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マレー半島モンスーン寄稿
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新年快楽、恭喜發財!


今年もペナンに中国正月が参りました。

でも今年はシビアな不景気のため、花火も爆竹もほんの一瞬で終わりでした。
街中ではライオンダンスの音も聞こえてきません。マンダリン(みかん)の売れ行きも過去最悪とのことです。

いつもオープンハウスといって家にたくさんのお客さんを呼んでご馳走をふるまう家も、今年はごく親しい親戚・友人のみ、という有様です。

そしてなぜか涼しい。かつてない、ちょっと異様な春節となりました。

でもバリクプラウなどのカンポンはいつもどおり春節らしいムードで、カラオケや爆竹で大騒ぎ、
私の友人などはかなりお金をかけてローカル・フードのビュッフェを用意してくれました。
いまや街中ではまず味わえないクオリティのラクサ、ホッケンミー、チャークエティヤオをその場で調理、ブラチャン・チキンやチャイクエ、サテー、カリーチキンなども絶品、私に同行したK家のグルメ兄弟たちなどは昔ながらの味に感激し、とくに麺類などはそれぞれ4碗もおかわりするという図々しさ(笑)。
観光客のこないカンポンではまだこのレベルの味があったのか、と嬉しくなったそうです。

このようなカンポンでは、正月に振舞う菓子も自家製(そしてご近所や親戚で分け合う)なのが今でも当たり前です。
チエさんにどうしても食べてもらいたくて日本に行く娘にもたせたクエ・カピ(クエ・ブランダ、ラブ・レター)も、こういったカンポンのおばあちゃんに予約して作ってもらったものです。街中では買えません。シンガポールにいる頃は、工場生産のまずいクエ・カピばかりで大嫌いな菓子のひとつでしたが、手作りのものはまったく別物だと知りました。

有名なパイナップル・タルト、クエ・カピ以外にも春節につきもののお菓子がたくさんあります。
これらはテーブルいっぱいに並べられて、皆でつまみながらおしゃべりしたり、ギャンブルして楽しむのです。ペナンの手作り菓子をシンガポールの親戚たちも毎年楽しみにしており、あれやこれや調達し、帰省する娘に持たせています。そして娘はシンガポールドルのアンパオ(お年玉)をもらってくるという仕組み・・・ いまやリンギットの3倍ですから、大きいです(笑)。



正月菓子のいくつかをご紹介しましょう。
春節でないと出回らないので、見たこともないお菓子もあるでしょう。

まずはHoney Comb(蜂の巣)と呼ばれるお菓子。ほんのり甘い素朴な揚げ菓子で、これもついつい手が伸びる人気の菓子です。インドあたりから伝わったもので、タイでも見かけます。そう、マレーシアやシンガポールの中国正月では、ムルクなどのインド・スナックが並ぶのも定番です。これも手作りのものは格別です。このHoney Combというお菓子はこの形をした型を生地にくぐらせ、そのままさっと熱い油に突っ込んで揚げます。昔シンガポールの親戚の家で皆で作ってみようとしたところ、料理の下手な家なので完全な大失敗でした。下手に手出しするものではありません(笑)。



そして私とチエさんが大好きなKueh Bangkit。ココナッツ風味の大きめな卵ボーロといったところでしょうか。もともとは神棚にお供えする菓子だったので、古い時代の中国の銭の形だったそうですが(たしかマラッカのチャーリー・リーのがそれじゃなかった?)、今ではウサギや桃、花の形と縁起のいいものの形で作られています。これはサーゴ粉で作られるので、口にいれると口中の水分を一気に奪われるため、最初は日本人には食べにくいお菓子かもしれませんが、一つ二つと食べていくうちに、おいしいと思うようになると思います。うちのにゃんこも大好きです。



あとこれは皆さんには珍しいと思われるのでは、人気のチクー・チップスです。くわいの実を薄くスライスして揚げたもので、サクッとした口当たりのよいチップスで、塩味のスナックです。チクーというと、激甘の果物を思い出す方もおられると思いますが、なんでこれをチクーっていうんだろうね、とローカルの友人も話しておりましたが、あの果物とは無関係です。



このほかにやはり口中の水分が失われるクッキー類が数種。大体、アーモンド、ピーナッツなどのナッツ類や緑色のえんどう豆の粉で作られたものがあります。これらは本当に作り手の腕次第で、名人が作ったものは美味しいのですが、なかなか、そのような名手のものに当たったことがありません。でも一昨日はバリクプラウで美味しいものに当たりました。近所の誰々さんが作った、とのことです。

このほかにも洋風なお菓子を作る人もいたり、そして近年のトレンドはカニカマを裂いてからカリカリになるまで揚げたものが人気。そのほかにもあの海苔に天ぷらのような生地をまぶしてサクサクになるまで揚げたものも人気です。


菓子を家族で作って準備するのも正月の楽しみの一つでしょう。そういう光景がこの先いつまで続くのか。友人について行ったカンポンの農家で、初対面の私にまるまる一缶手作りのクエ・カピをプレゼントしてくれたのですが、その太っ腹ぶりもカンポンならではだなあと思いました。

私が日本人だったので、特別待遇、ということでもありますけどね。彼らの暇つぶしのタネ、ですから。













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いつもお世話になっているイカロス出版さんから1月30日発売の


素晴らしい本が出ましたのでお知らせいたします。タイトルは少し長いのですが、


「マレーシア ペナン エキゾチックな港町めぐり~ジョージタウン ノスタルジー紀行」(1600円)


    
マレーシアはペナン、ペナンの中でも世界遺産の街「ジョージタウン」にスポットをあて240ページにもおよび、歴史・文化、グルメ、市場、アート、職人さん、街歩きのためのマニアックとも言える詳細な情報と地図など~世界遺産の街に息づくすべてをオールカラーで紹介しているスゴイ本です。もちろんプラナカンのページもたっぷりあります。この1冊で、一か月は楽しくペナンに滞在できそうです。


おもな内容をコンテンツから拝借してみましょう。


・美しいショップハウスの数々


・ホーカー料理大集合


・奥深いプラナカン文化(平岡シェフ渾身のニョニャ料理が解説付きで楽しめます)


・さまざまな文化の交差点


・ペナンの華人ワールド


・下町散策


・ペナンのアート体験


・魅惑的なペナンの夜


・生活に根づいたコピティアム


・世界一の食都


・ジョージタウンからの小旅行


・ビーチエリアの休日


・遥かなるバリクプラウ、


・厳選おすすめホテル、


・ジョージタウンのランドマーク


・マレー鉄道の旅(鉄道ものはお任せ!のイカロス出版ならではの情報満載)


・ペナンの詳細なMAP(特に壁に描かれたアートが一目で全てわかるページは圧巻!)


・ペナンの歴史やインフォメーションなどなど~
書き出しただけでも、魅力的な内容がぎっしりです。


特に面白かったのはジョージタウンに点在する「公司:KONGSI」と呼ばれる「同姓会館」めぐりや、通りの名前の由来とともに、それぞれのストリートを紹介するページです。ノスタルジーを掻き立てられる風景と人々の姿から、生きたペナンの姿が伝わってきます。


昔から足しげくペナンに通い、自らのハネムーンもペナンだったという編集者のTさん。内容も通り一遍のガイドブックではなく、細かいところまで情報がこれでもか!とばかりにぎっしり詰まっています。T氏が長年温め続けてきたペナンに対する情熱と、溢れんばかりの愛情が丸ごと詰まったペナンの集大成、バイブルともいえる本です。


 ぜひ、これを手に、新しくてちょっぴり懐かしいジョージタウンに旅をしてみてください。


 


 


 


1月21日(土)20時~ ナショナルジオグラフィックで


「プラナカンの源流を求めて」という番組が放送されます。


(原題:In Search of The Straits Born With Julian Davison)」


 


なにやら大掛かりなタイトルですが、歴史学者のDavison氏がプラナカンたちの住むマラッカ、ペナン、プーケット、シンガポールへと旅をして、それぞれの土地で育まれた華やかなプラナカン文化を紹介するという内容です。
MikiさんやChieの知っている人たちが出演するようですが、ご興味がありましたら是非ご覧になってください。


個人的にはプーケットのプラナカンたちの様子を見てみたいな~と思います。


 


1月26日(木曜日)10:30~からも再放送があります。


http://natgeotv.jp/tv/lineup/prgmtop/index/prgm_cd/2121




2017年、新年おめでとうございます


 


旧年中は大変お世話になりました。


マレーシアやシンガポールでは春節が近くなると色々なところでアンパオを配っています。今年の春節は1月28日~。干支である酉年のアンパオはマレーシアのメトロジャヤのものです。



「身体健康」というユニークなアンパオ、こちらはペナンのもので、見ているだけでなんだか元気になりますね。



このアンパオ同様、皆さまの健康とご多幸をお祈り申し上げます。


 


今年は日本とマレーシアの外交関係樹立60周年を記念する年。


昨年、外交樹立50周年を祝ったシンガポール同様、マラッカ~ペナンと、さらなるプラナカンの研究を皆さまにお伝えできればと思っております。


 


どうぞ宜しくお願い申し上げます。


 




ペナン在住のMikiさん御用達、予約をしないと買えないバリクプラウの絶品スイーツ、「クエカピ(Kueh Kapit)」をいただきました。


 
何とか崩れずに日本へ到着!開けたらココナッツのいい香りが




クエカピの英語名はラブレター、またの名をクエブランダともいい、オランダからインドネシアの影響を受けたウエハースのような焼き菓子です。


シンガポールではラブレターと言った方が通じますが、マラッカやペナンではクエカピと呼ばれる方がポピュラー。そしてシンガポールやマラッカではヨックモックのシガールのようにロール状になっているものが多いのですが、ペナンではまさにラブレター、このように4つ折りのものが圧倒的です。


このクエカピ!!もう、止まらない美味しさで、まるでポテトチップスを食べるかのように一度手にしたら最後、立て続けに10枚ほど食べ、お茶で一服してまた10枚~と、クリスマスケーキをたらふく食べた後に、罪深いお菓子をいただいてしまいました。


聞くとバリクプラウの山奥でおばあちゃんが一人、炭火で丁寧に焼いているとか。だから量産もできず、予約をしないと買えないそうです。


ご覧のように極薄で、手焼きならではのナチュラルな焼き色



以前、こちらのブログでも紹介したシンガポール大同の絶品ラブレターは炭火の香ばしさと絶妙な甘さ加減に感動しましたが、このペナンのクエカピは真っ先にフレッシュなココナッツの風味が素晴らしく、1ミリほどの極薄の生地にふさわしい上品な甘さと、何枚でも食べられてしまう軽くてクリスピーな食感がたまりません。たまにココナッツの搾りかすのようなものが入っていて、これもまた手作りならではの味わいを醸し出しています。


いや~~ペナンにもこんなに美味しい焼き菓子があるんだ、と感激。


イポーからタイピンにぬける隠れ家のような家で焼かれていたぷっくらと膨らんだ麦芽入りの餅とともに、このクエカピはスイーツ好きの私の中で殿堂入りをしました。これから春節に向けてさらにスペシャルなお菓子が出回ることでしょう。


 


そしてもうひとつ、ペナンに行ったら必ず買うスパイスの「五香粉」。こちらも知る人ぞ知るペナンの漢方薬局でブレンドされたもの。中国や台湾で売られている開けたとたんに八角がツーンと香るものとは違い、かなりマイルドで甘い香りがします。色もこのように若干レンガ色です。ペナン名産のナツメグも入っているとか。


 


今年もおいしいお料理やスイーツ、そしてプラナカンを通じて沢山の方々との出会いに感謝です。


 


ことしもあっという間に師走となりました。


東京には先月早々に初雪も降り、苦手な真冬の到来です。


さて、今年の8月に地球の歩き方(ダイヤモンド社)から発売されて以来、順調な売れ行きのMook「シンガポール ランキング&マル得テクニック」
(電子書籍の
Kindle版でもご覧になれます。)

その中で「シンガポールのプロにきくグルメランキング」というコーナーがあり、
MikiさんとChieが参加しています。


様々なジャンルやシーンに分けて食べるべき料理と、ベストなお店をランキング形式で紹介した「食」の部分が、書籍のかなりのボリュームを占めていますので、クリスマスやお正月にシンガポールの渡航を考えていらっしゃる方はもちろん、数日間で効率よく食べ歩きをしたい方などに是非おすすめしたい一冊です。


このMookMikiさんの「シンガポール絶品!ローカルグルメ」の2冊があれば、短い間で自分の好みに合わせた「食べる、買う、見る、滞在する」の快適なシンガポール旅行ができるはずですよ☆


 


満を持してオープンとなったNgiowファミリーのレストラン、Manis Jにやっと行ってまいりました。
Jというのは、Ngiowファミリーの方々のお名前が、ジョイス、ジェニファー、ジュリーなどすべてJが付くところから来ています。私たちの本でもおなじみのJ Manekのオーナーはこのファミリーのジョイスで、彼女らのお母さんはマラッカのババ・コミュニティーでも料理上手として有名なお方、その血とレシピを継いだ娘たちがオープンしたお店です。

お店がオープンした場所は古い繁華街のブンガラヤ通りで、オランダ広場あたりから歩くと10分くらいのところにあり、徒歩でいけるのが嬉しいです。今、マラッカの有名店の多くがヘリテージゾーンを追われ、郊外に移転してしまいましたから。
結構広いショップハウスの1,2階にテーブルが並ぶ比較的大きなお店です。

メニューはまだまだこれから増えていくと思いますが、Ngiowファミリーの得意料理はほとんど網羅されています。

まずオススメはIkan Chili Garam(イカン・チリガラム)。

8月の講演会でも「私が一番好きな料理」と申し上げたお料理でございます。魚は新鮮なスナンギンという美味しい白身魚で、カリッと揚がっており、これだけでも同行者は美味しいと感動していましたが、私はなんといっても、上にかかっているサンバル。フレッシュな唐辛子とシャロットをつぶしてペーストにし、じっくりと油で炒めて塩で味付けしただけのシンプルなサンバルですが、私はこれだけでごはんが食べられるほど気に入っています。ジョイスも「そう、これだけでもいいくらい!」と笑っていました。


これは味見用で出してもらった、アヤム・ブアクルア。
マラッカ式で、濃すぎず薄すぎず、というお味。ナッツの中身をほじくりだして、ごはんの上に置き、グレイビーをかけて混ぜ混ぜして食べます。そうするとなんとも言えない絶妙な味が楽しめます。チエさんの大好物ですね。



こちらはオタオタ。厳密にはニョニャ式ではなくて、マラッカに近いムアールという街の名物オタオタのスタイルです。かまぼことペーストの中間、と言ったところでしょうか。このスタイルがシンガポーリアンやマレーシア人に人気なので、これなのでしょう。万人に好まれる美味しい一品です。






これもマラッカきたらマストですね。ちょうどいい具合に茹でられたオクラに、特製のサンバル・ブラチャンのソースがかけられています。ライムを絞って召し上がれ。



こちらはウダン・ナナス・ルマッ。
パイナップルとエビ、ココナッツミルクのカレーです。これは日本人にも好評だそうです。
パイナップルのカレーをワークショップで味合われた方なら、パイナップルがカレーになったときのおいしさをご存知でしょう。これもごはんが進む一品ですね。



少食な友人と2人でしたので、もうこれで限界ということで、デザートに。
もちろん、ニョニャ・チェンドルでございます。口に入れたとたんに広がるグラメラカの香り、新鮮なココナッツミルク、これぞマラッカで食べなくてはいけない一品です。
街中のいたるところでチェンドルが売られていますが、本当に美味しいのにありつきたかったら、こういうちゃんとしたお店で食べましょう。実力のあるニョニャ料理店ならまず間違いはありません。ジョンカーの適当な店で食べて、これがマラッカのチェンドルか〜、だなんて決して思わないでください。


美人姉妹のジョイスとジェニファー。
日本の皆さんのご来店を心からお待ちしております、とのことです。

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プラナカンを中心に、シンガポール・マレーシアの話題をお届け。食べ物・旅行の話題が中心です。
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Miki & Chie
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女性
自己紹介:
シンガポールとペナンに住んで20数年、プラナカン協会会員です。ライター&コーディネート業務に携わっています。ご依頼・お問い合わせは下記ホームページからお願いいたします。
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