通夜の席では、お爺様の大好物ニョニャ・クエが振る舞われ涙しました。



10日の葬儀にはパトカーや救急車まで出動し、道を交通止めにまでする壮大なババ・ニョニャ式のお葬式でした。
マレーシア最古の福建寺院「青雲亭(チェンフンテン)寺院」からも追悼の旗と提灯の行列がありました。


ご自宅を出た棺は、お爺様の生家である博物館の前をゆっくり通り一礼。もちろん葬儀当日は博物館もお休みです。




その後、先頭を走る棺を乗せた車の後を葬儀の楽隊と共に皆でお寺まで練り歩きました。

ご自身が多額の寄付をされたお寺の付属幼稚園児たちまでが、ずらりと沿道を囲み合掌しながらお爺様の見送りをしていた姿には深く心を打たれました。

棺を飾る極彩色を施した巨大な神輿型の埋葬品は、細部まで様々な装飾が施された特注品。今では見ることのできない特別なものだそうです。

財を成したプラナカンならではの豪華絢爛な装飾でしたが、これはそのあと燃やされてしまうんですね。


ひとつの貴重な歴史が幕を閉じる瞬間に立ち会わせて頂き、「プラナカンとは何ぞや!」と、最後の最期までご自身の身を持って教えて下さった気がして、始終溢れる涙を止めることがでませんでした。


生前お爺様から受けた沢山の恩義を忘れることなく、これからもプラナカンの世界を一人でも多くの方々に知っていただくように研鑽を重ねたいと思います。


ブログを通してではありますが、Chan Kim Lay氏のご冥福を心よりお祈り申し上げます。

今回、アリッサとともに最も期待に胸をふくらませていたのがスルタンのデザートです。王室のある場所に必ず美味しいスイーツあり!は定番ですからね。


「ジョホールらしい、スルタンのデザートを教えていただきたい」という私たちの我儘なリクエストに対し登場したのが「ブルーダル(Bludal・Bluder)」という焼き菓子と、「スルタン・ケーキ」の2種類でした。ちなみにこの「スルタン・ケーキ」とは「サゴ・プリン」のことで、スルタンの大好物が「サゴ・プリン」だったことから、「スルタン・ケーキ」と呼ぶようになったそうです。

「サゴ・プリン」はサゴ椰子のでんぷんから作られたタピオカに似た小さな粒状のものをプリンなどの型に入れて固め、それにた~~っぷりグラムラカ(パームシュガー)とココナッツ・ミルクをかけていただく冷たいデザートで、ニョニャ料理にも登場するポピュラーな一品です。ぷるるんとしたサゴがノドをすり抜けるたびに、ヒンヤリとした食感が楽しめるデザートですが、グラムラカのクオリティーがモノをいうデザートでもあります。
上質なグラムラカは日本の黒蜜にキャラメルを合わせたような濃密な味で、これにフレッシュなココナッツ・ミルクが加わると南国の甘い香りが鼻をくすぐり、脂っ気の多いマレー料理の後にはぴったりの、清涼感あふれるデザートです。


スルタンが愛した「サゴ・プリン」がマレー風デザートの代表格とすると、次に教えていただいた「ブルーダル」は西洋そのもの、と言ってもよい国籍不明?の大変興味深い焼き菓子でした。

聞くと前菜で紹介したアリッサとともに、ハリラヤの時にだけ登場する王室で大切にしているデザートだそうです。見かけは何の変哲もないパウンドケーキやカップケーキといった感じのものですが、レシピを聞いて少々びっくり。卵黄の分量がハンパないのです。約24センチ四方のケーキ型に対して20個ちかくの卵黄が入ります。これにバターを約1箱分と砂糖に粉。



ふんだんに卵黄を使う、というとスイーツ好きには即ポルトガルから来たお菓子では!?と思えてしまうのですが、興味深いのはイーストが加わることです。このお菓子はパンという位置づけでもあるのか?と興味津々。

低温で長時間じっくり焼くとオーブンから取り出した時に表面がトロ~り半生になり、「王家の人たちは焼き立てのトロけた部分をすくって食べるのが好きなんですよ!」と親戚の方がおっしゃる横で、80歳になるスイーツ担当の熟練の職人さんはぴしっと「私はしっかり焼いたものが好きですので」と半生焼きを却下(笑)。カップケーキ型で焼いたものと、ホールで焼いたものの2種類を作って食べさせて下さいました。

 

「半生」と聞くと、日本で一時期流行った半生カステラやパンデローを思い浮かべる方もいらっしゃるかもしれませんが、味は似て非なるもの。もっとずっしり重たく少々ザラリとした食感に卵の風味が凝縮されたまさにヨーロッパの素朴な焼き菓子を彷彿とさせる深い味わい。ブリオッシュとパウンドケーキを足して2で割ったような、ユーラシアンのスージーケーキにイーストを入れたような。。。。卵黄たっぷりの断面は鮮やかな黄色をしています。



ブルーダルはインドネシアで比較的食されている焼き菓子ですが、イーストではなくTapei(タペイ)というキャッサバやもち米を発酵させた甘酒に似た風味を持つ食品を入れていることから、本来はもっと膨らみの少ない、タペイ独特の甘い芳香が加わったケーキだったのかもしれませんね。いずれにせよインドネシアがオランダ統治下時代にヨーロッパから伝わり、インドネシアの王室ともつながりのあるJB王室に伝わり大切にされてきたのが、このブルーダルという贅沢な焼き菓子と考えて良いかもしれません。紅茶と良く合う、妙にあとを引く印象深いお菓子でした。


2つのデザートを頂きながら感じたのは、王室から想像される飾り立てた華美なスイーツではなく、卵にバター、グラムラカに絞りたてのココナッツ・ミルクといった素材の味をじっくり味わうシンプルなデザートが好まれていたのには大変好感が持てました。シンプルなものほどテクニックを要するものですが、上質な素材を存分に使う事ができた特権ともいえるかもしれません。


さらにこの日はスルタンのご親戚のお婆様が作ってきて下さったクレーム・カラメル(焼きプリン)もテーブルに華を添えました。
これがまた素晴らしく美味で、写真を撮る前にすでに誰かさんが食べてしまったほど。




JBでこんなにおいしいクレーム・カラメルを頂けるとは・・・と思っておりましたら、後日購入した「Masakan tradisi Johor(ジョホールの伝統料理)」という本の中にこのクレーム・カラメルが載っていました。デザート1つとっても東西文化の交差点として栄えたJB独自の多種多様な食文化の一端を見ることができた気がいたします。



今回の旅でお料理からデザートまで教えていただきながら、マレーシアのスルタンの中でも別格の歴史を誇るジョホール王室、一皿ごとに研究心を駆り立てられる味付けや歴史的背景があり、JB王室の長大な歴史の一端を料理から紐解く喜びと、まだまだ知られていない料理が多いマレーシア、これからもっと研究しなくては!という気持ちでいっぱいになりました。
そして、この貴重な機会を設けて下さったご夫妻、スルタンのご親戚の方々に深く感謝申し上げるとともに、大切なレシピがこれからもずっと維持され守られることを心から願っています。


次はメインとなるお料理を紹介したいと思います。
この日はナシルマ・スタイルで、ご飯を中心におかずを幾つか教えて頂きました。


ナシルマ・・・・・というと、なんとなくバナナの葉っぱにくるまれて売られている屋台の安い朝ごはん、、、というイメージがあったのですが、そこはスルタン!「ロイヤル・ナシルマ」の登場です。


まずナシ(ご飯)を炊きます。使用するお米は「極上のバスマチ・ライス」のみ。これが鉄則だそうです。レモングラスやオニオンやガーリックにパンダン・リーフ、スパイスにはフェヌクリークを加えていました。これを100%フレッシュなココナッツ・ミルクで炊くのです。合わせるおかずはチキン・ルンダン(鶏のココナッツ炒め煮)と魚のターメリック煮込み、茹で卵と春雨のサンバル煮込みの3種類。大きな鉄の中華鍋をフル回転し、見るも鮮やかな手際で仕上げてゆきます。


チキン・ルンダンはマリネした鶏をまず唐揚げにし、一度取り出します。その後コリアンダーやフェネルシードといったスパイスに、ブルージンジャーやレモングラスなどのハーブのペーストにチリを加えたものを油で炒め、香りをずんずん油の中に封じ込めていきます。なんとなくインド料理の作り方に似ていますね。そこに先ほどの鶏を投入。


最初はこんな色をしていますが、これに刻んで炒った生のココナッツを加え、さらに炒め煮をするとだんだん深いチョコレート色になっていきます。

鶏肉以外にビーフを使ったルンダンも有名ですが、昔は牛肉と言ってもバッファローのお肉で作ることが多かったそうで、あのカチカチ・ぱさぱさのお肉にしっかり油をまとわせることにより、柔らかく炊こうとしたのだそうです。今でもマレーシアやシンガポール、インドネシアなどで味わうビーフ・ルンダンはお肉がゴムのように硬い佃煮のようなものが多いですよね。


魚料理はイトヨリ鯛に似たものと太刀魚をターメリックと塩でマリネし、素揚げをしたら


ココナッツ・ミルクや砂糖、タマリンドなどを入れて煮込み、最後にターメリックの葉っぱを入れたら鮮やかな黄色いカリーの出来上がりです。


ゆで卵と春雨のチリ煮込みも、ブラチャンやチリをきかせたスパイスMIXにココナッツ・ミルクをたっぷり入れ煮込みます。
卵はゆで卵でなくても、ポーチド・エッグやフライド・エッグでも良いそうです。


出来上がりをナシルマ風に盛り付けると、こんな感じになりました。


自家製のサンバルを添えて美しいお皿に盛りつけるとお料理が映えますね。ナシルマは朝ごはんとピクニックに行く時にだけ食べるそうで、スルタンのピクニックにはこのナシルマをティフィンに入れて運んだそうです。優雅な光景が思い浮かびます~。

さて、そのお味は・・・・・・まずご飯から。
あれだけココナッツ・ミルクをふんだんに使用したにも関わらず、実にさっぱりしているのにはビックリしました。
レモングラスやオニオンがほんのり香る極上のブリヤニ・ライスと化しています。

そしてチキン・ルンダンの素晴らしいこと☆☆あらかじめ鶏を唐揚げにしてあるのでとってもジューシー!それにからむココナッツのグレイビーは辛さも甘さも塩味も全てがまろやかに調和したパーフェクトな味!これをフランス料理ですよ~といっても過言ではない洗練された深い味わいに、平岡シェフも言葉を失うほどでした。


魚のターメリック煮込みもルンダンに負けないしっかりした味つけで、甲乙つけがたい美味しさです。普通、クリーム色をしたカリーはぼんやりとした味になってしまうことが多いのですが(きっとココナッツ・ミルクに負けてしまうのでしょうか?)これはターメリックのほろ苦さやココナッツ・ミルクの上品な甘さと風味が失われることなく絶妙な加減で煮込まれており、煮込み料理におけるスパイスの引き出し方に深く感銘を受けました。

「丁寧に作り込まれたマレー料理はフレンチに負けない味わいになる」 と、常日頃から平岡シェフと話していたのですが、今回この2つのお料理で確信できた気がいたします。

スパイスとココナッツの凝縮した濃厚な味を楽しむチキン、風味豊かで爽やかな魚のカリー、やさしい辛味の卵煮込みといった五味五色、それぞれがひとつのお皿の上で美しく映え、バランス良く楽しむことができた「ロイヤル・ナシルマ」。

極端な辛さ、甘さ、塩気というのは陰をひそめ、どれもが洗練されたまろやかなコクを醸し出しているのは世界の宮廷料理に共通することかもしれませんが、今回味わったスルタンのお料理は「インターナショナル・キュイジーヌ」としても世界に充分通用する洗練を極めた奥の深いマレー料理でした。  

次はいよいよデザートの登場です☆(つづく)
お次はJ.Bを代表する有名な「ジョホール・ラクサ」の紹介です。
もちろん今回はスルタン仕様の「ジョホール・ラクサ」です。

食通の友人から、ラクサならJ.Bラクサが一番美味よ!と聞いてはおりましたが、今まで味わったJ.Bラクサはフニャフニャのスパゲティ麺に、これまたはっきりしない味のスープが注がれたまったく感心しない麺料理でした。

しかし今回案内して下さった方はスルタンのラクサは「サラダ感覚でいただくものよ」とおっしゃっています。「サラダ・・??」ほおおお~っと期待に胸を膨らませてキッチンに立つと、料理のアシスタントをして下さった家付きのメイドさんが「めんどくさいね~~~」なんて言いながら、なんと胡瓜を「かつらむき」にしているではありませんか。
いくらマレーシアの胡瓜が日本のものと比べて太いとはいえ、胡瓜の「かつらむき」とは・・・
ひたすら全ての野菜を極細切りにし、おまけに茹で上げたスパゲティを全て同じ大きさに切り揃え、日本のしゃれた素麺盛りのように一口ずつきゅっとヒネリをいれて盛りつけています。こういう細かなところまで気を配るのがまさに「スルタンのお料理」なのですね。




グレイビーは、チリや干しエビ、塩魚などでスパイス・ペーストを作り、そこに2種類の魚の身をブレンダーにかけてドロドロにしたものを合わせて煮込みます。酸味付けにはアサム・ラクサに使うスライスしたドライ・アサム。魚用のカリーパウダーとココナッツ・ミルクも少々加えて煮込むと、美しい赤茶色をしたグレイビーの完成です。


食べる時はまずスパゲティをお皿に盛り、その上に好きな野菜やハーブをどっさり載せ、グレイビーをたっぷりかけ、またその上から野菜を少々載せていただきました。

トッピングする野菜の中には、チャイポーという沢庵に似たお漬物もありました。このチャイポーに香り高いホーリーバジル、ダウン・カドというエゴマに似た葉っぱや生のいんげん、もやしや赤玉ねぎなど、どれも違った歯ごたえと香りを持つ野菜の組み合わせに、これもきっとバランスを考えたチョイスなんだろうな~と、感心しながら見ていました。

さて、スパゲティ・ミートソースならぬ「スパゲティ・フィッシュ・ソース」を味わってみると、香ばしいハーブに魚や蝦やスパイスの複雑な味が溶け合い、それはそれは爽やかでおいしい、まさにサラダ感覚のヘルシーパスタで、 あまりにも美味しく平岡シェフとともに2杯もおかわりをしてしまいました。



ペナンのアサム・ラクサほど酸や甘味が立つことも無く、魚系ラクサで有名なクランタン・ラクサのような魚臭さは全く無く、ちょっぴりカリー粉のきいたサラワク・ラクサのような香ばしさと、ココナッツ・ミルクの濃厚な味を楽しむニョニャ・ラクサの濃くをもあわせ持った、マレーシアじゅうのラクサのイイとこ取りをしたともいえる感動の味でした。
口の中で様々な食感が楽しめるのも心地良いことこの上なし!



今回、料理の講習にご自宅を提供してくださった90歳になられるというスルタンのご親戚の超美人のお婆様曰く、昔はきちんと麺を手作りしていたそうです。それが段々と作らなくなり、形状の似たスパゲティ麺に変わったとか。今ではJ.Bラクサといえばスパゲティを使用するのが当たり前になりましたが、少し前までは米粉で作られた、にょろりと押し出して作るラクサ麺だったのでしょう。

長い歴史を持ち、イギリスとも深いご縁を持つジョホール王室らしいハイカラな麺のチョイスにJ.Bらしさが伝わってきてこれもまた良いものだなぁ~と思いながら、素晴らしいラクサを存分に味わってまいりました。(つづく)


あっという間に師走になってしまいました。しばしご無沙汰しておりましたが、連日の寒さに風邪などひいておられませんか?

このたびご縁があり、マカンマカンの平岡シェフとともにジョホール・バルのスルタンのお料理を教えていただきにマレーシア&シンガポールへと旅をしてまいりました。
貴重な機会を与えて下さった方の旦那様がスルタンのご親戚ということもあり、渡航前から2人でワクワク・ドキドキ!
羽田発の深夜便でシンガポールへ入り、早朝陸路わずか40分でジョホール・バルに到着。



シンガポール在住時にはジョホール・バル(以下J.B)=見どころ無しの危ないところ、、というイメージが強かったのですが、行ってみたらそんなイメージが吹っ飛ぶオイシイものの宝庫 & マラッカ海峡を臨む風光明美な街が一気に大好きになりました。





今回お料理を教えて下さったのはスルタンの家に仕えた80歳と60歳の料理人のお2人。凛としたたたずまいや物腰はさすが宮遣いをされたと思える風格のある方々でしたが、一人はスイーツ担当、もうひと方はお料理担当という贅沢なダブル教授でした。

まず最初に、最も興味深いお料理のひとつとして、スルタンのハリラヤに欠かせないという「アリッサ(Halisa, Harrisa)」という前菜を教えていただきました。
私は最初「アリッサ」と聞いた時、クスクス等と一緒に食べる中近東や北アフリカにある唐辛子のピュレーしか思い浮ばなかったのですが、これは全く別物のアリッサでした。お味はふんわりとした上品なミートローフといった感じでしょうか?


鶏肉にオーツ麦とクローブやナツメグなどのスパイスと、ギーを混ぜてトロトロになるまで煮込んだものを型に流し込んで焼いたもので、食べる直前に薄くスライスしてさっと焼きあげ、平たくお皿に盛ります。何回もステップをふんで作られる大変手の込んだお料理のため、時間内には到底作れず、この日は既に仕上げてあるものを試食させていただきました。



アリッサには細かくすり潰した赤唐辛子に塩をまぶしたガラム・ラダを添えて頂くそうですが、「子供はこれに蜂蜜や砂糖をつけて食べるんだよ」と案内して下さった旦那様がおっしゃったので、試してみたら確かに蜂蜜との相性はぴったり☆   
鶏肉の代わりに羊やビーフでやる場合もあるそうですが、鶏肉が一番クセが無く上品に仕上がるので好まれているそうです。メッカで食べたアリッサはもっとドロリとしたお粥状のものだったそうですが、こちらのほうがずっと美味しいよ!とおっしゃっていました。
そのとおり、歴史を紐解くとこのアリッサは、もとは中近東にルーツを持つお粥状のもので、それがかつての大国「ジョホール・リアウ帝国」のスルタンに伝わり、リアウ王家とつながりのある現在のジョホール王家へと引き継がれていった由緒ある大変貴重なお料理だったのです。

そして今、ジョホール王家を代表する最も大切なロイヤル・レシピのひとつとしてこの「アリッサ」は受け継がれ守られています。

そういえば、教えていただく前日にスルタンのお姉様のご自宅にお邪魔させていただきましたが、その時も冷凍庫には自家製のアリッサがドーンと保存されていました。ジョホール王家にとって特別な意味を持つお料理なのだ、という事がこの時もひしひしと伝わってきました。

今回ハリラヤの時期ではないにもかかわらず、この大変貴重なお料理を、しかもスルタンの家に伝わるオーセンティックなレシピで味わうことができた幸せは、言葉では言い尽くせない喜びとして深く胸に刻まれています。(つづく)


陶芸センター、ガーデン・クーでペナンで初めての陶芸祭が開催されます。



日本の陶芸家を中心に、シンガポール、イポー、そして地元ペナンの有名陶芸家のジョイント展覧会を中心に、ペナンの陶芸教室ガーデン・クーの生徒さんたちの作品が展示されます。
また、陶芸フォーラム、ワークショップ、体験教室、実演コーナーと盛りだくさんです。

陶芸作品の一部は販売品となっており、マレーシアの方にとっては日本の人気陶芸家の作品を購入する貴重な機会ともなるでしょう。






日本から参加される陶芸家は瀬戸で活躍されている方たちです。竹内真吾氏、亀井幸一氏、亀井龍二氏、そして寺島裕二氏の4名と、特別参加でガラス工芸家の名和彰氏も参加します。

その他の陶芸家は下記のとおり:

ペナンから
Shamsu Mohamad

シンガポールから
Lim Hua Choon
Andrew Chua
Vernice Shong Hui Lian
Helena Chen

イポーから
Vooiyam Tam
Seah Boon Keat
Ng Sook Peng
Ng Ee Lyn
Ng Ee Vien

日本にはちょっとない新感覚の陶芸作品が目白押しです。

また、会場には日本食販売コーナーも設けられます。料理自慢の日本人の奥様たちが腕によりをかけたお惣菜がいっぱい。

是非ご家族ご友人お誘い合わせの上、おでかけください!


Penang Pottery Art Festival 2011
日時: 11月18日(開会式)〜 11月20日 (金、土、日曜)の10:00〜17:00
場所: Garden Ku, Jalan Kebun Bunga (植物園近く、Waterfall Hotelの向かいです)
  • ABOUT
プラナカンを中心に、シンガポール・マレーシアの話題をお届け。食べ物・旅行の話題が中心です。
  • プロフィール
HN:
Miki & Chie
性別:
女性
自己紹介:
シンガポールとペナンに住んで20数年、プラナカン協会会員です。ライター&コーディネート業務に携わっています。ご依頼・お問い合わせは下記ホームページからお願いいたします。
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